軽減税率による不足予算予測の出鱈目さ 

昨日、参院予算委員会で、共産党小池議員が安倍首相等と、軽減税率という名の据え置き税率、もっと言えば、バラマキについて議論していた。

軽減税率によって国民の「痛税感」を緩和する、と安倍首相は強調する。痛税感とは、主観的な言葉だ。税金が適正に使われていないと納税者が感じるときに、税金の多寡にかかわりなく、税金をできれば忌避したいという感情が納税者に湧く。それが痛税感ということだろう。安倍首相が、痛税感緩和と繰り返すたびに、自ら税制が不適正、不公正であることを吐露しているわけで、何と間抜けなことよ、と可笑しくなる。実際、社会保障に全額用いるという消費税増税が、ふたを開けてみると、法人税減税、防衛費増額、公務員給与引き上げ等にほぼ全額消えてしまっているわけで、国民が痛税感を感じるのは無理はない。その点では、安倍首相は正直なわけだ。

軽減税率は、消費税の逆進性を緩和しない。裕福な人々ほど、対象品目を多く購入するからだ。裕福な人々が、軽減税率の恩恵をより多く受ける。そのために、この軽減税率の意味を、「痛税感緩和」としか安倍首相は言えないわけだ。一方、国民の大多数は、消費税が少額になるなら歓迎する、ということなのだろう。この夏の参議院選挙目当ての、政権のバラマキの一種であることを知ってか知らずか・・・。国家予算に穴が空くので、結局は別の増税でこの穴埋めがされることになる。

小池議員と、安倍首相、麻生財務大臣のやり取りで、この軽減税率がいかにいい加減なものかが暴露された。小池議員が、この軽減税制で国民一人当たり年間いくら消費税が軽減されるのかを尋ねた。安倍首相は、4800円だと答えた・・・すると、国民全体への軽減額は、6000億円ほどになる。一方、政府は軽減税率で穴のあく予算は、1兆円であると以前から述べてきた。話が合わない。麻生財務大臣等は、データの基礎資料が家計調査なので、その調査がすべてを把握しているわけではない、と苦しい弁明。だが、そうした不完全なデータに基づき、軽減税率導入で穴埋めすべき予算規模を予測し、結果としてこれほどの違いのある数値を出している。

何故これほどずさんな数値を出しているのだろうか。まず考えられるのが、単純に、官僚のずさんさだが、財務官僚といえば、官僚中の官僚であり、これほどずさんなことをやるはずがない・・・と思いたい。

二番目には、予算に空く穴を大きく見せることで、国会、世論をこの複雑な税制を持ち込ませないように誘導しようと官僚が考えた、ということもありうる。が、既に、自公政権は、軽減税率導入を決定していたわけで、考えにくい。

三番目には、不足分を実際の必要額よりも大きく提示しておき、その差額を官僚が良いように振り向ける、という可能性。自然災害が起きたときに、復興対処のための予算をつけるが、それが過大で、結局関係ない官庁のプロジェクトに回されることを我々は過去に何度も見てきた。政治がそうした出鱈目をチェックすべきなのだが、何もチェックできていない。

どのような理由にせよ、国のかじ取りをする、政府と官僚がこの体たらくでは、あまりに哀しい話である。

どうしてこのような数値になったのか、検討して後で報告すると言う麻生大臣の最終的な答弁だった。何らかの在り様もない言い訳をするのかもしれない。だが、このずさんさは、消しようがない。

小池議員の質疑を報道するNHKのニュースでは、軽減税率導入によって生じる税収不足分は、いつの間にか6000億円に訂正されていた。ニュースは、このずさんな見通しについては一言も触れていない。

こうして、国民はいい加減な根拠で、必要以上の税金を危うく取られることになったわけだ・・・これこそ、我々に痛税感を与えることになるわけだ。

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