テロ準備も「一回」であればお目こぼしに与れる? 

共謀罪法案について、金田法相は、「正当な活動を目的とした団体が、重大な犯罪を1回だけ実行すると意思決定しても直ちに『組織的犯罪集団』にはあたらない」と述べたらしい。

何とかして世論に支持してもらいたくて、何かバーゲンセールを始めた様な感じがする。こんないい加減なことを言うことで、法案が治安維持法と同じ性格であることが隠せると思っているのか。この機会に、どうしてもこの新たな治安維持法を制定したい、というがむしゃらな意図が見え隠れする。

この法案の対象であるというテロの場合、どんな団体であれ、一発必中で準備し、テロリズムに走ることだろう。一回だけは、この法律で規定するテロ行為とは見なさないというのは、あまりにご都合主義だ。「一回だけ」というのは、どうにでもなる。この法律を制定すれば、最初の犯罪準備かどうかは、捜査機関の判断でどうにでもなる。

そもそも、普通の団体が、政府・法務省の言うテロ組織(実際は、反政府の政治運動を行う集団が含まれる)となったと判断し、捜査を開始するのは警察だ。それを法的に決めるのは裁判所である。警察は、自らの捜査に都合の良いように判断するだろう。さらに、裁判所は、国の方針と違う結論を出すことは稀だ。

裁判官は、キャリアーの途中で、本省に派遣されることがあり、そうするとその裁判官の判断がとくに国よりになる、法体系の問題もあり、行政訴訟では国が勝つことが圧倒的に多い。と、JH4WBY氏ご紹介の阿倍康隆著「行政の組織的腐敗と行政訴訟最貧国: 放置国家を克服する司法改革を」に記されている。裁判所は、裁判内容に関わらず国に有利な判断をする、中東の笛を吹くのだ。行政訴訟のみならず、国がかかわる訴訟では、訴訟提起された裁判所に、国の意向を受けた裁判官が急きょ派遣され、その訴訟を扱うことも多い。従って、当該集団が政府の言うテロ組織であるかいなかを判断する裁判所は、国の意向を受けた判断を行うはずだ。反政府の政治運動を行う団体が、テロ組織の指定を受ける可能性がある。裁判所の判断が入るから、この法律が乱用されることはない、というのは詭弁である。

なりふり構わず、この法案を成立させようとしている安倍政権は、この法律をまさに政治的な道具として、自らに反旗を翻す人々を犯罪者に仕立てるために、また国民を、そうした反政府の政治行動から遠ざけるために使おうとしている、としか考えようがない。

テロ対策は、現在の法体系で十分対応できるのだ。「一回だけ」の集団犯罪準備行為は、この法律で取り締まらないというのは、捜査機関の意向でどうにでもなる。組織犯罪かどうかの判断を裁判所がするから乱用はありえないというのは詭弁だ。

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