アマチュア無線の将来 

アマチュア無線局数の推移を、調べてみた。1995年前後135万局ほどをピークにして、その後激減している。この数年、減少傾向がやや鈍ってはいるが、現在43万局程度までになっている。

年齢構成の推移のデータは得られなかったが、1990年代の最盛期は、30歳から40歳代の免許人が多かった、というのが、私の実感である。そのピークを構成していた団塊世代、そのすぐ後の世代が、アマチュア無線から遠ざかっていったのが、その後のアマチュア無線局の減少なのではないだろうか。現在、減少幅が減っているのは、ピークを形成したそのような年代の人々がリタイアにさしかかり、再開局している、ためなのではないか。

とすると、今後、団塊世代、そのすぐ後の世代が、アマチュア無線を止めるときに、これまで以上にアマチュア無線局数が激減することになるだろう。それもここ数年で明らかになってくる。

なぜこんなことを調べたのかというと、ITUの新たなスプリアス規制で、総務省当局がアマチュア無線局に対してどのような対応をするのか、アマチュア無線を今後どのようにしてゆこうと考えているのかに関心があったからだ。

総務省当局は、スプリアス基準の検証を済ませていないリグ、自作リグは、あらたに「保証認定」を受けるか、使用を中止して新たなリグに買い替えるようにとの見解のようだ。これが、国際的な当局の対応としてきわめて異例であり、官僚、その関連企業の利権を確保することだけを考えていることは以前にも記した。

この対応は、上記の団塊世代のアマチュア無線離れを促進することは間違いないのではないだろうか。実質意味のない「保証認定料」という、役人と関連企業への「しょば代」を支払い続けるほど馬鹿らしいことはない。また、今でも問題なく動作しているリグを放棄して、あらたなリグを購入するほど、退職者の懐は暖かくない。アマチュア無線を止める選択を、多くの団塊世代はすることになる。

総務省当局は、アマチュア無線局をほかの無線局と別に扱うわけにはいかない、したがって包括免許にすることはできない、という主張である。それがいかに国際的なアマチュア無線の扱いから外れているか、笑えるほどだ。アマチュア無線以外の無線局と同じに扱うというならば、実質的に書類上だけの「保証認定」なぞ止めるべきだろう。しっかり一局、一局落成検査を行うべきだ。アマチュア無線から利権を得ようと、国際標準の免許制度にしないのは、ただただ官僚と、その天下り団体の利権のためなのだ。

アマチュア無線がどうなろうと、彼らには関心外のことなのだろう。



コメント

 いつも楽しくかつ考えさせられながら、ブログを拝見しています。
 このところのJARLの動きにはがっかりすることばかりです。
 総務省がアマチュア局だけを特別扱いできないというのは、役人の発想としては理解できます。(もちろん、それがいいとは思っていません。)
 情けないのは、総務省の考えに対して、JARLがこれという交渉力を示すことなく、バンド防衛にも、新たなバンド獲得にも動かないことです。
 472kHzが開放された際の「200m」規定にしても、とうてい普通の局では運用できない規定であるにもかかわらず、JARLは無言でした。
 WRC2015で1〜3全リージョン共通で割り合てられた60mbにしても、JARLがどのように動いているかは、不明です。
 先般の社員総会での答弁で、総務省には開放に向けて要望しているということですが、その具体的な内容は不明です。
 FPU局との関係で1200MHzのレピーター出力が10Wから1Wに制限されようとしていますが、そのことについても、一切の情報がJARLからは出てきません。
 しかし、JAのアマチュア無線ナショナルセンターとしては、JARLしかないのも事実です。まことに歯がゆいのですが、どうしようもありません。
 JARLの会員を辞めることなく、毎日毎日、いろんなバンド、モードで電波を出し続けることが、無告の民に出来ることではないかと思う日々です。
 

Re: タイトルなし

貴重な情報をありがとうございます。原元会長の時代に、そうした雰囲気が作られてしまったのでしょうね。残念なことです。何か意思表示ができれば良いのですが・・・。時々、あまりなことがあると、JARLの該当部署にメッセージを送っております。

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