緊張の高まる朝鮮半島 

北朝鮮が核軍備を推し進め、日米韓に対して挑戦的な対応を続けている。それに対して、北朝鮮の核施設への先制攻撃やら、金正恩の暗殺を行えという議論も生じている。だが、それでことは解決するのだろうか。

北朝鮮は、金正恩体制になってから、とりわけ厳しい統制・政治を国内外に敷いている。民主主義とは相いれない独裁国家であり、あの体制を肯定すべきとは到底思われない。

だが、彼らの体制を力で崩壊させようとする試みは、大きな副作用をもたらす。もし、北朝鮮に先制攻撃を仕掛けたらどうなるだろうか。彼らは、あらゆる軍事力を用いて反撃に出るだろう。わが国の場合、ミサイルによる核攻撃にさらされる可能性がある。ミサイル防衛システムは、未完の防衛システムであり、信頼を置くわけにはいかない。北朝鮮が潜水艦から、通常兵器でわが国の原発を攻撃したら、核兵器での攻撃と同様の被害をわが国にもたらす。

中国・ロシアがどのような対応にでるのかも予断を許さない。特に、北朝鮮の友好国であり、朝鮮戦争をともに戦った中国は、北朝鮮の崩壊を黙ってみていることはないだろう。両国が核兵器を用いた戦争に加わると、人類文明の終焉になる。それが、あたかもないかのように楽観的に構えるわけにはいかない。核兵器による軍事力の均衡は、もろく、一旦崩れると歯止めが効かない。

2000年代から米国は、北朝鮮の体制を崩壊させることを目指すとしてきた。米韓軍事演習も、金王朝を倒すことを目的としている。金政権を倒すという目的を掲げれば、金政権は必死でそれに抗うことになる。最終的には、狂気の攻撃をしかけてくることもある。少なくとも、金政権が一方的に軍事力を増大させ、日米韓に対して緊張を高めている、とは言えない。米国、それに追随する日韓が、金政権の打倒を以前から唱えていることによって、不要な緊張が高まっている可能性が高い。

金政権がいかに独裁的であり非人道的であろうとも、金政権を倒すという目的を一旦引っ込めて、金政権を国際的な交渉の場に引き出すことを考えるべきではないか。嘘をつき、相手国を欺く政権であっても、根気強く交渉の場に引き込む以外に方法はない。金政権を直接的に打倒しようというのは、イラク戦争の二の舞を踏むことになる。

もう一つ気がかりなのが、軍事産業の影だ。彼らは、世界の紛争ないし緊張状態にある地域で、緊張を煽り、また戦闘を起こすように政治を動かしている。もちろん、それが彼らの利益になるからだ。軍事産業は、グローバル化をしており、一国の政権がコントロールできないことが多い。国際関係の緊張が高まる背後に、そうした動きがないか慎重に見極める必要がある。

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