共謀罪捜査は手段を択ばず 

昨年12月、通信傍受法が改定され、捜査当局は、通信業者の立ち合いがなく、捜査施設で通信傍受が行えるようになった。裁判所の令状は必要とされるが、その捜査対象の範囲は拡大され、捜査機関は容易に通信傍受が行えるようになった。

共謀罪の疑いで捜査をするとなると、通信傍受は必須になる。電話だけでなく、ネットのメール・SNSが広範に傍受されることになる。テロの定義は曖昧であり、それが拡大される可能性は極めて高い。事実上、社会の治安を乱すという言いがかりで、様々な反政権政治運動が共謀罪に問われる可能性が高い。また、共謀罪が、そうした政治運動を萎縮させる。

テロ等準備対策法が、たとえ政権・法務当局の「善意」で制定されるとしても、将来、その対象が拡大解釈される可能性は高い。こうした公安関係の法規は、それがもたらす社会への利益と、拡大解釈・乱用による不利益とを比較する必要がある。基本的人権にかかわる、共謀罪等では特にそうだ。安倍政権は、解釈改憲を堂々と行い、立憲主義を踏みにじっている。その目指すところは、戦前の皇国史観によるナショナリズムだ。国民をその思想・信条まで監視し、訴追するための共謀罪対応法=治安維持法という道具を、彼らに与えることは極めて危険だ。

オリンピック開催のため、という理由づけで、国民は納得させられるのか。特定秘密保護法、安保法制、通信傍受法改正そしてこの共謀罪法案という流れは、最終的に、国民の基本的人権に制限を加え、一方政権に絶大な権力を付与する、憲法改正に至る。それを国民は知るべきなのだ。

以下、東京新聞から引用~~~

LINEでも共謀成立の恐れ 法相「合意の手段を限定せず」

2017年2月24日 朝刊

 政府が「共謀罪」と同じ趣旨で創設を目指す「テロ等準備罪」について、金田勝年法相は二十三日、衆院予算委員会の分科会で、犯罪を合意(共謀)する手段を限定しない考えを明らかにした。会議などでメンバーが対面して行う合意だけでなく、電話やメール、LINE(ライン)で合意が成立する可能性を認めた。広い範囲で会話や通信が捜査対象となる恐れがある。 (山田祐一郎)

 民進党の山尾志桜里氏の「共謀は電話やメールなどでも認定され得るのか」という質問に、金田法相は「特段、限定をしない前提で検討している」と答弁。複数の人に同時送信するメーリングリストや、LINEのグループメールでの合意が成立するかどうかについては「そのような事例は証拠を慎重に検討していく」としながらも、手段の限定は検討していないとした。山尾氏は「誰がどのタイミングでどんな内容を送っているのか。それを閲覧し、どう返信しているかを幅広く監視しなければならなくなる」と指摘した。

 日本刑法学会理事の葛野尋之(くずのひろゆき)一橋大教授(刑事法)は「最高裁の判例は、黙示的な意思の連絡があっただけでも共謀を認めている。申し出を受け、積極的に異議を述べなかったことから合意が成立したとされる可能性もある」と説明。「共謀と準備行為はもともと曖昧だが、疑いがあるだけで捜査の対象になる。今後、捜査で通信傍受や位置情報の探知がなされると、その範囲が拡散する恐れがある」と問題点を指摘する。

 また、合意の定義を巡っては、二〇〇五年十月の衆院法務委員会で、法務省の大林宏刑事局長(当時)が「目くばせによって一斉に動くようなシステム化されたものであれば、十分成立する場合はある」との見解を示している。金田氏はこの日、合意の定義について「目くばせだけでは合意は成立しない」と述べたが、過去の共謀罪法案審議で政府が示した定義は「変わっていない」とも答弁。今回の法案でも一定の条件の下では「目くばせ」で合意が成立する場合があることを事実上認めた。山尾氏は「都合の良いところだけを発信するのは誤解を生み、不誠実だ」と批判した。

◆日弁連 反対の意見書

 日弁連は二十三日、「共謀罪」と同じ趣旨で政府が創設を目指す「テロ等準備罪」について、テロ対策のために広範な共謀罪の新設が必要なわけではないとして、法案の国会提出に反対する意見書を法務省と外務省に提出した。共謀罪法案に反対する意見書は二〇〇六年、一二年に続いて三度目。昨年八月に政府の新たな共謀罪法案の検討が判明してからは初めて。 

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