医師による「破廉恥行為」? 

外科医が、手術直後に患者にわいせつ行為をしたとして逮捕された一件。

まず、容疑者の段階で、実名報道をするのは、不適切である。このような犯罪容疑では、実名報道されるだけで、社会的に葬り去られることになりかねない。同じような犯罪でも、被疑者が公務員等である場合は、まず実名報道されない。この実名報道は大きな問題だ。

また、逮捕する正当性にも欠ける。証拠隠滅の恐れを警察は言っているようだが、二か月前の事件であり、何を隠滅するというのだろうか。警察は、公判維持のために医師から自白を強要しようとしている。逮捕は不当だ。

また、下記の記事からすると、この一件は、患者が全身麻酔直後の妄想状態にあったことによるもので、容疑者医師は冤罪である可能性が極めて高い。患者から唾液反応が出たという「証拠」も、それが事実であったとしても、医師の「唾液」である根拠には全くならない。四人部屋であるという病室の状況、術直後であり頻繁に医療スタッフが患者を見回りに訪れていること、さらに患者が全身麻酔後の妄想状態にあった可能性が高いことなどから、医師への嫌疑は晴れるはずだ。

なぜこれほど無理筋の容疑を通そうと警察・検察はしているのか。最近の医師の破廉恥事件の報道の多さを考えると、行政側に何らかの意図があるのではないか、と疑わせる。医師を新専門医制度・医師キャリアーパス追跡制度によって行政の管理下に置こうと、行政が意図していることと関連しているのではないだろうか。診療報酬改定で医療側に厳しい要求をする前に、行政は、医療機関の「不正」をマスコミに流す。あのやり口を思い起こさせる。医師を管理し、医療機関を支配するのは、行政の権益のためだ。

こんなことが行われるようでは、この国に未来はない。

当該医師は、今も留置場で無罪を訴えている。

以下、引用~~~

手術直後の患者にわいせつ行為をしたと逮捕された医師と弁護人が法廷で「無実」の訴え
江川紹子 | ジャーナリスト
2016年9月5日 20時23分配信

東京・足立区の病院で、胸部の手術を終えたばかりで意識はあるものの身動きがとれない状態だった30代の女性患者に対し、執刀医がわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで警視庁千住署に逮捕された事件。逮捕・勾留中の関根進医師(40)の勾留理由開示公判が5日、東京地裁(高島剛裁判官)で行われ、関根医師は「私はやっておりません」と容疑事実を否定した。弁護人は詳細に「無実」の理由を挙げて、勾留の不当性を訴えた。

裁判官は「罪証隠滅の恐れ」と

高島裁判官の説明によれば、関根医師にかけられた容疑は、手術後に病室に戻されたA子さんに対し、2度にわたって着衣をめくって手術をしなかった左乳房の乳首などをなめ、2度目にはさらに自慰行為に及んだ、というもの。
勾留の理由について、高島裁判官は「関係者に働きかけや通謀を行って罪証隠滅する恐れがあり、事案の重大性や悪質性から勾留が必要」と述べ、勾留を決めた資料としては「被害者等の供述調書、鑑定結果、捜査報告書」とした。また、罪証隠滅の対象としては、「(当該事件が起きたとされる)病院の関係者を想定している」と述べた。

