こき下ろされたTrumponomics 

ノーベル賞受賞者が、American Economic Association 年次総会のパネルディスカッションで、トランプ次期大統領の経済政策について議論した。過半数の参加者は、Trumponomicsをこき下ろしている。こちら

Phelpsコロンビア大学教授は、Trumpに対してとりわけ批判的で、Trumpが個別企業に対して、賞賛と恫喝を行うことは、イノヴェーションをもたらす新規企業の登場を阻害する、と述べている。さらに、彼の行うという大規模減税、大幅な財政支出は、国の借金を増やし、政府への信認を貶め、最終的には深刻な不景気をもたらす、と述べている。

Myersonシカゴ大学教授は、Phelps教授の指摘を受けて、過去大規模な財政出動を行った米国政府は、米国債の増発でその財源を賄ったが、Trumpの目指す、アメリカ第一というスローガンのもとでの貿易協定の再交渉を行うと、米国債を買う外国人投資家の意欲をそぐことになるだろう、と述べた。

Josef Stiglitzは、トランプの述べる経済政策(というか、単にtwitterの呟き:ブログ主注)は、機能しないということが既にコンセンサスとなっている政策に属すると述べている。諸外国との貿易協定は、両者の信義に基づくべきであるが、すでにそれが崩壊し始めている、と述べた。

Deatonプリンストン大学教授は、Trumpの経済政策は彼が採るであろう外交政策ほどは心配していない、と述べた。対中国政策がとりわけ、心配である、と。

Shillerイェール大学教授は、他のパネリストに比べると、生来楽観主義者であり、将来の状況がどれほど悪くなるかを推測することは良しとしない、と述べ、他の参加者とは異なる立ち位置を示した。

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Trumponomicsに関する、このような見方は、専門家の間では確定した見解なのだろう。Trumpは、結局、目先の利益だけを追求する「不動産業者的」視点しか持ち合わせていない。それが世界経済にどのような影響を及ぼすか、さらに現在の世界経済の問題から、どのような方向に進むべきかという見識は、まったく持ち合わせていない。

Trumpは、メキシコ国境に壁を作る、その資金は、当初選挙戦で息巻いていたようにメキシコに支出させるのではなく、米国の予算から支出する(その後、メキシコにそれを支出させる!)と軌道修正して、米国民の多くから失笑を買っている。今後、この類の軌道修正が矢継ぎ早に出ることになる。また、ロシアのポピュリスト プーチンの大統領選挙戦へのネットを通じた干渉に強い態度で出ることを躊躇っているようだ。選挙に他国が干渉するというのは、国の存立を左右しかねない一大事なのだが、Trumpにとっては、自らに有利になることであれば、そうした原則に立つことはない、というわけだ。この調子で、外交政策を進めるとしたら、国際社会に大きな障害をもたらす。

さて、この次期大統領を信頼に足る有能な指導者だと、他国の首脳に先駆けて、褒めちぎった政治家がどこかにいた・・・Trumponomicsがぽしゃったら、自らの経済政策の破綻とともにどのように弁解するのだろうか。

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