トランプの嘘、否、妄想 

トランプと、その取り巻きの嘘は、彼らにしてみると、妄想の類であることは、以前のポストに記した。トランプ、その取り巻きは、妄想を撒きちらしている。

alternative factをまた宣っている、等と笑い種にしていれればよいのだが、彼らは世界最強の軍事力を持つ国家のトップである。psychopathが、世界最強の権力を握っている。

きわめて危険なことだ。地球の終末時計が、週末に向かって3分から2分半まで30秒間短くされた、ということに、一種の寒々しさを感じる。

NYTが、トランプの嘘を列挙している。少し長いが、引用する。

このトランプを、優れた指導者と持ち上げ、彼との会談を焦っている政治家がどこかにいる。同類項なのだろうか。

以下、引用~~~

 1月26日付ニューズウィーク トランプの「嘘」一覧(就任~1月24日)

<嘘をつき続けるトランプと政権スタッフ。大統領就任からまだ1週間も経っていないが、主要なものだけでもすでにいくつもの嘘があり、メディアとの戦いが繰り広げられている> (写真:香港で3月に発売される予定のトランプ人形)
 なお、この21日には全米の主要都市で、女性を中心とした反トランプ・デモが行われ、首都ワシントンだけで20万人以上が集まった(約50万人との報道もある)。
 ドナルド・トランプは嘘をつく。嘘ではなく本当の話だ。
 昨年9月半ば、カナダのトロント・スター紙のワシントン支局長ダニエル・デールは、選挙戦でのトランプの発言「すべて」のファクトチェックを開始した(ツイッターでの発言を含む)。投票日直前の10月30日までに、同紙が「嘘」と認定した発言は560個に上る。
 同紙は、ヒラリー・クリントンへの攻撃材料としての嘘から、ささいな「何それ!?」という嘘まで20のカテゴリーに分類し、サイトで公開している。ちなみに、「何それ!?」な嘘とは、例えば「(フランク・シナトラは)最初に『マイ・ウェイ』を歌った時はその曲を好きになれなかったが、何回か歌い、大ヒットすると急に好きになった」といった発言だ(シナトラの娘によれば、実際はずっと好きではなかったという)。
 11月4日の選挙に勝利し、1月20日、第45代アメリカ大統領に就任したトランプ。しかし大統領になっても、トランプと政権スタッフによる「嘘」が続いていることは、さまざまなメディアで報じられているとおり。大統領就任からまだ1週間も経っていないが、ここで整理しておきたい。
***

(1)就任式の参加者数は過去最大だ!
 就任式翌日の21日、ショーン・スパイサー大統領報道官は初めて開催したホワイトハウスでの記者会見でメディアへの敵対姿勢をむき出しにした。そして、就任式の参加者は推定25万人で、8年前のバラク・オバマ就任時の推定180万人と比べてかなり少なかったと報じられたことに対しても、激しい調子でこう発言したのだ。
「就任式の観客数は過去最大だった。文句なしに。現場でも、世界中でもだ」
「就任への熱意を弱めようとするのは恥ずべき行為で、間違っている」
 同日の約2時間前、米中央情報局(CIA)本部を訪れていたトランプ自身も、観客数を少なく報じたとしてメディアを非難。「私が演説をした。この目で見た。私には100万人か、150万人くらいに見えた」と発言している。
左が2017年1月20日のトランプ就任時のナショナルモール、右が2009年1月20日のオバマ就任時のナショナルモール REUTERS/Lucas Jackson (L), Stelios Varias/File Photo
 しかし、多くのメディアが報じ、また会見場やその後の報道でも反論したように、これは事実に反する。何より写真(上)がその差を物語っているが、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、例えばワシントンの地下鉄乗降客者数ひとつ取っても、その日は57万人で、オバマ2期目就任時の約78万人より少なかったという(これについてもスパイサー報道官は「多かった」と発言していたが)。

