積極的平和主義では、自衛隊海外派兵と武器の輸出が表裏一体の関係にある 

シリア空爆を米、ロ、仏等が行っている。米国は、実に8000回以上空爆を行った。一回につき、1億円以上のコストがかかるらしい。そのコストを、難民支援、シリアの民生のために用いれば、状況は良くなり、ひいてはISの存在基盤を崩すことになるはずだ。だが、そうはならない。こうした武力行使の背景に、軍需産業の影がちらつく。

テロへの戦い、ISを殲滅するという大義名分はあるのだろうが、背後で蠢いているのはやはり軍需産業のようだ。日刊ゲンダイの記事によれば、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の調査では、世界の軍事サービス企業トップ100社の総売り上げが4020億ドル(約49兆2600億円)に上り、毎年増大しているとのことだ。戦禍が拡大するほど、軍需産業が潤う仕組みが出来上がっている

その甘い汁を吸うべく、我が国の軍需産業、防衛官僚が共同する防衛省の外局、防衛装備庁が10月1日に誕生した。武器輸出など軍需産業全般を担当する装備政策課が新設された。武器輸出はできないことになっていたが、実質的にその制限は取り払われた。国際協力銀行の資金を用いて、開発途上国に武器を輸出することも検討されている。実際に、オーストラリアの潜水艦計画への参入が行われようとしている。この事業は4兆円以上の案件だという。

防衛産業では、官民の間の癒着構造が過去何度も表ざたになっている。2007年には、当時の防衛事務次官と民間軍需産業企業のトップが、逮捕されている。新たな組織でも、そうした癒着構造を防止する、外部の監視体制はない。官民の癒着のみならず、武器を輸出する相手との癒着も容易に生じうる。

安倍首相の主張する積極的平和主義とは何か。自衛隊を海外の紛争地に派遣し、そこで戦争をさせることと、武力行使によって消費される軍事物質、武器を軍需産業に製造させ、一部を輸出し、彼らに利益をもたらすことを、両輪のように進めるという意思だ。武力介入と、武器の調達が、ちょうど裏表の関係になっている。これまで厳格に武器輸出を禁じてきた政府方針から180度の転換だ。軍需企業は、武力行使を伴う紛争が起きることを目指す。その武力行使がまた別な武力行使を生む。

中東に必要なものは、武力介入ではない。ISのようなテロリストを排出させぬようにするインフラの整備であり、人々への支援だ。空爆は、状況をさらに悪化させる。武器輸出、武力介入は、新たなテロリズムを生む。

防衛装備庁のロゴマークは、地球の周りを、戦闘機、戦車、護衛艦が取り囲む図柄であるという。そのような世界に住むのは拒絶しよう。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/3800-fe9e7d14