「モーツァルト 最後の四年」 

磯山雅氏が、「モーツァルト 最後の四年」という本(翻訳)を出版された。原著者は、Christoph Wolff。その中に引用される、未完の室内楽の自筆譜とその演奏の録音を、こちらで聞くことができる。

名を遺した作曲家の晩年の作品には、自由さ、それによる透明性が感じられることが多い。ベートーベンや、フォーレの作品群を聴くと、その消息が良く分かる。悪しき意味での伝統や、外面的な効果を狙った派手な技巧等とは無縁の、自身の芸術を表現することだけに関心を向けた自由さを聴くのだ。ベートーベンの後期の弦楽四重奏を聴いてみればよい。まるで天国で遊ぶがごとき自由さ、それによる透明感を聴くことができる。この著作に引用されているという、モーツァルトの遺作であるこれらの室内楽も同様だ。未完の作品群だが、素晴らしい。

人間は晩年になると、世の中の価値や、常識から自由になり、透徹した生き方ができるようになるはずだ。こうした天才作曲家には足元にも及ばないが、願わくば、私の晩年も自由で透徹したものになってほしいものだ。

この本を早速注文した。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/3850-7efd93b8