仕事、子育てに充実した人生を送る米国人女性 

半世紀以上前からの友人、Bob W6CYXのお嬢様TeresaとTeresaの長女、Bobのお孫さんLauraが、訪日するという知らせを2,3週間前に彼から聞いた。何か問題が起きたら、なんでも手助けをする、北関東に足を延ばすのであれば周りを案内すると申し上げた。すると、Teresaからメールがあり、ぜひこちらにも来てみたいとのこと。東京、京都、箱根と回り、旅行の終盤の昨日、こちらに来てくださった。Bobの家には三度もお邪魔し、一方ならずお世話になっているので、その恩返しの意味もあり、一日のんびりとご一緒させていただいた。

Wi-Fiの調子が悪く、時々、連絡がとれなくなり、どうなるのかと思いきや、昨日午前中に、近くの駅についたとTeresaから携帯に電話が入った。車でかけつけると、ジーンズにリュックといういで立ちの親子が駅前にいた。やはりどことなくBobと似ているTeresa。静かなLaura。二人を乗せて一路日光、中禅寺湖方面に向かった。

Teresaは、シングルマザーで、仕事をしつつ、二人の娘さんを育てている最中。医療機器会社で、製品の許可を当局からもらう事務的な仕事をしているとのこと。特に除細動器の臨床試験などに関わってきたらしい。Bobのことを結構知っているつもりだったが、やはり同じ家族の別な方から伺うと、知らなかったことばかりだ。とても知的で、活発、旅行したりトレッキングをしたりすることが楽しみの由。Lauraは、州立大学サンノゼ校で機械工学を勉強する学生。ミュージカルを観劇したり、歌を歌うことが好きだというおとなしい少女だ。中禅寺湖湖畔で・・・

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私の関心もあり、ついつい政治的な問題に話が行ってしまう。Bobがかなり強固な共和党支持者であり、新自由主義経済を肯定する方なので、同じような考えかと思ったが、Teresaは政治家を信用していない、いわばアナーキストである、とのこと。その一方、貿易の障壁はなくし、自由な貿易ができるようになることが必要だという意見である。だが、TPPでは、大企業だけが利益を上げることになり、支持しない、とのことその一方、レーガンの時代から、軍拡が進められ、発展途上国で米国が行った人々へのひどい行いを、十数年前に知り、そうした歴史に反発を感じている由。自由を愛し、自由を阻害するいかなくことにも反対だが、一方、格差の問題、大企業の独占の問題、米軍の行う中東での空爆などでは、リベラルな考えを持っている様子。米国にも「緑の党」があったのか、その政党に思想的には近いとのことだった。

私は、グローバリズムが世界的に格差を生み、それが移民排斥、他民族排斥というファッシズムにつながる風潮をいたるところでもたらしていることを語った。日本では、日本会議という宗教的カルトが現政権の背後におり、戦前の体制に戻すことを画策している、とお話しした。日本会議のことはあまりご存じなかったようで、後で調べてみたいとのことだった。

自由な貿易、経済活動が維持されれば(大企業の寡占を排除したうえで)、結構バラ色の未来が開けるのではないか、という考えを持っている様子だ。大企業の寡占を排除すること自体が、何らかの規制そのものであり、そこに官僚主義がはびこる可能性がある。そうした原則的な問題、さらに現在のグローバリズムの経済政治の支配状況について、楽観的に過ぎるのではないかとも思ったが、彼女が企業活動の真っただ中にあって、自己肯定しつつ生きてゆく思想的な基盤なのだろう。活動的で建設的なアナーキズムですね、暴力を伴わない、というと嬉しそうに笑っていた。

彼女は、16歳でカリフォルニア大学デービス校に入り、国際関係論の勉強をしたらしい。ご自身でも言っていたが、成績が優秀だったようだ。経済的には厳しく、毎日アルバイトを続けた由。最初、希望していたマスコミ関係では職を見つけられず、最終的に現在の会社に入った由。除細動がらみで、心電図の心室性不整脈の診断の問題、QT延長症候群や心筋症の問題などもよくご存じの様子だった。今は、在宅で一日8時間以上仕事をしている、朝5時から全世界相手の電話会議がおこなわれることもあるらしい。すばらしい上司に恵まれ、とてもハッピーだとのことだった。50歳代半ばにはリタイアして、大学などで現在の仕事に関係する講義をパートタイムでできたらうれしいのだけどと希望を語っておられた。

義理の母上が日系の方で、彼女が十代のときにとても優しくしてくださった、それで日本という国、文化に関心を持ち、一度訪れたいと考えていた由。1,2年前に数か月地域の教養講座で日本語の勉強をなさったそうだ。もちろん会話はまだまだだが、発音が驚くほど正確で驚いた。

二番目の娘さんも、Teresaの母校に入学をすることになっており、将来は医学を志している様子。この旅行後にデービスにでかけて、引っ越しをしなければと嬉しそうだった。

夕方、宇都宮に戻り、家内も交えて夕食。

二人の娘さんを育て、仕事をこなし、人生の自信に満ち溢れたアメリカ人女性の典型のお一人だろうか。

最後に、われ我日本人への彼女の感想。何事にも控えめで、返事があいまいなことが多い、とのこと。駅などで英語で質問してもよいか尋ねると、まず「ちょっとだけだったら」といった返事だが、いつも意思疎通は完全にできる、だから、そうしたあいまいな返答をしなくても良いのではないかという彼女のアドバイスだ。仕事でも、日本人の同僚からはあいまいな返答が多いとのこと。NOと言える日本ではないが、あのように多民族国家で意思疎通するためには、明確な態度表明が欠かせないということだろう。

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