原発のリスク 特に経年変化に伴うもの 

原発は、動作原理こそそれほど難解なものではないが、その実際の構造は複雑で、作動に伴い様々な深刻なリスクが伴う。

取り扱いが危険な放射性物質を燃料とするため、深刻事故が起きると、スタッフ、近隣住民、場合によっては日本国中、ないし世界にまで放射能被曝をもたらすのは言うまでもない。放射能汚染は、数百年、数千年またはそれ以上のオーダーで続く。環境汚染が、人々の故郷を奪う。

原発は、きわめて多数の配管の集合体である。沸騰水型原発の場合、格納容器・圧力容器からなる原子炉中枢部、圧力制御室、そして原子炉外のタービン・復水器等の構造の間を多数の配管が結んでいる。地震等の自然災害、またはこの記事のように経年変化で、その多数の配管が、劣化、破断等の事故を起こす。これも場合によっては、重大な放射能汚染を生じる。

原発の圧力容器壁に、放射能による劣化が生じうる。中性子被曝により、原発の圧力壁が脆くなるのである。原発作動中に、その脆化から圧力容器壁にヒビが生じると、高圧になっている圧力容器は爆発を起こす。これは経年変化として必発の事故である。また、深刻事故の場合に、水蒸気爆発等の危険な事象が起きることは、福島第一原発で実際に経験した。

使用済み核燃料、または深刻事故下の核燃料は、冷却を続けなければ、臨界に達し、高熱を発するとともに核分裂反応の連鎖が生じ、放射能の発生が格段に増える。臨界に達した燃料は、水槽・鉛コンクリート壁などによる放射能遮蔽・冷却ができなければ、容易に対応ができない。

こうした深刻事故は、経年変化として、必ず起きるものだ。下記に報じられた島根第二原発は1989年建造である。それ以前に建造された原発は、全54基中31基である。57%の原発が、この島根第二原発よりも古い原発だ。原発は元来16年間だけ稼働させる予定で建造された。それが経済的理由により稼働期間が30年間にまで伸ばされ、さらに40年間まで伸ばされようとしている。安全性が担保されたわけではない。もっぱら、原発利権組織の都合である。

さきほど、福島第一原発の復旧作業には、当初の予算の二倍、20兆円かかると報じられた。メルトダウンした燃料へアクセスできない現状では、この費用が、さらに膨らむ可能性が極めて高い。福島第一原発の復旧に伴う汚染物質、さらには原発稼働後に生じる放射性廃棄物の永続的な保存・管理の目途も立っていない。プルサーマル計画で、使用済み核燃料を再利用することは実現しておらず、そのリスクから世界各国は撤退している。こうした汚染物質・使用済み核燃料の維持・保管もきわめて困難である。

原発がいかにリスキーな代物か、国民がまずは理解し、原発全廃に向けて動く必要がある。

以下、引用~~~

島根2号機、空調配管に穴=腐食1メートル、審査中-中国電

2016年12月08日 23時16分 時事通信

 中国電力は8日、島根原発2号機(松江市、停止中)で中央制御室の換気に使う空調配管を点検したところ、腐食した穴が見つかったと発表した。この配管は安全上重要な設備に該当し、中国電は必要な機能を満たしていないと判断、原子力規制委員会に報告した。環境に影響はないという。

 島根2号機は現在、再稼働の前提となる規制委の審査を受けている。穴がいつ開いたかは分かっておらず、中国電は原因調査と補修を実施する予定。

 中国電によると、8日午後2時50分ごろ、作業員が2号機原子炉建屋で配管に穴が開いているのを発見した。穴は縦約30センチ、横約1メートル(これは穴などというものではなく、破壊である:ブログ主)。配管は外気を中央制御室に入れるのに使われており、審査のため外側の保温材を外したところ、腐食が判明した。保温材を全て外したのは1989年の運転開始以来、初めてだった(安全確保のための検査がいかにおざなりなものであるかが分かる:ブログ主)。 



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