医師・看護師等の働き方ビジョン 

厚労省が「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」なる審議会を立ち上げた。こちら

医師・看護師の働き方について、様々な観点から検討を加え、その方向性を示そうということらしい。

医師についていえば、教育・研修・医療従事の各時期を事細かに制度設計しようということだ。今のところ、医療が公的保険によって成り立っているので、こうした行政の方針は、医師の人生そのものを規定する面が強い。

特に、来年にも導入されることになっている専門医制度を軸に、医師の職業人としての在り方を行政が定め、管理しようとしているように見える。患者の価値を最初に掲げることは結構なことだが、現実の問題としては、医師の労働環境の悪さが医療安全や患者の満足度に悪影響を及ぼしているのではないだろうか。まずは、医師の労働環境の悪さ、とくに長時間労働の是正を掲げるべきではないのか。それが、ひいては患者第一の価値実現につながるはずだ。

行政主導の医療体制の構築は、これまで医療をどのように変え、今後どのようにしようとしているのか。新臨床研修制度が大学医局の人事権を潰して、地域医療はどうなったのか。現在の、医師の大量増産体制をこのまま続けて、団塊の世代がいなくなったあと、医師諸君は一体どうなるのか。行政の反省と、過度な医療制度への行政の関わりの問題が検証されていない。これでは、医療制度はさらに混迷することになる。

看護師の統計で驚いたのは、その数が医師以上に右肩上がりで増えていることだ。その養成数に拘わらず、おそらく、看護師は労働条件の悪さから、結婚を機に家庭に入ってしまうことが多く、養成し続けても現場では看護師の数が足りない状況が続いているのではないか。これは、人的インフラの壮大な浪費ではあるまいか。

行政主導の、こうした医療制度設計の背後に、医療を行政が支配することによる利権がある。行政が、自らの利権を求めて、医師・看護師の人生設計を左右しようとすると、それは失敗する。そのような制度設計に人は従わないからだ。

この審議会、あとたった2か月で最終報告を出すらしい。すでに、行政による「叩き台・・・という名の原案」は作られており、審議委員はそれにお墨付きを与えるだけなのではないか。この審議委員には、医療現場を知る人が少ない。あまりにいい加減な審議会構成だ。それも偏に、行政主導を実現するためのことなのだろう。

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