FC2ブログ

療養病床削減  

厚生労働省は、慢性疾患患者のための療養病床を、半減させるという。

そこを退院させられる患者さん達の受け皿が、準備されていない。自宅での介護・療養は、大きな困難が伴う。

何故このような事態になったのか。小泉首相時代、郵政民営化問題に絞り他の争点を争わなかった選挙で、政権与党が圧勝した。小泉さんは、新自由主義論者。強いものは、さらに強く、弱いものは、さらに弱くという政策である。メガバンク・大企業・輸出企業を手厚く遇した。財界の発言力が大きくなった。財界の主張を受け入れ、社会保障・社会福祉を大きく切り捨て始めている。厚生労働省は、政権と財界の言うがままだ。

医療機関側は、療養病床の介護施設等への変換の誘導策にも、今のところ余り乗っていない。数年前には一般病床を療養病床化するように誘導されて、投資を行い建物の改築等を無理して行った経緯がある。官僚の朝令暮改に辟易し、また経済的な余力がなくなっているために、当面療養病床の介護施設への変換は遅れるだろう。しかし、官僚・政治家は、融資をするとか、介護報酬を上げるとか、馬の前に人参をぶら下げるようなことを言い始めている。医療・介護で働く人間を馬鹿にするのもいい加減にして欲しいものだ。思いつきの施策は、無策よりも酷い

福祉・医療の切捨ては、まだまだ序章に過ぎない。入院が必要な患者さんも、自宅に帰り、家族が介護・看病せよ、自宅で看取れ、という方針だ。75歳以上の患者には、特に公的保険からの手当ては限られたものとなる。終末期医療には金をかけない。必要であっても、十分な医療を受けさせない。公言はしていないが、老人は早く死ねと言っているに等しい。

今健康で、若さを謳歌している人々も、歳をとり、病を得たときに、この痛みを痛切に感じさせられることになる。

以下引用~~~

明日の私:どこで死にますか 第1部・療養病床削減/2 都市部の特養にも待機者の列

 ◇「行き場がない」----団地住まい、車椅子も使えず

 京都市伏見区の京都南西病院は市南部の住宅団地と工場などが混在する地域にある。135床すべてが療養病床で、うち120床は国が全廃方針を決めた介護型だ。

 入院患者の要介護度は平均4・8。ほとんどの人に全介助が必要で、口から食事ができず、鼻や胃に管を入れている人が半数を超える。脳血管疾患などによりナースコールを押すことさえできない人も多く、自宅介護は相当な困難を伴う。

 療養病床が削減されても、都市部も「受け皿」は十分ではない。京都市の長寿福祉課によると、たとえば、特別養護老人ホームの定員は4193人だが、待機者は約850人に上ると推定されている。

 「病院がなくなったら、行き場がない。はよ死ねと言われるのと同じ」。パーキンソン病で要介護度5の男性(78)に南西病院で付き添う妻(72)=京都府長岡京市=は怒りをあらわにする。

 妻は昨年7月まで、6年以上、自宅で介護していた。夜中に何度もトイレに連れていくなどで睡眠不足が続き、ノイローゼ状態になった。

 「頭がフラフラで、夫にひどい言葉をぶつけたこともあった。介護虐待の話を聞いても、責められない」

 そう打ち明ける妻は「病院は地獄に仏。夫の症状は以前より重くなっている。2人がかりでないと動かすこともできず、家でみるのはとても無理」と訴える。

 加藤泰子・総看護師長は「これでも医療は必要ない、療養病床はいらないと言うのでしょうか」と語気を強めた。

     *     

 東京都清瀬市の住宅街にある信愛病院の介護型療養病床に入る里村ミツヨさん(77)は8年前、脳梗塞(こうそく)を患い、左半身にまひが残り、車椅子が手放せない。要介護度は3だが、都市部特有の住宅事情が自宅介護の大きな障害の一つになっている。

 市内の自宅は、30年以上前に購入した5階建て分譲団地2階の3DK。エレベーターがなく、移動手段は階段だけ。分譲なので、1階の部屋に移ることができない。

 一度、正月に自宅に戻った時は、数人がかりで車椅子ごと運んでもらうなど、大騒ぎになった。狭い家の中では、車椅子での動きもままならない。長女の美和さん(40)は「寝かし切りになってしまうと感じた」という。

 自宅には2年前に腰を手術し、週3回、訪問介護サービスを受ける父(84)=要介護度2=がいる。その介護も肩にのしかかる美和さんは正規雇用の仕事にも就けない。

 「突然『家に帰れ』と言われても無理。母は行き場を失う。国は現場をきちんと見ているのか」。美和さんの悲痛な叫びは国の医療費削減の大合唱の前ではかき消されがちだ。【山崎友記子、坂口裕彦】=次回は21日掲載

