国民健康情報データベースは、誰のためなのか? 

先のポストで少し言及した、患者情報の一元管理についてのニュース。

確かに、救急搬送時等緊急の場合に多少は役に立つかもしれないが、問題が多すぎだ。病気・健康状態の情報は、最大のプライバシーと言ってよい。それをデジタル化して一元管理する場合、情報漏洩の問題がある。または、行政が故意に患者に不利に働くように用いる可能性がある。国民ナンバー以上に重要な情報なのだ。年金情報の管理でどれだけ漏洩があったか思い返すべきだろう。一元管理する場合、その情報漏洩の規模は甚大になる。また、一旦漏洩したら、回復は不可能だ。

また、この情報一元化のメリットは、患者本人よりも、最後に出てくる、行政・研究機関・企業により大きい。患者の同意を求めたうえで匿名化というが、必ずそれをしない情報提供が出てくる。医療保険会社等にとり、患者個人情報はのどから手が出るほど欲しい情報なのだ。

また、現実問題として、もっとも大きな問題は、このシステムの構築と維持に多額のコストがかかることだ。

国民ナンバー制度の開発に3000億円近く、維持に年300億円程度かかる(かかった)らしい。開発・維持のための行政コストも莫大だ。国民ナンバーを導入せざるを得ない企業のコストは100万円以上と言われている。おそらく、国民ナンバー制度に関わる情報管理会社、保険会社が多大な利益を上げている。そうした会社に官僚が天下っている。

国民の健康情報の一元管理は、情報量の大きさからして、この何倍ものコストがかかるのではないか。また、医療介護機関には、導入・管理さらに情報漏洩に備えた保険等で多大なコストが発生する。

将来、国民ナンバーに健康情報が紐つけされ、国民一人一人が行政により管理される社会の幕開けになるのかもしれない。それは悪夢だ。

以下、引用~~~

患者情報、厚労省が一元管理へ…医療・介護現場などで活用
16/11/10記事:読売新聞

 厚生労働省は、病院などが持つ患者の治療・服薬歴、健診結果のデータベース化に乗り出す。一元化した情報を全国の医療や介護現場で活用したり、治療法の開発に役立てたりする。2020年度からの運用開始を目指す。
 患者個人の治療情報などはこれまで、病院や自治体が個々に管理していた。データベース化で、患者とかかりつけ医、介護ヘルパーらが情報を共有して、救急搬送時や災害時、認知症になった時でも、最適の診療を受けられるようにする。患者自身は、自分の情報に常時、アクセスできる。医療機関は人工知能を使い、患者の病気の原因や最適な治療法を探るために活用する。
 また、データを、患者の同意を得たうえで匿名化し、行政や研究機関、企業などに提供し、創薬や医薬品の安全対策などの研究に役立てる。

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