本人は「私はやっておりません」と

これに続いて、関根医師が「疑われている事実について、私はやっておりません。以上です」と容疑事実を否定。
その後、3人の弁護人が交代で意見を述べた。

「無実の事案」と弁護人

弁護人意見の要旨は次の通り。
1) 本件は、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由はなく、むしろ無実の事案である。
2)麻酔として、笑気ガス、セボフルラン吸入麻酔薬、プロポフォール、ペンタゾシン、ジクロフェナクNa坐薬を使用した。術後、関根医師ともう一人の医師が付き添って、入院病棟に戻った。その直後に、 A子さんが目を閉じたまま「ふざけんなよ」「ぶっ殺してやるからな」など小声で言うのを看護師が聞いているなど、麻酔の影響による幻想・妄想があった。全身麻酔の患者が、手術後、半覚醒状態の時に妄想や幻覚を見ることは、ままあることだ。
3) 病室は4人部屋で、カーテンで仕切られただけで、声や音、気配などは容易に伝わる状態であり、他の3床には患者がいた。
4) 1回目の犯行があったとされる時間帯、関根医師は手術室で記録を書いていた。ごく短時間、この病室に行ったが、その際には一緒に手術を担当した別の医師と看護師2名がいた。
5) 2回目の犯行があったとされる時間帯には、関根医師は他の病室にいて、別の患者を診ていた。
6) 病室には15分ごとに看護師が定時巡回していたほか、患者からナースコールがされるたびに、頻繁に看護師が病室を訪れていた。1回目の犯行があったとされる時間帯にも、ナースコールがあった。ナースコールは看護師の携帯電話と連動しており、自動的に時刻が記録される。ナースコールのボタンはA子さんに握らせていた。
7) 2回目の犯行があったとされる時間帯の後、関根医師がA子さんの病室を訪ねた時、ベッドサイドにA子さんの母親がいた。関根医師が「ちょっと診ますから」と言うと、母親はカーテンの外に出て、そのすぐ側に立って待っていた。診察に要した時間は20秒以内。触診したのは手術をした右胸だけである。その間、ナースコールはなかった。関根医師が部屋を出る際、看護師が定時の巡回を行っている。この後、関根医師は病室には寄っていない。
8) 関根医師は、手術前にマスクをつけていない状態で、手術する右胸の写真を撮ったり、手術部位のマークをつけたり、術後も触診をしたりしているので、唾液の飛沫やDNAが付着したりすることはあり得る。
9) すでにA子さんの左胸の検体は採取が済み、病院に対しても2度の捜索差し押さえが行われ、隠滅するような証拠は残っていない。警察は、少なくとも平成28年7月から8月25日の逮捕に至るまでの間、関根医師を尾行しており、同医師がA子さんに接触していないことも明らかである。
10) 妄想によって患者が被害を申告するだけで医師が逮捕されるという事態が許容されれば、男性医師の萎縮を招き、医師減少、診療差し控え等で女性関係の医療現場は重大な打撃を受ける。

勾留理由開示公判とは

勾留理由開示公判は、勾留中の被疑者・被告人をいかなる理由で勾留決定したかを、裁判官が公開の法廷で明らかにする手続き。ただし、弁護人によれば、勾留の決定をした裁判官が出てくるとは限らず、今回の高島裁判官は勾留の決定をした裁判官ではない、とのこと。


別なソースから引用~~~

勾留理由開示公判で弁護士と被疑者の医師が無実の訴え
準強制わいせつ容疑の医師「やっておりません」
弁護人は「(本件のような実例が)許容されれば医師の萎縮を招く」
 手術後で麻酔が残る女性患者に対し、術後診察に訪れた医師がわいせつ行為をしたとして非常勤外科医が逮捕された事件で、2016年9月5日、東京地方裁判所で医師の勾留理由開示公判が行われた。医師とその弁護人は、院内調査の結果の一部などを示しながら、「被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があると判断することは重大な誤りである」と無実を訴えた(わいせつ容疑で医師逮捕、病院が抗議声明)。

勾留理由は病院関係者との通謀、罪証隠滅の恐れ
 勾留理由開示公判とは、勾留中の被疑者・被告人について、勾留した理由を、裁判官が公開の法廷で明らかにする手続きのこと。公判冒頭、裁判官は医師の容疑を説明した。それによれば、被疑者であるA医師は右乳腺腫瘍摘出手術を受けた後、麻酔が残って抗拒不能である女性患者に対し、着衣をめくって左乳房をなめるなどの行為を2回にわたって行い、うち2度目については自慰行為に及んだというものだった。

 勾留理由として、「(A医師が手術を行った柳原病院の)関係者と通謀し、罪証隠滅を図る恐れがある。事件の悪質性に照らせば、勾留が必要」と話した。犯罪があったとする根拠としては、「被害者の供述、捜査書類や鑑定結果」を挙げた。ただし、「鑑定結果」の内容については、証拠の開示に当たるため「開示する必要はない」と説明した。

