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厚生労働省、医師不足対策決定版発表(嘲笑 

厚生労働省が、医師不足対策の決定版を出しました(笑。

NHKニュースより引用~~~

http://www.nhk.or.jp/news/2007/04/13/d20070413000021.html

今の医療制度では、保険証があればどの医療機関でも受診でき、一方で時間外を受け付けない診療所もあるため、本来は高度な治療を担う大病院に一般の外来患者が数多く訪れて 勤務医の負担が増し、医師不足に拍車をかけています。さらに急速な高齢化に伴ってお年寄りの患者が大幅に増えることも予想されるため、厚生労働省は、医療機関の役割分担を 抜本的に見直す方針を固めました。

具体的には、地域の拠点となる大病院は原則として入院治療と専門の外来のみを行い、診療所は時間外の診療や往診を受け持つとしています。 また開業医についても、休日や夜間に地域の救急センターに交代で出勤することや、時間外でも携帯電話で連絡がとれることなどを求めています。地域の拠点病院からへき地の診 療所に医師を派遣する新しい仕組みも作り、医師の確保を図るとしています。

厚生労働省は一連の改革を実現するため、関係する機関などと話し合いながら診療報酬や医療制度の 見直しに向けて、検討を始めることにしています。

引用終り~~~

要するに、病院は、入院と専門外来を担当、診療所にプライマリーケアを24時間365日担当させる、僻地には基幹病院から医師を派遣、これで、病院での医師不足、過酷な労働条件を乗り切るということのようです。

患者さんにとっては、良いプランのように聞こえるでしょう。

しかし、このプランには、いつもの厚生労働省の机上の空論の例に漏れず、幾つもの問題があります。

第一に、診療所の医師を24時間携帯で拘束するということが可能かどうかです。診療所医師は、多くの場合、自身経営者でもありますから、労働基準法が適用されぬのだろうとは思いますが、24時間拘束というのは、かなり辛いものがあります。診療所医師の平均年齢は、確か60歳を超えています。彼らに(私もですが)、このdutyを課すのは、あまりに過酷というべきでしょう。特に、開業医のなかでも、小児科医にとっては、きわめて過酷なdutyになります。

私の経験から言っても、携帯を全部の患者さんに教え、夜10時頃までは急患に対応することにしてきましたが、数は多くなくても、ポツリポツリと患者さんからの連絡が入ります。夜10時まで、落ち着くことができないというのが率直なところです。それを24時間体制で行えと言われれば、退散已む無しと言わざるを得ません。おそらく年配の開業医は同じ道を歩むことになることでしょう。

第二に、電話での患者とのやりとりが飛躍的に多くなることが予想されますが、電話での指示とは言え、医師には当然法的な責任を伴います。電話指示が結果として患者さんの容態の悪化を招き、医療訴訟に持ち込まれたとしたら、医師にとっては、「割り」が合いません。また、診療報酬上、時間外を厚く手当てするといった誘導策にも、医師は容易には乗りません。システムがまがりなりに稼動したら、行政は、かけた梯子をそっと外す(即ち、一旦厚くした診療報酬を下げる)ことを行うのを常としているからです。

第三に、患者さん(特に小児の場合)は、救急外来を利用する傾向が強くなっています。もし方々の診療所が、救急対応を始めるとなれば、そのシステムが需要を喚起することでしょう。救急のコンビニ化を、行政が推し進めるようなものです。救急センターは、紹介患者だけを診るということにしても、玄関に現れた紹介なしの患者を追い返すことは出来ますまい。

第四、地域の拠点病院からへき地の診 療所に医師を派遣すると机の上で言うことは易く、実行することは不可能ではないでしょうか。どの拠点病院も医師不足で一杯一杯の状態です。さらに、もし派遣できる医師がいたとしても、強制はできないでしょう。強制的に労働条件の劣悪な僻地に派遣されるとしたら、医師はその拠点病院から去るだけでしょう。

厚生労働省は、医師の不足はない、偏在だけが問題だと繰り返してきました。さらに、その背景には、医療費を何としても削減し、公共事業やら、特殊法人への助成やらを維持したいという思惑があります。日本では、社会福祉関連予算が、他の先進国と比べても、とても少ないのに関わらずです。それに、国民は気づいていないように思われます。

医師不足、とくに勤務医の不足を、開業医の負担でカバーしようという、厚生労働省の目論見は、まず実現できますまい。または、ある程度実現したとしても、開業医の疲弊を招き、地域医療が根幹から崩れ去ると思います。

結局、官僚は、それも見越して、この提案をしている節があります。彼らにとって、医療は崩壊することが好ましいことなのです。医療崩壊の責任を、医師・医療機関に負わせ、国民が痛みによって悲鳴を上げるときに、その解決策として混合診療を大胆に推し進めるのです。

コメント

いつも訪問させていただいています。
ほぼ同年代の田舎公務員外科医ですが、周囲はこのような全国的な変化はほとんど知られておりません。開業医様にも同じく知られていないように感じます。地域住民もまず実感はありません
最後の最後までなにも知らずに崩壊、医療消滅してしまうのではないかと、
感じています。
それにしても厚労省はおそまつです。
朝礼暮改どころか朝礼朝改 昼までもちません。それどころか朝礼が出る前に、すでにばかばかしいとの評価が
でる内容ばかりになりました。
管理人様に同じくS39年からもっぱら
CWで でてましたが、現在はお休みに近い状態です。

北西林さん、ようこそ。外科とは、またハードな仕事だろうと想像いたします。

私は見ておりませんでしたが、今夜の夜のニュース番組で、古館某が、医師は大変なようだが、自己犠牲の精神に欠けていると言ったとか・・・これが、世間の見方なのかもしれません。

官僚は、マスコミと世論を上手く操作して、医師を叩けるだけ叩くつもりのようです。仰るとおり、見識も無ければ、現場をみようともしない無定見さ。呆れます。

英国の1990年代の歴史を、後追いしているように思えます。それに加えて、医療訴訟の多発と、米国流の新自由主義政策によって、医療は疲弊し、それにより多くの国民が苦しみ、痛みを味わうことになるのですね。

この厚生労働省のプランが現実のものとなったら、彼等の誘導には乗らず、むしろ仕事の規模を小さくする積りでいます。夜の救急もこれまで細々と行ってきましたが、それもきっぱり止めるつもりです。そうして流れに抗していきたいと思っています。

s39年からの無線暦というと、同年輩でいらっしゃって、同じ時代を生きてこられたことになりますでしょうか。今後ともどうぞ宜しくお願いします。また、無線にもカムバックされますように。

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