「ビッグデータ」という名の壮大な無駄遣い 

取り上げるまでもないニュースだと思ったが・・・

学校健診のようなデータを、統計処理するためには、健診の評価を定められた基準で行わないと、意味がなくなる。質の良いデータが必要なのだ。レセプトデータも、標準化されておらず、また診療報酬制度によって医学的とは言えぬ診断名がついている。良質なデータとは言えない。

それに、学校健診の実情を、行政は知っているのだろうか。学校医は減らされる傾向にあり、数百人の健診を一日で行うといったスケジュールが一般的だ。こういっては語弊があるかもしれないが、きわめて表面的な診察に終わらざるを得ない。要するに、健診という人手をかけなければならない作業を、人手はかけずに行っているわけだ。これで意味のあるデータが得られるとは到底思えない。

それに、個人情報の保護の点からも、危うい感じがする。業者に情報提供をする際には、匿名化するとあるが、分析情報を本人、地方自治体に戻すとあるので、完全な匿名化ではない。既往歴等は、もっとも高度なプライバシーに当たるのに、こんな中途半端な情報の扱いでは、情報漏洩の問題が起きる可能性が高い。

結局、今流行りの「ビッグデータ」を扱う業者この(報道では「学校健診情報センター」)、そうした業者に天下る官僚のための、税金を用いた、ビッグデータビジネスを作り上げようとしているだけなのではないか。もしかすると「ビッグデータ利用機構」なる特殊法人を立ち上げる積りなのかもしれない。

データの質、正確さ、基準がはっきりしていなければ、意味のあるデータは得られない。

これは、壮大な無駄遣いになる。

以下、引用~~~

学校健診記録を「ビッグデータ」に長期保存…成人期の病気予防に活用
行政・政治 2016年11月22日 (火)配信読売新聞

 文部科学省と総務省、京都大発のベンチャー企業は、学校健康診断の記録を「ビッグデータ」として活用する新事業を始めた。

 健診記録は中学卒業後に廃棄されてきたが、長期間保存して成人期の病気の予防などにつなげるという。

 近年の研究で、心筋梗塞や糖尿病など成人期の病気の多くに、小学校低学年までの健康状態が影響を及ぼすこともあることが分かってきた。京都大の教授らによるベンチャー企業「学校健診情報センター」(京都市)は、健診記録が病気の予防などの研究に役立つと考え、昨年度、国公私立の学校の児童・生徒を対象に健診記録のデータベース化に着手した。

 各自治体の個人情報保護条例に基づき、学校から個人が特定できない形で健診記録の提供を受ける。研究目的は自治体や学校を通じて保護者に伝え、自治体が持つ生徒の乳幼児期の健診や母親の妊婦健診の記録なども一部取り入れる。

 昨年度は試験的に、東京都荒川区、香川県坂出市、山口県防府市など11市区町の58の中学校で実施し、5689人分を収集。今年度は、50市区町で約5万人分を集める本格的な作業に入り、1万数千人の収集を終えた。少なくとも10年間続け、200万人分のデータを集める計画だ。

 将来、児童・生徒が生活習慣病などになった場合、自治体が管理する国民健康保険の診療報酬明細書(レセプト)などから病気の情報を得て、健診データをつなぎ合わせ、同じ病気になった人の子ども時代の共通点を探り、発症や重症化の予防に活用する。記録を基に分析した児童・生徒の健康状態を学校を通じて本人に、学校間の比較などを自治体にそれぞれ戻して、健康管理や医療政策に役立ててもらう。

 個人情報に詳しい新潟大法学部の鈴木正朝教授(情報法)の話「健診記録は個人情報だが、各自治体の条例に基づいて取り扱っているならば、手続き上は問題はないだろう。国保のレセプトや、がん検診の記録なども医療研究に有効利用していくべきだ」

          ◇

【学校健康診断】  学校保健安全法に基づいて小、中学校で毎年1回行われている。身長や体重、栄養状態、既往症のほか、心臓、尿、視力の検査など約40項目を調査。健診記録は学校側が保管しているが、中学卒業から原則5年後に廃棄されている。

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