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官僚の世論誘導 

「じほう」から、以下のように医師の収入について報道された。厚生労働省からのデータ。元記事は、施設の大きさ、性別などで長々と分析されているのだが、ほとんど無意味な内容。

以下引用~~~

厚生労働省がこのほどまとめた「2006年賃金構造基本統計調査結果」によると、医師の所定内給与(月額)は前年から3万9600円増加して76万1000円(平均41.2歳)となった。一般労働者の30万1800円(同41.0歳)と比べて倍以上の水準となっている。

以上引用終わり~~~

「一般労働者」とは、どのような仕事をしている人々を指すのか?ここで、官僚が強調したがっているのは、「一般労働者」に比べて、医師がどれほど高給を取っているかということなのだろうか?

医師の収入を問題にするのであれば、同程度の教育を受けた職業(即ち、修士ないし博士課程の大学院を出た、年余にわたる厳しい修練を擁する技術職)かつ、リスクを伴う職業に従事する人々と比較して貰いたい。

さらに、医師は、拘束時間が極めて長く、当直業務が頻繁にある職業だ。また、当初の研修期間はかなり薄給であり、また転職をすることが多いために、退職金はあまり期待できない。

従って、時間給及び生涯収入で比較しなければ、意味が無い。

年収1千万の収入であっても、普通の医師の労働条件であれば、時間給が2千数百円になるという。生涯収入も、普通の大学出の方のそれよりもむしろ少なくなることが分かっている。厳しい研修を経て、訴訟の危険と隣り合わせで行う仕事として、見合う収入ではないことはもう医師は皆知っている。

官僚は、この収入データが、ほとんど意味のないものであることは分かっているはずだ。(医師検索システムのデータ管理のいい加減さからすると、収入のデータそのものを操作している可能性も十分ある)。

何故こうしたデータを出したか・・・恐らくは、医師が「高給取り」だという方向に世論を誘導したいのだろう。何故、そうした世論誘導をする必要があるのか・・・

一つには、最近勤務医が、労働条件のあまりの酷さに目覚めて、時間外労働に対する対価を求め、また36時間連続労働が常態化していることを是正することを求め始めている。それを牽制し、抑え込むことを意図しているのだろう。

二つ目には、来春、政府・官僚は更なる診療報酬の引き下げを画策しており、それを認める世論を盛り上げたいという意図が考えられる。医療費は、先進国中最低レベルにまで既に落ちている。これ以上破壊的に削減し、医療を一旦崩壊させ、混合診療を導入止む無しという声を挙げさせることが最終的な意図だろう。

官僚は、課長級で既に年収1200万円を超えるらしい。次官ともなれば、2千万円を超えるようだ。退職金は、数千万円、さらに、退職後天下りを繰り返し、それ以上の収入を得るようだ。まず、官僚諸氏は、まず自らの収入を明らかにし、それを分析してみたらどうか。人の収入を云々する前に、することがあるだろう。マスコミも、少しは考えれば、こうしたデータが無意味なことくらいわかるだろうに、考える頭がないのだろうか。官僚の流す情報の垂れ流ししかできないのか。

汚い世論誘導には吐気がする。

コメント

本当に…うんざり

もう、この手の報道には心底うんざりしております。

なんなんでしょうか。
誰と比較して、高いのでしょうか?いいたいことは管理人さんが全てはき出してくれていますが、その通りです。

何でこんなに医者は叩かれるんだろうか。嫌われ者ってことなんだろうか。

好きなところに住めるわけでもなく、時間的余裕があるわけでもなく、タワー一つ建てられず、無線する時間もなく、毎日黙々と働くだけの人生を送ることになろうとは、ついぞ想像だにしませんでした…。

QWさん、お疲れ様です。「新小児科医のつぶやき」でブログ主のYosyanさんが、とても印象的なコメントをなさっています。少し長いのですが、引用します・・・。

以下引用・・・

ほんの数年前まで医師は文句も言わずに医療をやっていたのです。36時間であろうが、72時間であろうが「医師の仕事はこんなもの」と働いていたかと思います。そのため現状の人数では出来るはずもない24時間救急体制が曲りなりにも実現していたかと思います。

ただし内部的にはその当時からギリギリで、非常におっかないバランスの上で辛うじて成立してたのが日本の医療であったと考えています。ところがそんなバランスに無頓着に断行したのが医療費削減路線と、救急充実路線です。

ランナーズハイの状態で苦しいのが苦しいとさえ自覚していなかった医師が、医療費削減の足枷と、救急充実路線の首枷をつけられ、本当は苦しいのに気がついてしまったと言う事です。もちろん他のくびきとして医療訴訟や新研修医制度もあります。医局弱体化もあります。

これらの重荷のうち、医療訴訟以外はすべて人為的に作られたものです。医療訴訟は人為的というより社会現象かと考えています。人為操作をしなければ10年単位で問題は先送れたはずですが、人為操作によってこの2年で顕在化してしまったのです。

ランナーズハイからただの苦しいに意識の変わった医師を、再びハイ状態に戻すのは不可能でしょう。イギリスがもう証明しています。この過渡期に医師がどうするべきか、海図の無い海原を航海しているように思います。

引用終り・・・

この海図のない航海をする船に乗っているのは、国民です。最終的には、国民が難破することになるのでしょうか。その責任を、官僚は、医師に取らせる積りでいるのでしょう。国民は知らされておらず、または知っていても、自分の身に痛みを生じるまでは沈黙を続け、マスコミは定見なく危機を煽ったり、または官僚の垂れ流しの医療を崩壊させる情報を報道し続けます。

今のところ、まったく見通せない航海ですね。残念ながら・・・。

ドクターズハイ…

ああ、このランナーズハイ…って言葉。まさに言い得ていますね…。その通りです。

医者の仕事はこんなもの、文句いわずに黙々働く、でもそれでみんなに感謝されて気持ちよくって、やりがい感じて幸せ幸せ…、と思っていました。

それが…そう気付いてしまったんですね。新臨床研修制度で自由奔放に振る舞える研修医を見て、信じられないような経過を撮る裁判とその判決を見て、テレビで医者に敵意をむき出しにしたアホタレントの台詞を見て、その影響か外来で思わず息を飲むような患者を診て…。

そう…気付いてしまったんです。
まだ病院ですけど…もう帰りたい。

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