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朝日新聞の論説;小児医療について 

朝日新聞としては、比較的、的を得たことを記している。

が、疑問・注文が三つある。

一つは、小児科が厳しいのは、小児科医数が足りないのは勿論だが、夜間・休日の救急に医療機関を訪れる患者が極めて多いことによる。いくら小児科医を増やしたところで、日中と同じ体制を夜間・休日に組むわけにはいかない。大きな大学病院クラスの病院でも、夜間・休日は大体一人の小児科医が急患に対応している。

夜間・休日の小児患者が多い理由は複数ある。子ども達は、夜具合が悪くなることが多い、共稼ぎ・核家族が多く夜しか医療機関を訪れることが出来ぬ、小児医療費の無料化で気軽にかかることができる、親が小児科医に子どもを診てもらいたいと希望する、等々。特に、医療費が無料であると、あたかもコンビニに行くように、きわめて軽い病状ないし数日前からの病状であっても、救急患者として受診する。そして、救急を担当する小児科医は、疲弊する。

こうした理由のうち、親に対する教育で解決することも多くある。子どもを持つ親に対する啓蒙が必要だと思う。ただ、患児の家庭的な背景、患児・親の性格等々ケース毎に異なり、さらに医師患者関係がスムースでないと、こうした議論を率直に出来ないことが多い。患児、その親はかかりつけ医と普段緊密に連絡を取り合うこと、話し合うことが必要だ。その点を、マスコミ自ら、きちんと述べる必要があるのではないか。

第二点、マスコミがこれまで行ってきた医療バッシングに対する反省をなぜしないのだろうか。医療訴訟が提訴された時点で、大々的に原告サイドにだけ立った新聞記事を書く。または、医療事故を、恰も医師・医療機関のミスであるかのように決め付ける報道をする。こうしたことが積み重なり、小児救急を含め医療が危機に陥ったのだ。それを、真摯にまず反省して欲しい。でなければ、こんな論説をそのまま受け取るわけにはいかない。状況が変われば、医療バッシングを始めるのがマスコミだ。医療を崩壊させつつある、一人の立役者がマスコミなのだ。

第三点、小児科の研修期間を長くすれば、小児科に興味を持つ若い医師が増えるだろう、というのはおかしい。小児科研修医を相対的に増やして、戦力にしようという発想なのか(どこかの省庁が望んでいる、小児科医療義務化に通じる発想か)。現状の厳しい小児科研修を行えば、小児科志望者は減りこそすれ、増えることはないのは明らかだ。

朝日新聞の論説;
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu2

コメント

米国型

医療制度になったら、こうなっちゃうと言う記事が、「暗いニュースリンク」に掲載されています。

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2007/04/12000_a915.html
↑SFクロニクル紙:「保険未加入の患者、肋骨骨折で治療費が1万2,000ドル超」

#年収7500ドルの人が、肋骨を骨折しただけで12000ドルの医療費を請求されちゃうんですからね(苦笑)。米国では、下手に道でこける事も出来ませんね。

興味深い情報をありがとうございます。このニュースにも記されていましたが、これは特別な出来事ではないようですね。

李啓充氏の著作によると、無保険者に対して、特に高額の医療費を請求する傾向があるようです。また、保険が医療の内容を十分カバーしない「低保険」の問題も大きくなっている様子です。何しろ、医療費の債務が、個人破産の二番目に多い理由の社会なのですから、ね。

こうした実情を、マスコミ・官僚は、国民に知らせようとしません。大体、混合診療導入によって利潤を上げようとする企業の経営者が、導入プランを練っているのですから、酷い話です。

最近は、あまりに経済的に厳しくなっているために、混合診療に賛成する医師・施設も増えてきています。東大・京大等の大学病院の管理者も、混合診療を導入すべきという声明を出しています。

この先、数年間でドラスティックな変化が起きそうです。どれだけの人々が苦しむことになるのか・・・。

病院の経済

今晩は。

世間一般では、病院(とお医者さん)は儲かってウハウハと言うイメージがあるようですが(コンピュータ技術者もそう思われているきらいがありますねHi)、私が社会に出て医療関係のコンピュータシステムに関わりだした20年以上前の時点でも、多くの病院の経営は苦しかったんですよね。

最近多くの病院で採用されている院外薬局も(私の住んでいる市の市立病院もついに院外薬局になってしまい、お年寄りの皆さんから大ブーイングを食らっています)、元は医療経営コンサルタントが(実質的にオーナーが同じであれば)院外薬局にした方が節税に有利だし、儲かりまっせ...と始めた所が多かったように思います。

私も実際にコンサルタントとお話をした事がありますが、彼らの視点は、患者さんにより良い医療を...では無く、いかに病院のオーナーの利潤を上げるか(そして、いかに法の穴をかいくぐるか)と言う視点なのに、驚き、そして呆れた事があります。

