南スーダンPKOは隘路に陥っている 

南スーダンの状況を、米国議会調査局が報告している。こちら。昨年7月以来、全面戦争状態に突入する直前の状況にあると記されている。南スーダン政府は、国連平和維持軍が関与することを望んでおらず、軍事的な国連平和維持活動が関与する仕方について方針が定まらないことを率直に記している。

下記のニュースにもある通り、政府軍が一般市民・国連スタッフ・NGO職員を襲撃し、甚大な被害をもたらしている。それに対して、PKOが何も行動を取らなかったことが国際問題になっている。

こうしたなか、我が国政府は、派遣された自衛隊に対して、「駆けつけ警護」などの安保法制に基づく新たな任務を命令しようとしている。ただ、少し腰が引けているようで、当面、外国軍への駆けつけ警護は行わないようにするらしい。それでは、上記のPKOへの批判と同じ批判が自衛隊になされるのではないだろうか。また、「限定的な」駆けつけ警護など国際的に認められるわけがない。国連のPKOとして、危険を賭すことが求められるはずだ。政府も国民の「慣れ」をみて、派遣自衛隊の任務を拡大してゆくことだろう。

現状では、PKOが南スーダンで果たしうる役割は極めて限定的だ。以前にも記した通り、300万人近いと言われる避難民への民生面での援助、それに政府・反政府両勢力へ軍事物資が渡ることを阻止する活動等が求められているのではないだろうか。

南スーダンの独立を米国など欧米が支持し支援した理由は、スーダン政府がイスラム過激派と近縁関係にあるということ、それに南スーダンに石油利権があることだろう。結果論になるが、この南スーダン独立への関与の仕方は誤まりだった。米国の要請のもと、南スーダンで軍事的なPKO活動を行うべきではない。それは自衛隊が戦争に巻き込まれぬためであり、また軍事的な関与が南スーダンの状況をさらに悪化させる可能性が高いからだ。

以下、引用~~~

南スーダンPKO「十分な対応せず」 人権団体が批判

2016年10月26日 10時23分 TBS

 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、南スーダンの政府軍が7月に一般市民に対して略奪や性的暴行を繰り返したにもかかわらず、現地の国連PKO部隊が十分な対応をしなかったと批判する報告書を発表しました。
 報告書は、被害者や目撃者ら90人以上への聞き取り調査を元にまとめられました。

 報告書によると、7月に首都ジュバで起きた大規模な武力衝突の際、南スーダン政府軍の兵士は一般市民に対して略奪や性的暴行を繰り返したほか、避難民が集まる国連施設に向けて無差別に発砲するなどしたということです。また、NGO職員らが宿泊するホテルで殺人やレイプ、略奪が行われた事件についても、報告書は政府軍兵士による組織的で大規模な襲撃だったとしています。

 さらに、報告書は、現地の国連PKO部隊について、国連施設が攻撃を受けた際に持ち場を離れ、避難民を置き去りにしたほか、ホテルの襲撃事件でも救出に向かわなかったなどと批判しています。

 日本政府は現在、南スーダンに派遣している自衛隊に新たに「駆けつけ警護」の任務を与えるか検討していますが、報告書は現地のPKO部隊が直面する厳しい状況を改めて浮き彫りにしています。(26日05:59)

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