マイナス金利導入のもつ意味 

日銀が、当座預金の一部にマイナス金利を導入することを決めた。これは、量的金融緩和の効果が表れず、「デフレ」から脱却できないということを、日銀自身が表明したことに他ならない。インフレターゲットの達成は、さらに2年引き伸ばされた。日銀は、いよいよ手詰まりになっている。こちら参照。

マイナス金利の導入は、市場にさらに資金を流し込み、それによって需要を喚起しようということなのだろう。だが、すでに資金は市場にじゃぶじゃぶに出回っている。さらに、高齢化、人口減少、さらに実質賃金の低下によって国内需要は、先細りだ。金利面から金融緩和を行っても、問題は解決しない。それどころか、この金融緩和策は何らかのバブルを引き起こす可能性があり、バブルが破裂する際には、リストラ等によって、一般市民がさらに被害をこうむる。また、未曾有の金融緩和策は、日銀の信任を失墜させ、円が暴落するという事態を招く可能性がある。

水野和夫氏が「資本主義の終焉と歴史の危機」で述べている通り、金利の低下は、資本主義というシステム自体の破たんを意味しているのかもしれない。いくら投資をしても、それに見合うだけの収益が得られなくなっているためだ。彼によると、資本主義は、常に「フロンティア」を求め続け、それによって「成長」を続けてきた。「フロンティア」は、1970年代までは地理的な市場の拡大であり、そこで資源労働力を安価に得ることであった。しかし、1990年代のIT導入による国際金融市場の出現により、市場は「地理的・物理的空間」から「電子・金融空間」に移行した。それはグローバル経済を生み出し、新たなフロンティアを国境で定義される空間ではなく、経済的な中間層に見出した。かくて、グローバル経済のもとに、富の偏在が世界的な規模で起きるようになった、ということだ。

グローバル経済が、成長を錦の御旗にして、世界を席巻している。それが、このとめどない金融緩和をもたらしている。実体経済に必要な資金を大幅に超える資金が、「電子・金融空間」にじゃぶじゃぶに流し込まれている。それが金融市場をきわめて不安定にしている。それによって、犠牲になるのは、各国の中間層である。それを国民は知らされていない。

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