ヘッドコピーについて 再び 

最近、あるCWクラブのBBSで、ヘッドコピーとは筆記しない受信法なのか、という問いかけがあった。某雑誌の記事に、ヘッドコピーを徹底しようということが書いてあったので、そうした疑問をもった様子。すでにその記事の筆者から返事があり、筆記しないということではない、固有名詞などは適宜筆記する旨の返答であった。

ヘッドコピーは、暗記受信と呼ばれることもあり、ここが誤解のもとになっているのかもしれない。暗記受信という呼称は不適切なのだ。本体は、「理解しつつ」受信することなのだ。送られてくるメッセージを、間髪をいれずに理解し続けること、これがヘッドコピーの本体なのだ。

メッセージの文字列を正確に受信する、プロの受信方法にとっては、この理解しつつ受信するやり方は、邪道ということになる。一文字でも受信しそこなうと、プロの場合は支障を来す。したがって、内容の理解をしている暇はないし、暗号文などの場合はそもそも理解しようがない。プロのトレーニングを受けた方が、アマチュア無線でCWにより会話をする場合に陥る誤りはここにある。

プロのオペが和文を受信するときには、内容を理解しつつ筆記しているのではないだろうか。その質問者の方も、プロのトレーニングを受けており、アマチュア無線で和文の交信をするときには、全文筆記しているが、その後読み返すことはない・・・ということは、受信しつつ内容を理解しておられるわけだ。だから、意識せずにヘッドコピーをしていることになる。

ヘッドコピーは、全文暗記をするという趣旨ではない。頭を使って「理解しながら」受信する、ということだ。「筆記してはダメ」ということだけだと、初心者の方を惑わすことになる。

コメント

暗記受信

いつも、社会問題など、考えさせられる記事、楽しく拝見しております。

実は、私も、プロの通信士の教育を受けました。
プロの試験では、受信スピードが速いため、紙に今、聞いた音を1文字1文字書き下ろすと間に合いません。ですの、耳で今の音を聞きつつ、書くのは数文字遅れて受信したものを書き下ろすという「遅れ受信」というやり方を教官から教わり実践していました。
この場合、頭のメモリ-に一旦蓄えて出すという感覚です。

平文でも1部を暗記し、「筆記しない」という「暗記受信」は、「正確かつ迅速」が常のプロの通信では厳禁とのことを教官から教わりました。
それは、暗記することで文章の流れが読め、先が予測でき、勝手に自分の頭の中で相手の送った電文を間違って理解してしまうためだそうです。

私も、アマチュア無線の交信では、筆記しなくても理解できますが、必ずノートに書き下ろしています。
でも交信中、読み返すのは1部のキーワードだけです。

「暗記受信」の記事は、アマチュア無線では、口頭での会話のように多少聞き間違いがあってもCWを使えるようになれると楽しいという紹介だと感じています。

でも、私も初心者だろうが熟練者だろうが、筆記が一番だと考えています。

Re: 暗記受信

その遅れ受信というのは、おっしゃられる通り、暗記受信の変形ですよね。早くて筆記が追いつかない速度で、遅れ受信だと追いつくというのは、どうしてなのでしょうか。

もし遅れ受信が、遅れて文字ごとに正確に筆記することを意味するのであれば、それはその速度で筆記受信ができぬ、ということと自己撞着になります。

また、遅れ受信でメッセージの概要を筆記するのであれば、それは暗記受信そのものです。

和文では、筆記するとしても、内容を理解しつつ筆記するのではありませんか。それは暗記受信です。でないと、受信が終わった途端に筆記した内容を読む必要が出てきます。

繰り返しますが、暗記受信は筆記しないということではなく、「理解しつつ」受信するということです。それができていれば、筆記するのは問題ないということです。暗記受信をメッセージをすべて暗記するかのようにとらえるのは、誤解です。また、暗記受信が筆記を否定しているということでもありません。

筆記していても、意味のあるメッセージのやれとりに支障がないのであれば、それは問題になりません。歴史的に見て、プロの通信士の方々が、電信の受信を指導する際に、筆記にこだわり続けたことが、メッセージのやり取りの出来ぬCWオペをたくさん生み出した、という問題があるのです。25から30WPM以上の速度で会話をするように、欧米の局とメッセージをやり取りすることが、CW通信の醍醐味だと私は考えています。いわゆるプロの通信士の方で、それができる方はどれほどいるでしょうか。

ご返事ありがとうございます。

JA1NUTさん。
ご返事ありがとうございます。

私が、「暗記受信」を誤解していましたね。失礼しました。
私も、「暗記受信」も「筆記受信」も両方否定しておりません。

その中でも「筆記受信」が1番だと考えているだけです。

送れ受信は、交信が終わった後でも数文字は、まだ頭のメモリ-の中にあり、それを遅れて書き下ろしています。
なので、おっしゃるとおり暗記受信の変形ですね。

プロの方々は、暗記受信は必ずできますヨ。(保証します。)