(2)日本の自動車市場は不公平だ!
 とりわけ日本で大きく報じられたのは、対日貿易に関するトランプの発言だろう。トランプは23日、フォードやロッキード・マーチンなど米企業の経営者らと会談した際、日本はアメリカに何十万台も自動車を輸出しているのに「我々が日本で車を売ろうとしても、彼らがそれを(非関税障壁を設けて)不可能にしている」と、日本を名指しで批判した。
 1月上旬には、トランプがトヨタのメキシコ工場建設計画をツイッターで批判し、その4日後にトヨタが北米国際自動車ショーで「今後5年間で対米投資100億ドル」と発表した一件があったばかり。今回の「この問題は協議しなければならない」「不公平だ」といったトランプ発言に、日本の政財界は大慌てとなった。
 実際には"大慌て"というより"戸惑い"かもしれない。今回の「不公平」批判も事実と異なるからだ。
 日本からの対米自動車輸出には2.5%の関税が課せられるが、アメリカからの対日自動車輸出の関税はゼロ。「関税以外の部分でも日本車と何ら差別的な取り扱いはしていない」と、世耕弘成経済産業省は24日の記者会見で反論している。貿易交渉のためなら嘘も方便なのか。
【参考記事】ウソを恥じないトランプ政権に、日本はどう対応するべきか

(3)500万人の不法移民がクリントンに投票した!
 大統領選が終わって2カ月が経つが、トランプは再びこの話を持ち出した。23日に開かれた議会指導者との初めての会合で、300万~500万人の不法移民がクリントンに投票したと語ったという。
 トランプは大統領選に勝利したが、総得票数ではクリントンに約290万票下回っていた。11月下旬にも、不当に票を奪われたとツイッターで主張していたが、就任してなお同じ主張を繰り返した格好だ。そうでもしなければ、国民が自分の勝利と大統領就任を正統だと認めないと懸念しているのではないかと、ニューヨーク・タイムズ紙は分析している。
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 24日にはスパイサー報道官もトランプを擁護したが、もちろんこれも「嘘」だった。スパイサーは「2008年のピュー(・リサーチセンター)の」報告書を今回の大統領選で不正があった証拠として挙げたが、ブルームバーグの取材によれば、そもそも2008年にピュー・リサーチセンターはそのような報告書を出していない。
 全米各地の選挙管理委員会はすでに不正投票は事実上なかったと結論づけている。数百万人などもってのほかだ。
(番外編)就任演説の際は神が雨を止めた!
 驚くべきことだが、トランプは天気についても嘘をつく。21日のCIA職員に向けた話の中で、トランプは20日の就任演説に関してこう発言している。
「神が見降ろしてこう言ってくださった。『あなたの演説で雨は降らせない』。実際、話し始めると......本当の話だが、雨がすぐに止んだのだ。あれは本当に素晴らしかった。その後、空は晴れ渡り、演説を終えて立ち去ると大雨になった」
「違う、話し始めると雨が降り出したのだ」と、ニュースサイト「デイリー・ビースト」のマイケル・トマスキーは書く。「壇上の何人かがポンチョをかぶり始めたのが視聴者の目にも明らかだった(小雨で長くは続かなかったが、雨であることに変わりはない)。その後に大雨になったとトランプは言うが、それも違う」
 就任式会場で取材した本誌の小暮聡子も「就任宣誓を経てトランプ新大統領が誕生すると、その瞬間に止んでいたはずの雨が降り始めた」と書いている。なぜ、すぐにバレるような嘘をつくのか。
***
 難しいのは、トランプやその取り巻きたちが嘘を嘘とも思っていないようにみえることだ。22日にNBC『ミート・ザ・プレス』に出演したケリーアン・コンウェイ大統領顧問は、スパイサー報道官がなぜ記者会見で「観客数は過去最大」という明らかな嘘をついたのかと質問され、こう答えた。
「あなたは嘘だと言うが、ショーン・スパイサー報道官が提示したのはオルタナ・ファクト(alternative facts)だ」
 事実の代替となる(オルタナティブな)事実――というわけだ。もちろん不可解な言葉ではあるが、「偽ニュース」と「ポスト真実」を背景に始まったトランプ時代に似つかわしい表現かもしれない。
 たとえ事実と異なるオルタナ・ファクトだとしても、言う側がそれを意識せず(あるいは戦略的に嘘をつき)、また受け取る側も気にかけなければ、強い影響力を持ち得る。メディアはファクトチェックに忙しくなり、そのために重要な論点を十分に掘り下げられないという事態が生じるおそれもある。