……………………………………………………………………………

 ◇14道県で5%以上減 転院先、通常は病院が紹介

 療養病床は06年12月末で36万9429床(厚生労働省調べ)。ピークの同年2月末と比べ3・3%減と全体では様子見状況だが、都道府県別では大分が12・2%減少するなど、14道県で5%以上減り、切実さを増す。

 では、病床廃止に直面したら、どうしたらいいのか----。通常なら病院から転院先が紹介される。別の療養病床か老人保健施設かなど、希望を病院の看護師長やソーシャルワーカーに伝えることが大事だ。他の選択肢は、地元の地域包括支援センターや担当のケアマネジャーが詳しい。

 なかには「自分で見つけて」などと半ば見捨てられることがある。東京都の医療安全支援センター「患者の声相談窓口」には、そんな苦情が複数寄せられている。担当の都医療安全課は「不安を招く対応自体が不適切。相談があれば病院側に事情を聴く」と言う。

 昨年6月、厚労省は都道府県に「相談体制の確保」を指示している。

 なお、療養病床が増加しているところも12府県に上る。11・5%増と最も増加幅が大きかった滋賀県は「医師、看護師の確保が難しく、一般病床より配置基準が緩い療養病床に転換する急場しのぎの現象が起こっているようだ」と話す。

……………………………………………………………………………

 療養病床削減に関するご意見、体験などをお寄せください。郵便は〒100-8051(住所不要)毎日新聞くらしナビ「明日の私」係。メールは表題を「療養」としてページ上段のアドレスへ。

コメント

彼らが想定しているのは…
老人も、病人も、障害者も、キャリアウーマンも、反体制派も、反戦派も、外国人もおらず、皆がロボットのように粛々と労働し、壊れたらさっさと夢の島で処理される国。
いやあ、ほんっとーに美しい國ですね(笑)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007041701000629.html
こんな話もあります。
鬱病や褥瘡はNsだけで対応できるんだそうです。日本にはもう医者はいらないですね。
だいいち、今でも老健や特養が足りなくて入所待ちがごまんと居るのに、どこに鬱病患者や褥瘡患者を収容できる部屋があるというのでしょうか。そんなに処置が簡単だというのなら、厚生省の事務室にでも収容したほうが早いでしょうに。机上の空論もいい加減にしてほしいものです全く。

仰られる通りですね。まだ、療養病床5%の削減でも、これだけ歪が出るのに、目標とする50%削減まで突き進んだら、安倍さんの頭の中だけが花畑、東京の霞ヶ関と皇居周辺だけが美しく、他の場所は、高齢者と病人、その家族がのた打ち回ることになってしまいますね。

削減した療養病床から出される方々の受け入れ先を、各地域各家庭に押し付けるだけという無策さに腹が立ちます。周到に準備をしてから行うべきでしょう。それに、28万床中15万床削減でしたか、この数の根拠は一体何なのか。現場を調べず、根拠の無い机上の数字なのでしょうか。

教育改革といっても、これだけ教育に金をかけないでおいて、教師への統制を強め、中央集権体制のもと愛国教育を行いたいだけなのでしょう。公の意識を持つことは、教育だけではだめで、時の政治経済体制それに家庭生活から生まれるのではないかと思います。

転換先は高専賃がホーム

「日経ヘルス21」の2007年1月号には、2012年の近未来フィクションが掲載されている。2012年とは、その年度から介護療養病床が廃止される年である。
 2007年時点では、80床の介護療養病床を経営するに過ぎなかったA氏。2012年夏。2箇所目のケアモールを開設。在宅療養支援診療所と介護事業所を併せ持つ。病院から転換した有料老人ホームに加え、更に、高齢者住宅を関連会社で2棟建設予定。
 「あの時よく決断した。老健はいずれ特養と同じ機能になると見てのことだが。」とA氏の父親の医師。編集部の“見通し”が、よく出ている。

http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/
「医療と介護保険の考える部屋です」
参考人になりますよ。


京都は動いている。

京都市立病院協会主催で、H19・9/8に
「療養病床再編を斬る!だから療養病床は必要だ!」の府民フォーラムが、開催されるそうです。又、医療制度改革関連法の療養病床削減については、白紙撤回の要望書も提出しています。
日本医師会も含め一枚岩になってこの問題に取り組んでいただくと、大変良い結果が出るのではないかと思っております。高齢者医療を守るために。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/394-78485729