しかし、業務ですので、暗記した内容が正解でないといけないため、必ず書き下ろすように訓練を受けました。

理解しつつ受信できるようになりますと、相手の送ってくる次の文章が予測できるようになります。
 これが、悪い癖となって間違って予測し聞き取る恐れがありるため、それを戒めているものかとも思います。

 私はプロの通信士としての実務経験はありませんので、他人様に指導した経験はありませんが、もし指導(大げさか?)するならば、やはり、書き下ろすように教えると思います。
 これは、一旦音の記憶を紙に書くことで頭の中がリセットでき、次に受信する音に集中することができるからだと素人的に考えています。
 特に初心者さんにはそう指導すると考えます。
 書き下ろす事が出来て、経験を多く積めば自然と暗記受信は出来てきます。(これも保証します。)

 なので、プロの方が指導する「書き下ろす」ということは将来確実に暗記受信が出来るようになる手段として理にかなっていると考えています。

「筆記にこだわり続けたことが、メッセージのやり取りの出来ぬCWオペをたくさん生み出した、という問題」がアマチュア界にあるようですが、私が想像するに、単純にオペレータさんの技量不足だと思います。
 
 英語でのCWラグチューは、英語が出来ないと、暗記受信は困難ではないでしょうか?
私も、プロの資格は持っていても和文の暗記受信はできますが、欧文は無理です。

Re: ご返事ありがとうございます。

この議論は、このブログでもさんざん繰り返しているので、「暗記受信」をキーワードにして検索し過去のポストに一度目を通してください。

筆記受信をするのがベストだという論拠は、

「理解しつつ受信できるようになりますと、相手の送ってくる次の文章が予測できるようになります。
 これが、悪い癖となって間違って予測し聞き取る恐れがありるため、それを戒めているものかとも思います。」

ということですね。

しかし、会話でも、またCWでのメッセージのやり取りであっても、単語、文章、論旨の各々のレベルで、相手の言わんとするところを予測し(将来の予測)、それを次に受信した内容で補正し(過去の反省)理解を進める、というプロセスが必ずあります。これがCWによるやり取りの面白さでもあります。それを否定したら、それこそ人間デコーダーになるだけでしょう。間違って予測したことがわかれば、補正をすればよいことです。間違って予測したままに受信するかどうかは、知的誠実性の問題です。会話で間違って予測して間違って理解したら、話が続かなくなります。それでも会話をしているように振る舞うかどうかの問題です。理解しつつ受信できるようになり、連続して進行する将来の予測と過去の反省のループが機能すれば、相手の言わんとすることを、よりた易く理解できるようになるのです(現実の会話は、こうして成立しています)。

また、筆記作業は、知的な解読作業とはまったく相容れない、運動が関わる作業であり、メッセージの理解には邪魔になります。筆記受信を続けていると、筆記しないと不安になってしまい、理解しつつ受信することができなくなります。現に進行する受信作業の障害になり、依存性を生むことによって、脱却することが難しくなります。

私は、JAのハムでも、nativeのハムでも筆記受信の呪縛によって、自由な会話ができなくなった方を多数知っています。

これ以上は、水掛け論になりますので、これで止めます。是非筆記受信をきわめて、自由に交信できるという実例になってください。

英語力の問題は別なポストで繰り返し論じています。

否定はしていません。

こんばんは。
返信ありがとうございます。

私は決して「暗記受信」を否定しておりません。
(私の文章の書き方が悪かったせいです。すみません。)

プロの話とアマの話がごっちゃになっってしまって申し訳ありません。
下線で示されている「悪い癖」になるのは、プロでの話です。
すみませんでした。

私は、理解しつつ受信できるようになる「いわゆる暗記受信」を習得するまでには、まずは、書き下ろすことから始めた方が、暗記受信できるようになるまで最短の道を進めると考えている。ということを言いたかっただけです。

CWに慣れてきても、なかなか筆記から抜けずに書かないと不安になり会話に支障をきたすという意味も解ります。私も経験済みです。

また、筆記に捉われる事無く間違って分からなくなっても、理解しつつ話を変え、続けるのが会話で、これを続けることも賛成です。
誤ってヘッドコピーした内容で相手に返しても、相手が訂正してくれたり、そこから互いの技量を見極めて新たな会話にも発展することも経験しています。
日本人が英会話ができないのも、完全に理解できないので、話題を変えることができず会話が続けられないからだと想像します。

なので、繰り返しになりますが、理解しつつする暗記受信は賛成ですが、この理解しつつする暗記受信ができるまでは、暗記受信に拘る事無く、書き下ろす「筆記」が1番が一番ではないかと考えています。
実際、私は、以上の経験から、今では1部しか書き下ろさなくても和文で会話でいきます。(欧文は無理ですが、英語が母国語同等に流暢理解できると可能と考えます。)