コメント

ポストファクト主義

シニカルな意見ですけど1月29日の岡田北司夫のメールマガジンからです。

モーリー・ロバートソンという人がいますね。
ニコ生もやってますし、『ユアタイム』というニュース番組の解説もやっている

アメリカ生まれ、広島育ちの愉快なおじいさんなんですけど。

その人が『週刊プレイボーイ』の連載で「ポストファクト主義」という言葉を使
ってます。
ポストファクトというのは、モーリーさんが作った言葉ではなくて、トランプ大
統領自身が言った言葉なんですね。

もうこの世界にファクトはない。あるのはオピニオンだけ。

つまり、この世界の「真実・事実」には意味がない。
そこにあるのは「意見の相違だけ」だと言っているんです。

ファクトというのは「20世紀の思想」という考え方なんです。

僕らは「ファクト・事実」というのを、疑いようがないと考えるんですけども。
それらは確かに、数学や物理現象のようなものではあるんだけども。

国際問題とか社会問題とか経済問題。いわゆる
「社会的な人間関係から編み出されるもの」
にはファクトなんかない。
あるとしたら、その人はまだ生きているか死んでいるか。これくらい。

「その人は本当はどうしたかったのか?」
というようなものは、もうすでに思想である。

そういう思想よりも、今はオピニオンというものがメインなんです。

「オピニオンしか信じられない」というのは、トランプ大統領のとても先進的な
思想なんです。
僕も、わりと同意する所です。
そう思いますよという本を、僕自身が20年以上前に書いてますから。

モーリーさんは、だからこそ大事なのは「ファクトチェック」だと言ってる。
たとえば、トランプ大統領の演説を聞いても
「トランプの意見はそうだな」
とやり過ごすのでなく、トランプ大統領が出した数字とかそういうものに対して
、ひとつひとつ
「本当にそうなのかどうか」
きっちりと検証していく。
それがマスコミの役割だというのが、モーリーさんの考えなんですね。

僕はですね、そのモーリーさんの考えに対して意味は分かる。インテリさんはそ
う考える。

でももう、無駄だと思うんです。
「思想上の問題になってしまった」
というのが、ポストファクト時代なんじゃないかな。

ポストファクト時代だからこそ、ファクトチェックが大事っていうのも、わかる

でもね、通用しなくなってきた。

現在用いられているpost truthという概念は、2010年David Robertsという方が作った言葉のようです。事実かどうかは、二の次にして、大衆に情緒的に訴える手法です。

この岡田さんという方の議論は、大雑把というか、安易に不可知論に陥っているように思います。

このNYTの記事が挙げている、トランプの「妄想」も、事実を検証することが容易にできるはずです。それを、オピニオンだ、思想だといって、検証を拒むことは、誤りではないでしょうか。

情緒に訴えかけ、それを受け取る側も感情的に受け取る、事実・真実かどうかは問わない、この共振現象の行きつく先は、ファッシズムしかないのではないでしょうか。

大体、トランプ自身は、自分の言っていることはtruthだと信じ込んでいるわけで、post truthだなどと言うわけないではないでしょうか。

ワシントンポストの記事に載っていた、ハナ アーレントの言葉を参考のために引用しておきます。このpost truth politicsがpopulismとなって世界を席巻するとき、未来はなくなると考えるべきでしょう。

“Since the liar is free to fashion his ‘facts’ to fit the profit and pleasure, or even the mere expectations, of his audience, the chances are that he will be more persuasive than the truth teller.”

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