 この後、A医師は「疑われる事実について、私はやっておりません」とだけ発言した。続いて3人の弁護人が意見を述べた。その中で、手術後の状況などが説明された。

1度目の訪室時は医師と看護師2人が同席
 手術は被疑者のA医師が右乳腺手術を執刀し、上司に当たるB医師が前立ちを担当した。麻酔の開始時刻は13時35分、終了は14時42分。手術開始は14時、終了は14時32分だった。麻酔薬は、笑気ガスを13時35分に開始し14時25分に終了(2L/分継続、総量60L)、セボフルラン吸入麻酔液15mLを13時35分に開始し14時30分に終了(1L/分→2L→0.6L)、プロポフォール静注1%20mL(200mg)を13時35分に使用、ペンタゾシン5mgを14時に使用、ジクロフェナクNa坐薬50mgを13時39分に使用した。

 手術終了時刻の14時42分から45分の間、A医師とB医師が術後の患者をベッドに移乗させ、付き添って入院病棟に戻った。患者は14時45分に病室に戻ったとカルテに記載されている。A医師は、その後すぐに手術室に戻り、15時前まで手術記録を書いていた。同時刻、B医師も手術室に戻り、A医師の側で患者の母親に手術の説明などをしていた。第1回目の犯行時刻とされるのは、14時45分から50分の間。そのため弁護人は、「(その時刻、A医師は)病室にほとんどおらず、手術室にいた。A医師がわずかの間、病室にいたときには、B医師や看護師2人が同席していた」と話した。

 この病室には、14時45分から15分おきに看護師が定時の巡回をしている。その他、患者にボタンを握らせた状態であるナースコールが5分に1回ほど鳴っていたといい、「看護師が頻繁に訪室する環境だった」と説明した。14時45分の時点で、当該患者は閉眼したままだった。ただし、病室で患者が「ふざけんなよ」「ぶっ殺してやるからな」と小さな声で言っているのを看護師は聞いていたと弁護人は言い、「この時、患者には攻撃的な妄想、幻覚が出現していた」と主張した。

2度目の犯行時刻は他の患者を訪問
 次にA医師が患者の容体確認のため訪室したのは15時頃。このときは、定時のバイタル測定をしている看護師がいた。A医師は、患者の右側からベッドに近づき、着衣をめくり、右胸のガーゼに血がにじんでいないことを確認した。この確認は数秒で、同室の看護師もいる状況だった。この後、A医師は別室の他の患者を訪室した。

 2度目の犯行時刻は、15時7分から12分の間とされている。しかし、弁護人は「A医師は、別室の他の患者を訪室しており、A医師はこの病室にいなかった」と強調。なお、15時10分にナースコールで看護師が訪室しているが、このときA医師はいなかったという。

 その後15時14分から15分に掛けて、A医師は当該患者のもとを訪れた。このときは、患者の母親がいた。A医師が「ちょっと診ますから」と母親に声を掛けると、母親はカーテンの外に出て、すぐ側に立って待っていた。A医師は右胸の触診を行い、20秒以内で終了した。患者の母親や、同室の向かい側のベッドにいた薬剤師は異変を感じなかったという。A医師が退室する際、看護師が定時巡回で訪室した。この後、A医師は訪室していない。

 弁護人は、これらのことを説明した上で、「わいせつ行為は一切なかったこと、また不可能であったこと」を改めて主張した。その中で、ベッドの高さの問題についても触れている。ベッドは上下可動式のもの。手術室からベッドへ移乗したことと、帰室後も頻繁に看護が必要になるため、患者のベッドは手術室から戻ってきたままの高い状態にしてあった。患者のベッドのマットレスまでの高さは、マットレスの座面まで約80cm、ベッド柵は患者左側に2カ所、右頭側に1カ所の合計3カ所設置されていた。床からベッド柵までの高さは約103cmから約110cmあった。ベッドが高い状態のままであり、ベッド柵があったことから、弁護人は「A医師がベッドの脇から患者の左胸にかがみ込み、患者の左胸をしゃぶることは、顔面が左胸に届かず、不可能である」と述べた。また、ベッドが高い状態のままであったことから、A医師の股間はベッドの座面より下にあった。患者はA医師の自慰行為を見たと訴えているが、「患者の視野にA医師の股間が入ることは非常に困難である」とした。

