Fake newsとファシズム 

あからさまな嘘を、垂れ流すメディア、ネット情報サイトが後を絶たない。米国では、とくにそれが酷い。そして、次期米国大統領に選ばれたトランプ自身が、選挙戦前後、あきらかな嘘をつき続けている。彼が選出された背景には、ネット上に出回る嘘記事の影響があるのは間違いない。ただ、そうした嘘を平気でつき続けるトランプのような人物が出現したのは、米国社会の変容があったためともいえるのかもしれない。東洋経済で、この問題が議論されている。こちら

11月下旬、トランプ当選が決まってから、Vox.comで、この問題がやはり議論の対象になっていた。その記事を見つけられないので、メモと記憶に辿って紹介すると・・・

このような明らかな嘘の情報に我々が取り込まれる理由は

1)partisan bias
特定の政治的なグループに所属すると、そのグループに有利な情報を選択的に取り入れる、そうしたバイアスである。

2)confirmation bias
事前に自らが正しいと思ったことを支持するような記事を求める傾向である。cable newsやFacebookが、これを可能にしている。

3)情緒は、事実よりも強力に共鳴を起こす
生物学的に規定された直観的な道徳・倫理が、人々の世界観を形成する。そこでは、事実よりも、情緒が主要な要素となる。
政治家は、自らと同じような精神の持ち主の選挙民に、この道徳的基礎を利用して訴えかける。
今回の米国大統領選で大きな働きをしたのは、白人が社会的な少数者になる恐怖感だった。恐怖感は容易に惹起される感情であり、思考を停止させ、我々の行動を規定する。
インターネット、ソーシアルメディアが、誤った情報の伝達を容易にしている。

Vox.comの記者によると、こうした傾向がすぐに改善するとは思われない。が、対処をする方法があると言う。

一つは、政治的な場で、「事実」を述べることにインセンティブを与えることである。もう一つは、fact checkを行うこと。ネットでの情報や、政治家の発言が、事実であるのかどうかを検証し続けることだ。fact checkは、ネット上でも行われている、という。

確かに、fact checkは、有効な方法だと思うのだが、情緒的に政治行動を起こす人々の耳に、それがどれだけ届くのかが問題だろう。偏見、思い込みを捨てて、fact checkをすることが我々には求められている。

ファシズムは、人種差別、少数者への偏見を、あきらかな嘘によって人々のなかに煽り、それに基づく、人々の少数者への排斥を糧に、勢力を伸ばしてゆく。トランプは、大統領選に勝利して以降、少数者への明らかな差別排斥を口にすることは少なくなった。だが、労働者のための政治とはどうも裏腹の政策を進める人事を行っている。例えば、政権内部に「沼」のように居座る大企業・金融業のロビイストを徹底して排除すると言っていたが、財務・金融関係の3閣僚には、ゴールドマンサックスの関係者を指名した。政策決定の中枢には、ひどい人種差別主義者が指名されている。やがて、トランプの政策の内実は、労働者のためにはならないものであることが明らかになる。その時には、トランプは、少数者差別排斥へ回帰する危険がある。

これは、米国に限ったことではなく、全世界的な兆候のようだ。

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