医師のデータベース構築 

厚生労働省は「医師の地域的な適正配置のためのデータベース構築」を行うことに決めた。医籍登録番号を活用して、医師免許取得から初期臨床研修、専門研修を経た後も、生涯にわたり、医師の勤務先や診療科などの情報を追跡できるデータベースを構築するようである。都道府県が医師確保対策を行うために必要となる医師情報を一元的に管理するということのようだ。専門医制度、開業の権利等に付随して、医師が僻地での診療を行うことを医師に要求する、という構想のようだ。それらの「医師適正配置策」には、医師の労働条件の改善は入らない。むしろ、現在比較的高収入である僻地医療に携わる医師の収入を制限することも考えられているようだ。新臨床研修制度で、医局の人事権を奪い、その人事権を最終的に行政が手に入れるということだ。強制力を持った人事権を手に入れれば、どんなこともできると、行政は考えているのかもしれない。

一方、医療機関にも医師の人事面から行政は支配の手を伸ばそうとしている。先のポストに記した、行政による医療機関の「お墨付き」制度や、都道府県知事の任命するという地域医療連携推進法人制度等だ。

こうして、医療を人事面から支配するために、行政は特殊法人を立ち上げるはずだ。もしかすると、日本専門医機構にそれを行わせる積りかもしれない。いずれにせよ、新たな巨大利権が行政に生まれる。日本医療機能評価機構が、産科医療補償制度の実施主体になり5年間で700億円弱の内部留保をため込んだ「成功体験」を行政は決して忘れない。同じように、医療に利権を新たに求めるのだ。

医師の職業選択の自由はどうなるのだろうか。医師だけが公的な資格ではない。医師の基本的人権を蔑ろにする、行政権の乱用だろう。また、こうして医師の人事権を握る天下り団体が巨大な利権を手にすることは、決して許されることではない。

強制力だけで医師を動かそうとしても、壮大な失敗に終わる。人間をそうした外的な力だけで動かせると考えるのはいかにも浅薄きわまる。

医療だけでなく、外交、安全保障、エネルギー政策等でも、現政権は行政のやりたいようにやらせているように見える。弛緩しきった政治と、それを良いことに自らの利権を追い求める行政だ。

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