中間層が、新たなフロンティアになる 

同一労働同一賃金は、非正規雇用の労働者の賃金を、正規雇用の労働者賃金に合わせることかと思いきや、どうもそうではないらしい。これを実現するための法律では、与党の要求によって「職務に応じた待遇の均等の実現」が「均等および均衡の実現」に修正されたからだ。均衡待遇とは、正規雇用と非正規雇用の賃金格差を、正規雇用の賃金を下げることによって実現しようということを意味する。下の雇用条件に合わせることによって、賃金格差を解消する、という雇用側に有利な改訂になる可能性が高い。

非正規雇用で問題なのは、以下に述べるその多さだけでなく、人材派遣業者が動労者を常時雇用する常用型ではなく、派遣の際だけに給与を支払う管理型が多いことだ。これは、人材派遣業者に雇用による負担をせずに済ませる制度であり、非正規雇用労働者にとってはきわめて不利である。こちら

非正規雇用は、毎年増え続け、平成26年度には37%を超えた。非正規雇用の大きなソースは、人材派遣業である。我が国の人材派遣業者数は、諸外国と比べてもダントツに多い。少し古いデータだが、労働政策研究・研修機構が調べた1996・2006年度の比較データがある。同業者数が諸外国に比べて多いだけでなく、その伸びもダントツである。こちら。経済財政諮問会議のメンバーに、人材派遣業の大手パソナの会長たる竹中平蔵氏がおり、彼は「正規雇用をなくしましょう」と堂々と述べている人物である。非正規雇用を推進するのは、経済界・政権が望むところであるわけだ。その理由は、労働形態の多様化などでは決してなく、あくまで人件費の削減により、企業が潤うためであることが明らかである。

TPPが発効したら、グローバリズムが我が国の労働界にも波及し、我が国の労働者に発展途上国の労働条件が科せられることになる。そうでなければ、企業に「競争力」が生まれない、という論理だ。かくて、グローバリズムは、我が国の中間層を搾取することになる。開発途上国という旧来のフロンティアを失い始めた資本主義が、中間層に新たなフロンティアを見出し、そこで利潤を得ようとするわけだ。

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