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神戸市で、勤務医の待遇改善の試み 

神戸市が、ようやく市立病院勤務医の待遇改善に乗り出したようだ。喜ばしいニュースだ。

しかし、国は全く違う。厚生労働省は、勤務医と同じ過酷な労働を開業医にもするように迫っている。24時間拘束の仕事をするようにと言い始めている。開業医の労働条件を勤務医と同じ過酷なものにすれば、勤務医が開業に逃げるのを止められるとでも思っているのだろうか。

経済財政諮問会議の、八代委員は、労働者の格差を是正するためと称して、かってこのように語った。「正規雇用労働者の労働条件を、非正規雇用労働者のそれまで引き下げる、そうすれば、格差が無くなる」と。名案ではないか。新自由主義の社会では、この論理がまかり通る。開業医の労働条件を下げ、さらにそれに合わせて勤務医の労働条件も下げる。終わり無き負のスパイラルだ。

徹夜をして朦朧とした医師に、自分の手術をしてもらったり、自分の子の診察を任せたりしたいかどうか、諸兄姉に是非尋ねてみたい。現状では、そのような事態がまかり通ってきたのだ。これは、国民の健康を軽視することに他ならないのではないか。

それ以上に、医師には、人間らしい生活をする権利が許されないのか。もしそうだとすると、国家資格で公的な制度下で働く職種の人間は、すべて昔の兵隊のように、人間として生きる権利が、国家によって奪われることになる。

この神戸市の試みが、軌道に乗るかどうかを、見守って行きたい。

以下引用~~~

宿直明け医師原則休み
市立病院など 待遇改善「引き留めたい」

 医師の公立病院離れを食い止めようと、神戸市は4月から、市立病院などの医師の勤務体制を見直し、宿直勤務翌日を原則、休日にするなどの制度をスタートさせた。宿直中は救急患者の受け入れなどでほとんど仮眠を取れず、翌日の通常勤務と合わせて32時間連続となる過酷な労働が、医師が病院勤務を敬遠する原因の一つと言われるため。宿直明けの休日の制度化は民間でも珍しく、市は「待遇の改善で何とか医師を引き留めたい」としている。

 医療センター中央市民病院など3つの市関連の病院に勤務する医師ら約360人が対象。宿直勤務は午後5時半~翌日午前8時45分で、宿直明けは原則休みとする。外来患者の対応などで翌日も勤務を続けた場合は、その分を時間外勤務として手当を支給する。

 また、宿直手当も、これまでは一律2万3900円だったが、実働時間に応じて時間外勤務手当を支給する方法に変更。徹夜勤務の場合、1回当たり最大約1万円の増額になるという。

 同市では、外郭団体が運営する西神戸医療センター(西区)で、小児科医6人のうち1人が退職したことから、それまで毎日実施していた夜間の小児救急を、昨年11月から週5日に縮小した。医療センター西市民病院(長田区)では、3月末までに医師8人が退職したため、24時間対応していた救急患者の受け入れを、1月から午前0時~同9時に休止している。

 全国の病院が加盟する日本病院会の調査では、勤務医の9割近くが当直の翌日も通常勤務を行っているとされ、日本医療労働組合連合会の池田寛副委員長は「勤務医の過酷な長時間労働は、医療の安全を揺るがしかねない問題。神戸市の制度見直しは先駆的で、ほかの病院も見習ってほしい」としている。
(2007年4月18日 読売新聞)』

コメント

神戸市の試み

伊関さんのblogのコメントを見ていると神戸市の試みは必ずしも薔薇色のモノではなさそうですね。

http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-1596.html

自治体が医師の過酷な労働状態を認識したのは一歩前進でしょうが、これが掛け声だけで終わらず実のあるものになるのか見守っていく必要がありますね。

この改善案も、まだ様々な問題があるのでしょうね。行政の意識が、すぐに根本的に変わるとは限りませんから、ね。

しかし、やはり改善へ向けた第一歩と評価しても良いのではないでしょうか。

今夜も救急。昨日から嘔吐していて、今日日中に他のところで診てもらったという子どもを診察しました(嘆息。小児救急をシステムとして大切にして欲しいと、お母さんにお願いしておきました。

厚生労働省が、医師を先進国並みに増やさず、医療費も先進国中最低レベルのまま増やさず(減らすといっているんでしたね(苦笑))、我々に24時間診療せよと迫ることがあれば、早く引退しようと考えるようになりました。ヤッテランネ~ヨという心境であります(笑。

伊関さんのブログのご紹介をありがとうございました。あとでよく読んでおきます。

医療崩壊は言葉から

しばらく伊関さんのblogエントリーを注視していましたが、神戸市の取り組みは絵に描いた餅で終わってしまいそうですね。

私も神戸市が本気なのか気になって、本気なら医師の増員など医師が休めるような即効性のある対策をとっているだろうと思って状況を聞いてみましたが…

・医師の増員も行われておらず、結局休めない。
・手当ての算出方法の変更で以前と比べて減額になる場合もある。
・blogコメントでの神戸市擁護派の人による暴言や事務方(神戸市)の無理解の露呈。

などから挙句にある医師が辞意を固められるに至るという神戸市の思惑とは反対の結果になってしまいました。

特に暴言や無理解の露呈の影響が大きかったように感じます。
まるで水原郷病院の崩壊の顛末を見ているような錯覚さえ覚えてしまいました。
辞意を固められた医師の後に続く医師が出てくるとまさに水原郷病院の再現になってしまいますね。

医療崩壊を起こさせるのは実に簡単ですね。
ぎりぎりのところで頑張っている医師の心を折るような暴言を吐くだけで十分です。
水原郷病院の例でそんな事は分かっているだろうに…。

医師の心を折る言葉

水原郷病院の話題が出ましたのでちょっと…。

私も実は水原郷病院に大学からお手伝いと言うことで土日の宿直に行ったことがあります。とにかく過酷な宿日直で、大学の医者にも評判が悪い、あまり行きたくない病院の筆頭でした。
一晩で70人を超える患者さんが一人の医者に殺到したりするのです…。コンビニ病院とも呼ばれていました。

過日の騒動で辞めた医者は私の同級生でした。愚直なほどにまじめな医者でした。あとで聞いてみたら、行政の無理解が最後のとどめを刺した、と淡々と申しておりました。

彼は今、市内の別な病院で勤務医をしています。
まあ、直近な話なものでしたからつい口を挟んでしまいました。失礼します。

お二方、情報をありがとうございました。伊関さんのブログも、通読しました。あの事務当局の方の発言は、市の本音なのでしょうね。一年で35000人の救急、5000人の救急入院、びっくりしました。給与手当てのからくり、当直明けの代替人員の補充なしでは、医師がこんな「改善策」で職場にい続けることはないでしょう。

あの事務当局の背後には、市の意向があり、その背後には国の決めた医療の形があるのでしょう。政治家は、選挙民の耳に優しいことしか言わない。医療の現場を追い詰めることを平気で公約とし、政策として実行する。これでは、行くところまで行き着く以外にないように改めて思いました。

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