でも、その当時でも、そこまでしないと経営が維持できない(要するに廃業するしかない)所まで追い詰められた病院がかなりあったのも事実なんですよね。

私は、国民が実情を自分で知り、そしてどうすれば良いのかを考えるべきだと思っているのですが、都知事選の結果を見る限りでは、それもかなり難しいのかも知れません(汗)

医療機関のIT化にずっと関わっていらっしゃったのですね。それで、実情を良くご存知なのですね。

院外薬局は、表面上、患者へ十分な薬剤情報を与え、投薬暦管理などを行う、患者サービスの一環という建前ですが、官僚の意図は、製薬会社・卸と医療機関の密接な関係を排除し、不要な投薬を止めさせ、医療費削減を行うことであったと思います。

医療機関と院外薬局の経営関係は、厳しく排除されていると思いましたが、違うのでしょうか。

私の医院では、やはり門前薬局はどうしても必要なので、知り合いの薬局に出店してもらいましたが、経営上の関係は勿論ゼロです。県の意向で、道を挟んだ向かい側に薬局を作るように強制されたのですが、子どもさんを連れた親御さんが、道路を渡るのはとても危険です。(数年前に、実際に事故にあった親子連れがおりました)。

院内薬局が患者さんにとって一番なのは良く分かるのですが、現在、薬の卸値と、実際の薬価の差は、殆どなく、場合によっては、使えば使うほど赤字になるのです。デッドストックや、調剤をする手間を考えると、私の仕事場のように小規模な施設では、院内薬局は殆ど不可能なのです。

院外薬局を、「道を挟んで」作らなければ認めないといった馬鹿げた行政の指導には、うんざりします。これも、本当は患者サイドから行政に不満をぶつけてくれると良くなるのでしょうが・・・そんなことはありませんね。

薬の卸値と、実際の薬価の差は、殆どなく、場合によっては、使えば使うほど赤字になるのです・・・のは、薬を医療機関が購入するときには、消費税がかかるのに、患者さんに投与した場合の診療報酬請求には、消費税を請求できないからです。上手い具合(笑)に、5%をほんのわずか超えるだけの値引きはして貰えますが、消費税が上がったら、院内調剤の打撃は大きいでしょう。

はじめまして

最近の新聞各社は、
自分で火種を作っておいて、
それに消火をする、
全くのマッチポンプですね。

全く解決策を提示できていないのも
悲しいです。

脳外科みならいさん、コメントをありがとうございます。

小児科研修を長くしたらどうかという提言で、こりゃだめだと思いました。きっとネット等で情報を集めて、その貼り合わせでこんな記事を書くのでしょうが、ちょっとしたところで、お里が知れてしまいますね。

マスコミも、広範な社会事象全般を扱わなければならないので、大変なことだとは思うのですが、現場に足を運ぶ、現場の声を聞くという取材を通して、記事を書いて欲しいものです。この場合の現場とは、偏らないことも大切ですね。医師は、医療現場の権力者と医師叩きをすることだけに終始されると、問題は見えてきませんね。

院外薬局との経営関係

おはようございます。

なるほど、確かに個人経営の病院では、院外薬局はかなり経営上のメリットがあると言う事なんですね(私が昨年骨折して入院した病院でも、院外薬局が入り口の正面(の道を挟んだ)所にありました)。

ただ、私の地域の市民病院における院外薬局は、病院から600mほど離れていますので、薬を受け取るためにお年寄りがしんどそうに歩いて行くのを見ると、気の毒だなぁといつも思っています。

#(うちの母を初めとして)市民病院を利用している患者のみなさんは、(病院のアンケートなどで)不満を言っているのですが、行政は「金が無い」の一言で全てを片付けているようです。

>デッドストックや、調剤をする手間を考えると

私が幼稚園からかかっている個人病院(元の先生から息子さんに代替わりしていますが)では、今でも院内調剤を行っていますが、先生が「また、今日も○十万円の薬を処分したよ...」とぼやいていました。

#もしかすると、近いうちに院内調剤を止めてしまわれるかも知れませんね。

>医療機関と院外薬局の経営関係は、厳しく排除されている

もちろん当時から厳しく制限されているのですが、コメントにも書きましたように「実質的にオーナーは同じ」なんだけど、書類上は違う...と言う抜け道を、コンサルタントはアドバイスしていたようです(ばれたらえらい事になると思うんですけどね)。

当時、そう言う「抜け道を探す」コンサルタント会社に元同僚が働いていたのですが、「こう言う仕事は、エンジニアとしては空しいなぁ」とぼやいておりました(苦笑)

#彼はコンピュータ技術者ですが、コンピュータシステムで処理を行う時に、いかに保険点数を「合法的に」水増しするかと言う部分の仕事をさせられていましたので(苦笑)

まだ、この辺の「なんだかなぁ」と言うお話は沢山あるのですが、またいずれお会いした時にでも。

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