Obama's Farewell Address 

オバマ大統領のお別れの演説。

オバマはchangeを目指すべき標語として颯爽と登場した。アフリカ系アメリカ人初の若い大統領だった。核軍縮や、社会保障の充実という理想を目指した。正直なところ、それらの目標は、達成できていないものが多い。Affordable Care Actも、無保険者の救済だけを優先し、さらに既存の私的保険を用いた制度設計だったために、中間層から大きな反発を招いた。さらに、新自由主義経済の枠組みに最後まで捉えられていたのだろう。米国は、その建国の歴史から、新自由主義経済国家が社会福祉国家よりも親和性が高いのかもしれないので、彼だけをこの点で責めることはできない。だが、TPP案をグローバル企業優先のスキームで作りあげ、関係諸国に批准を迫ったことは、歴史的に見ると、彼の限界だったと評価されることになる。

しかし、彼の言葉、理想そして努力は人間として共感できるものが多かった。リーマンショック後の金融経済の深刻な混乱を、何とか切り抜け、アフガン・イラクからの撤兵を実現した。受け継いだ負の遺産を、大混乱に陥ることなく、正常に戻す努力を行った。ACAも、米国医療史上初めての試みだった。歴代大統領と比較して、個人的なスキャンダルが皆無であったことも、彼に好感を抱かせる点だ。下記の大統領としてのお別れの演説では、自らの成果を誇張することなく、現在米国と世界がその崩壊の危機に直面する民主主義という価値の重要性を語っている。品位と良識の備わった演説だ。人々の感情におもねる空疎で意味のない内容ではなく、現状の問題を意識して、これだけ内容のある言葉を人々に残せる大統領を持った米国は幸せだった。

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