「A医師本人の唾液が検出された」は誤報
 また弁護人は、「本件について、唾液が検出されたことが『物的証拠』であるかのような報道がある。中には、唾液が本人のものと一致したとの報道さえある。しかし、この報道は誤報と言うほかない。捜査側から、唾液の検出や、その唾液がA医師本人のものであるとの鑑定結果が公式に表明されたことはない」と強調した。

 ただし、患部の写真撮影時や超音波検査を行った際、B医師とともに胸部を見てマーキング位置を検討した際など、A医師がマスクを着けずに患者の胸部に接近する機会は数回あったため、「A医師の唾液の飛沫が左胸に付着した可能性は否定できない」と言う。唾液の鑑定は、アミラーゼ反応の検出の有無によって行う。弁護人は、「アミラーゼ反応は微量でも検出されるため、陽性反応があったとしても『左胸をなめた』ことと、『左胸に唾液の飛沫が付着した』こととの区別はつかない。従って、アミラーゼ反応があった場合でも、わいせつ行為があったことの立証にはならない」と主張。さらに、アミラーゼ反応だけでは個人は特定されないことから、「唾液中からDNAが検出され、そのDNA型がA医師のものと一致しない限り、その唾液がA医師のものと特定することはできない」と話した。

 病院関係者との通謀や罪証隠滅の恐れについて、弁護人は「現時点で既に4カ月弱が経過していることから、既に病院関係者の認識は一致している。そのため、証拠隠滅の余地もない」と説明した。

 以上のことから、弁護人は「妄想の中でひとたび患者が被害を申告すれば医師が逮捕されるという実例が生じ、それが許容されるということになれば、男性医師の萎縮を招き、医師減少、診療差し控えなどで女性関係の医療現場は大変な打撃を受ける。まずは医師、そしてその弊害は患者に及ぶことは必定である」と改めて主張し、「本件に犯罪の嫌疑がないこと、患者の訴えは根拠とならないこと、それを裏付ける証拠がないこと、現職の医師を逮捕することがいかに重大で医療破壊をもたらすかを十二分に受け止め、その上で判断をするよう、強く問うものである」とした。

 なお弁護人によると、8月29日、身柄拘束が不当だとして裁判官に釈放を求める「勾留決定に対する不服申立(準抗告)」を申し立てたが、同日棄却されたという。

コメント

今回の逮捕は政治的なことも考慮する必要があります

医療法人財団健和会 柳原病院 本件に関する抗議文http://yanagihara.kenwa.or.jp/statement.html

今回の逮捕は日本共産党を支持する医療機関への嫌がらせだと思っています。極めて政治的な話かとも思います。。

Re: 今回の逮捕は政治的なことも考慮する必要があります

柳原病院が民医連系の医療機関であることは存じております。この事件に政治的な意図があるのかどうかは分かりません。もし病院を痛めつける意図であれば、非常勤医師の「犯罪」を挙げるよりも、診療報酬面の問題等、病院そのものの「瑕疵」(それがあるかどうか、また法的に正当な指摘であるかどうかは別にして)を公にするのではないでしょうか。

明らかなことは、容疑者の段階で実名報道したこと、杜撰な捜査であり立証はおそらく困難である(冤罪である)ということでしょう。立件しやすく、社会的にインパクトのある医師の「破廉恥犯罪」を、警察が安易にでっち上げたというのが実情ではないでしょうか。柳原病院が民医連系であろうがなかろうが、この事件を訴追することになれば、警察・検察は、医師たち全員を敵に回すことになるでしょう。

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