カジノ法案に対するブルームバーグ社の指摘 

カジノ法案はすでに成立してしまった。TPP法案と同じく、国民の側に立たず、前者はギャンブルリゾート企業、後者は輸出大企業の側だけを向いた法案だ。

ブルームバーグ社という投資企業の社説。冷静な分析だ。

カジノは、外国人だけでは経営が成り立たない。日本人からの売り上げ(博打でのてら銭と無法な稼ぎ)がメインになることだろう。パチンコと同じく、官僚が規制の面で天下り組織を立ち上げ、甘い汁を吸う。政治家は、博打の売り上げから政治資金を得る。

なんとも汚い構図だ。

これをしっかり指摘し、法案阻止に動く政治家があまりに少ない。

カジノが成長戦略の切り札というアベノミクス、終わっている。

以下、引用~~~

12月13日ブルームバーグ社説

あれこれ批判がある中で、自民党は今週にもカジノ解禁法案を成立させようとしている。カジノが天の恵みをもたらすなどと言うアナリストもいるが、神頼みをするギャンブラーの手札は弱いと相場が決まっている。日本が加わろうとしているアジアのカジノブームは、ハッピーエンドにならない公算が大きい。
  カジノ事業の現在のトレンドは「統合型リゾート」。賭け事だけでなくショーや買い物、豪華な食事などを提供する巨大施設で海外からも広く客を呼び込み、多額の金を落とさせようというコンセプトだ。このモデルでは総じてカジノの収入が増え、高額の賭けをするギャンブラーへの依存が低くなり景気浮沈の影響も受けにくくなる。
  理論的には、外国人が金を落として国内経済を浮揚させてくれ、問題は自国へ持って帰ってくれるので政府にとっても魅力が大きいように見える。開発業者に周辺のインフラ改善や会議場と見本市会場の建設などを促すこともできる。これが日本政府のビジョンだ。
  しかしまず第一に、アジア太平洋地域には既にそのようなリゾートが多数ある。シンガポールやサイパン、ベトナム、ロシア極東のウラジオストクにあるほか、フィリピンと韓国にも新しいリゾートが開業しようとしている。マカオだけでも30数カ所あり、まだ増え続けている。地域の中で競争が激しくなればそれぞれのカジノ収入が減るのは想像に難くないし、近場のカジノの方が客を引き付けるのには有利だ。競争力の弱い地域はひどい結果になりがちだ。
  さらに、こうしたリゾートが狙っているのは同じ顧客、つまり中国からの旅行者だ。しかし中国の成長が鈍化、人民元が下落している中ではかつてほど当てにならない。中国政府は資本逃避を防ぐのに一生懸命なので、海外での支出について規制を強化する可能性は高い。
  これらの悪条件がなかったとしても、カジノが期待通りの繁栄をもたらすことは少ない。短期的に成長を押し上げることはできるが、効果は短命だ。ギャンブル収入に課税すれば税収が増えるように見えるが、社会的コストを考えると差し引きはマイナスかもしれない。ギャンブル依存や破産、犯罪の増加など別の弊害を生みかねない。
   日本に固有のリスクもある。政府統計によると、日本ではギャンブル依存の人が成人人口の5%近くもいて、先進国の中で突出して高い。円高が外国人旅行者を呼び込む妨げになる可能性もある。また、カジノ解禁は日本の慢性的な需要不足の解決にもならない。国民の多くがカジノ解禁に反対なのは偶然ではないだろう。
  カジノを擁護する最善の論拠は「楽しい」というものだろう。アジアの多くの国で、ギャンブルは日常的に行われている。国民が賛成していて社会的コストについても十分に理解しているなら、合法とするべきだ。ただし、うのみにしてはならない。カジノのもたらす利益は決まって誇張されている。カジノでは常に、胴元の勝つ確率が高いのと同じだ。

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