原発部材の脆弱性 

合金に、不純物が多く混じると、硬度は増加するが、脆弱になる。急激な圧力変化等で、破壊される恐れが高くなる。

フランスの原発で、炭素が原発部材に規定よりも多く含まれていることが判明し、大きな問題になっている。蒸気発生器や圧力容器などの原発の最重要部品の鋼材の脆弱性が発覚したのだ。問題は、この脆弱な部品を提供した企業「日本鋳鍛鋼」は、日本の原発にも部品を提供している。

こちらの論文を参照。

タイトルは、

「⽇本の原⼦炉に導⼊された⼀次冷却系部材、炭素異常に関するレビュー
第⼀部 フランスの炭素異常と⽇本の原⼦⼒発電プラントの相互関係」

グリーンピースジャパンが英国の原子力コンサルタント Large Associatesに依頼して作成した、この問題についての報告書である。

この報告では、日本鋳鍛鋼の提供した部材の欠陥が、原発の重大事故を引き起こす危険性を指摘している。日本鋳鍛鋼が製造・輸出する段階、さらにフランスで原発に利用される段階で、この安全基準を満たしているかどうかチェックすべきだったが、なされていなかったとしている。(日本鋳鍛鋼がフランスに部材を輸出した時点では、安全基準を満たしていたという報道もあるが、現在の安全基準を下回るものになっていることは確か。)

このために、フランスでは、十一基の原発の稼働が停止されている。圧力容器の上部構造、付属構造の修理をするとしても、長期間と莫大なコストがかかる。上記の報告によれば、典型的な原発圧力容器の3 基の蒸気発⽣器セットの取替コストは、40〜60 ⽇の運転停⽌の場合、1 億〜1億 5000 万ユーロを超える、とされている。下部構造は、修理が不可能で、廃炉になる可能性が高い。

問題は、わが国でも13基以上の原発で上記の不具合のある部材が用いられていること、フランスで大規模な原発稼働停止になっており、そのコストの少なくとも一部が日本鋳鍛鋼等の日本の企業、原子力規制当局に請求される可能性があることだ。

この事件は、例によって、わが国ではほとんど報じられていない。

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