私は、CWでの会話を楽しむのに、「筆記」も「暗記」も違いは無いと考えています。
前者が相手方の言わんとする事を正確に把握でき会話を展開できるのに対して、後者は、口頭での会話での展開だと考えています。
いずれにせよ、両作業とも知的な作業だと考えております。

すみません。
貴局のブログで議論してしまいまして。
これ以上の議論は、貴局のブログを汚すことになりますので、ご意見がござましたら、私のJARLメールアドレスにメール頂けましたら幸いです。

いえ、理解していただけていないようですね。

筆記が、「理解する受信」の「邪魔」になる、ということです。

和文の場合、言語として何等抵抗がなく理解できるために、筆記受信と暗記受信の壁は比較的低く、筆記受信に精通することと暗記受信ができるようになることが一致するため、筆記受信に精を出せば暗記受信ができるようになる、とおっしゃっているのだと思います。それは誤りです。

その主張は、プロの通信士上がりの方が、金科玉条のごとくに繰り返してきた主張です。ですが、それは暗記受信を難しくしてしまいます。

まずは、英文で暗記受信をご自身がスムースにできるようになってから、主張なさったら如何でしょうか。大変失礼な言い方になりますが、ご自身ができない技能を、筆記受信を極めればできる、と主張されることには大いに違和感を感じます。まずは、筆記受信で暗記受信が容易になったということをご自身で示してくださることが必要です。貴兄の揚げ足を取るつもりはなく、その筆記受信第一の議論が、多くの初心者を惑わしているために、しつこく申し上げました。

これでおしまいにします。

白熱教室?にすこしコメントさせてください。
ずいぶん前に、1アマ取得のため和文をローカルのOMにお願いして一月程特訓を受けました。もちろん和文コードは全部覚えていましたが、QSO未経験でした。毎日決まった時間にランダムな話題を打ってこられ最初はQRSからスタートし、全部紙に書いていましたが内容は紙を読んで初めて理解でたので返信は当然遅くなります。1アマ実技試験(受信+送信)をパスするにはこの程度でも十分でした(受かりましたHI)。スピードが上がってくると書けなくなり暗記受信の割合が増えた記憶があります。そうなると面倒なので話の重要な部分だけメモするようになりました。訓練の最後の方は話す内容も大体分かってくるし先生のバクキーの癖もつかめたのでメモも不要となりました。プロの方は紙に書いて電文を船長とかに報告する義務があるので書くことにこだわっているのではないでしょうか。QSOでは会話と同じでやり取りするのがポイントなので紙に一々書いていてはスムースなやりとりは出来ないと思います(この段階は試験に受かるレベルでしょう)。
欧文チャットの場合、英語力により筆記受信も有効だとは思いますが、どれがキーワードか理解するには文章=会話の流れから次にくることばを想定する作業を頭の中で行うには暗記受信が必須ではないでしょうか? 受信内容が頭の中で分かっていれば一々書く必要はないはずです。 出切るだけ文章で理解できるよう受信練習をしていますが、分からない単語が出てきたとき辞書で調べられる余裕はまだそんなにありませんが。
ランダムなモールス符号(欧文和文)を打たれると暗記受信はできません。紙に書くことは出来るはず。暗号とか業務で必須の言葉をモールス符号で伝達するには紙に書く作業は必須だと想像します。プロと素人無線の差はここにあると思います。以上経験からコメントしてみました。

takaさん

暗記受信に成功する方は、多くの場合貴兄と同じような道のりでたどりつくのだと思います。

が、次の点を指摘させていただきたいと思います。

和文は、我々の母国語であり、筆記受信から暗記受信への壁は相対的に低いこと。外国語であり、単語を一つの単位として送受信する欧文CWの場合は、大きく異なること。

試験を通るためには、筆記の技術は必要であったこと。暗記受信ができるようになれば、「遅れ受信」も容易であること。

「筆記」という運動は、もっぱら理解し、解読すべき受信作業にとって邪魔になること。筆記への依存が起きうること。

実際の交信で、ノイズや混信にまみれながら行うことになるわけで、受信の際の予測、推測作業は必ず行われている、したがって、それを行うべきではない、というのは現実に合っていないばかりか、初心者を混乱させる、ということ。

暗記受信という呼称が、どうもよくないように感じます。受験の暗記みたいなネガティブな印象を与えるのと、「理解しつつ」受信を進めるという内実を表現しえていないからです。

和文はその通りですね。欧文(英文)QSOで信号が弱く最初又は途中の文字がいくつか抜けてしまう場合など内容を予測して意味を捉えると言うのはその通りだと思います。 単語が抜けてもそれまでに受信した内容や、やり取りから意味を考える動作も無意識にやっていると思います。暗記ではなく言葉として聞いているというのが正しいと思います(そのレベルにはまだまだですが)。なんと表現したら良いかは言葉の達人にお任せしますHI。

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