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TPPで、モノが安くなり豊かになる、という幻想 

TPPに関して、政府、さらにマスメディアも、「関税が下がり、消費者は豊かな物品をより安価に手に入れ、生産者は自由に国外に輸出することができるようになる」ということだけを述べている。そうした側面がないとは言わないが、その一方で、賃金もグローバルスタンダード、特に開発途上国の賃金に近づくことだろう。非正規雇用の拡大等も、それを先取りした政策だ。私的な医療保険は、米国の保険会社によって占有されている。これも、TPP批准後の自由診療拡大を先取りした市場の枠組み作りだ。

TPPのもっとも大きな問題は、グローバル企業の意向によって国の形が決められることだ。国内法よりも、TPPのISD条項で外国資本から要求の方が優先されることになる。TPPの内容の大半は、関税ではなく、そうした非関税障壁に関する事項である、と言われている。政治家や、マスメディアは、これを語らない

TPPによって、モノが安く手に入るようになる、モノを外国に自由に輸出できるようになるというのは、TPPのごく一部に過ぎない。TPPによって失うことになるものはあまりに大きい。

TPPは、グローバル企業が利潤を上げることだけを目的にしている。各々の国で特有の社会的共通資本のもと生活している人々のためを考えていない。国の形を犠牲にして、グローバル企業に利潤を与えようというのが、TPPの本質である。一旦、TPPを批准すると、後には戻れない仕組みになっている。国の形が、グローバル企業を背後に持つ、ごく少数の政治家、官僚だけによって秘密裡に作り替えられようとしている。

TPP絶対反対と選挙で叫んでいた自民党は、TPP推進に豹変した。明らかな公約違反だ。おそらく、農業対策として、金をばらまき、それでやり過ごす積りのだろう。公的保険が、非関税障壁として外国資本から訴えられるのはまず間違いない。TPPが批准されたら、公的保険はなくなるか、徐々に削減される。

与党政治家と一部の官僚たちは、国民生活をグローバル資本に差し出すことによって、どれだけあぶく銭を手に入れるのだろうか。マスメディアも同じだ。


以下、引用~~~

安倍首相、TPPについて何も理解していない疑惑浮上 受けた報告をそのまま発言か
2015年11月17日(火)6時5分配信 ビジネスジャーナル

 内閣改造後初めての国会論戦となる閉会中審査が11月10日と11日、衆参両院の予算委員会で行われた。例年なら秋に臨時国会が開かれるが、今年は安全保障関連法制の審議で通常国会が異例の95日間延長となり、さらに安倍晋三首相の外遊日程が相次いだため、見送られている。

 これについて野党は、衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば臨時国会を開かなくてはいけないという憲法第53条を持ち出しているが、召集権を持つ内閣は同条に期限がないために応じる様子はない。野党にとってはこの2日間で、どのくらい政府を追及できたのか。問題はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、1億総活躍、高木毅復興相の下着泥棒疑惑など多岐にわたった。

●攻めるべきものを攻めず、守るべきものを守れないTPP

 とりわけ注目されたテーマは、10月5日に大筋合意されたTPPだ。

 10日の衆院予算員会で質問に立った民主党の玉木雄一郎衆院議員は、ハワイやシンガポールなど交渉の現場に足を運び、大筋合意の舞台であるアトランタにも赴いた。

「果たして安倍首相はTPPについて理解しているのか。報告されたものをそのまま発言しているのではないか」

 このように玉木氏が訝るのは、大筋合意が整った後に開かれた10月6日の会見での安倍首相の発言だ。たとえば、お茶について安倍首相は「日本茶にかかる20%の関税がゼロになる。静岡や鹿児島が世界有数の茶どころと呼ばれる日が近いかもしれません」と述べている。

 ところがお茶の輸出総額は78億円(2014年)にすぎず、最多輸出国であるアメリカ、3位のシンガポール、5位のカナダではすでに関税ゼロが実現しているのだ。

「ベトナムについては現行22.5%の関税が、4年目に撤廃される。メキシコについては500トンの枠内で10%、枠外では20%の税率が即時撤廃される。またペルーについても関税が即時撤廃される。こうした機会をとらえて、これらの国に対する輸出拡大を期待する声がある」(安倍首相)

 要するに、TPPをきっかけに地方の産業が振興し、地方経済が活性化するというのだ。

●「TPP反対」を公約に掲げていた自民党

 だが思惑通りにいくのだろうか。玉木氏によると、メキシコへのお茶の輸出量は全体の0.03%で、金額にして174万円。「これで静岡や鹿児島が世界有数のお茶どころというは、論理が飛躍しすぎではないか」「むしろ重要なのは関税の撤廃より、農薬の基準の統一化だ」と指摘する。

 確かに農薬の基準は、輸出の大きな障壁となっている。台湾については日本の基準を中国語に翻訳して提出すればいいが、EUの場合は非常に煩雑で、農薬の種類ごとに輸入基準を審査する国に申請し、その上でEU食品安全機構に持ち込まれ、EU委員会で許可を得る必要がある。認証にかかる期間は6~7年といわれ、その間に新しい農薬が開発されると最初からやりなおしになりかねない。費用も1億5000万~1億8000万円かかるといわれ、メーカーの負担は極めて大きい。

 こうした論理矛盾に、「安倍首相はTPPについて何もおわかりになっていないのではないか」と玉木氏は追及する。「TPPをまとめれば、それでいいと思っているのではないか。TPPをまとめれば首相としての功績になるというイメージだけが、安倍首相の頭にあるのではないか。2012年12月の衆院選で、安倍自民党が国民に約束したことは忘れてしまったのか」。当時の自民党は「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」を旗印に掲げて衆院選を闘っており、明らかに公約違反といえる。

 一方で、最も影響を受ける農家の反発は大きい。10月28日付けの日本農業新聞での農政モニター調査では、69%が農産物の重要品目の聖域確保を求めた国会決議に違反していると回答し、安倍内閣を支持すると答えたのは18%にとどまった。

 だがこうした声に応えるには、今回の閉会中審査だけではとうてい議論が足りない。

「11月下旬くらいにもう一度閉会中審査を行い、この件についてきちんと安倍首相の見解をただすべきだ」

 予算委員会が終わった後、玉木氏はこう述べた。
(文=安積明子/ジャーナリスト)

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