もっとも期待できないことを期待し続ける 

参院選前の最新世論調査で、比例で自民党へ投票する者が32%、安倍政権支持率が5割を超えているらしい。国民の最大の関心事は、医療年金等の社会福祉であるという。

国民は、安倍政権に「もっとも期待できない」ことを期待している。「企業が活躍しやすい環境をわが国に作る」ということを、安倍首相は経済政策の一番の目的に挙げている。国民の社会保障を第一に考える、とは決して言わない。企業の収益が上がれば、その利益の一部が国民に流れ落ちてくる、というのだ。それが、まったく実現していないことがこの3年半の安倍政権の政治から明らかだ。企業収益は、内部留保になってしまい、国民に回ってくることはない。税収が上がったというが、それを社会保障に重点的に回しているということもない。

小泉政権以来、いやその前高度成長が終わりを告げてから、自民党政権は、国民を包摂し、社会保障のセーフティネットを維持することを放棄した。安倍政権の社会保障政策も、決して国民のことを考えたものではない。

年金資金の最大6割を博打(それも負けることの分かっている博打)のような株式市場に投資し、目減りすることが確実だ。これは株式の値上がりという表面的な経済効果を狙うものだ。今回の英国のEU離脱に伴い株式は暴落し、年金資金の損失は20数兆円に膨れるのではないかとの試算もある。年金資金が減れば、年金支給額を減らさざるを得ないと、政府は明言している。今年前半の年金資金運用成績は、選挙の終わる7月下旬に公表される。これも意図的な損失隠しだろう。

TPPが施行されると、医療の混合診療化が必至だ。TPPとは、加盟国の市場、その最大は日本市場なわけだが、それを米国の資本が自由に行動できる市場とすることを目指すものだ。米国の保険資本が狙っているのが、わが国の国民の資産だ。安倍首相は、現在の公的保険診療を堅持するとは言うが、混合診療の拡大を行わないとは決して言わない。米国保険資本が医療現場に入り込み、国民の資産を吸いつくすことを許す積りなのだ。米国では、自己破産の大きな理由が、医療費負担だ。そうした社会をわが国にもたらそうというのが、TPPである。TPP絶対反対といっていた安倍政権は、TPP批准に向けて前のめりになっている。

日銀に国債を引き受けさせる政策は、麻薬のようだ。どんどん日銀の資産バランスシートが悪化し、やがては国債と円の評価が暴落する可能性がある。本来、日銀による国債引き受けは、禁じ手だった。どうしても行うとしても、短期間で止めるべき非常手段であった。ところが、出口の見つからない麻薬中毒のような状況になっている。この金融政策は、経済活性化に寄与していないだけでなく、ハイパーインフレを引き起こす可能性が極めて高い。高度のインフレになるとまず困窮するのが、年金生活者、低賃金で働く人々だ。現在の金融緩和・財政出動で一時的なユーフォリアに浸っていると、後で手痛いしっぺ返しが来る。そうした金融財政政策を続けているのが、安倍政権だ。

こうした見解は、このブログでも繰り返してきた。だが、国民は、安倍政権を支持し続ける。安倍政権にもっとも期待できないことを期待し続けているのだ。

コメント

その通りだと思います。政治に無関心な人の何と多いことか、結局この無関心が政治家が好き勝手に出来る環境を作っていると思います。一度痛い目にあって目が覚めないとダメでしょう(痛い目にあっても我慢する人ばかりかもしれませんが)。 なぜ気がつかないのか本当に不思議ですね。

Re: タイトルなし

無関心と、無知とですかね。1980年代までの右肩上がりの経済、政府がセーフティネットをしっかり張っていた時代が忘れらず、その幻影を追い求めているのでしょうか。グローバリゼーションと、国力低下で、国民生活は平均して落ちている。そこで、愛国心やら、安全保障で勇ましいことを述べる安倍首相になびくのでしょうか。安全保障の議論では、格差は関係ないでしょうから。それに伴い、社会保障も安倍政権であれば、しっかりやってくれるという幻想を抱くのでしょうか。

まぁ、現在の軍国化、戦前回帰の動きが実現したら、社会保障どころではなくなりますね。国民よりも先に、国家が来る社会が実現することになります。

そうなってからでは遅いのですが・・・お子さんを持つ世代には、ぜひ関心を持ってもらいたいことではあります。

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