『国家戦略特区』による、公的資金・利権の簒奪 

安倍政権が制定した「国家戦略特区(以下、特区と略す)」は、本来、国家成長戦略の一環であった。小泉政権の構造改革特区、菅政権の国家戦略総合特区の一連の流れの中に位置づけられる。特定地域に限って規制緩和を押し進め、それによって経済成長を促す、というわけだ。具体的には、六つの地域が選ばれた。東京都、関西圏、新潟市、養父市(兵庫県)、福岡市それに沖縄県だ。

この特区の問題点は、一つには、最優先で参入できるのが外資系企業である、ということだ。国内企業は劣勢に立つことになる。規制緩和をグローバル企業に対して優先的に行う、新自由主義的経済政策なのだ。

第二に、地域間格差をさらに押し広げる。東京都と関西圏と他の地域との格差をさらに広げることが良いことなのか。

第三に、教育、農業、医療等社会的共通資本を規制緩和の対象とすることにより、公共サービスの劣化を生じさせる。

第四に、これが最も安倍政権「特区」の重大な問題点なのだが、規制緩和の痛みに国民を慣らすための政策だ。医療分野では、特区から規制緩和が進み、混合診療が広がってきている。一つ前のポストに挙げた、米国でのべら棒な医療費が日本の現実になる日も遠くない。

で、ここにきて、森友学園疑惑、加計学園疑惑も、安倍政権がこの特区を「悪用」することによって生じたことが明らかになった。愛媛県今治市を特区に指定し、それまで厳しく制限されてきた獣医学部を、理事長が安倍首相と昵懇な加計学園に新設させようとする。そこで、加計学園側に動く資金は260億円と言われている。この特区指定、獣医学部新設は、公募のような形をとりつつ、出来レースで行われた。いわば、特区を隠れ蓑にして、特定集団による公的資金・利権の簒奪が堂々と行われている。

新自由主義は、経済活動で自由競争を主張するが、元来、グローバル企業を優先する考え方だ。それ自体、大きな問題をはらむ。ところが、安倍政権の特区では、安倍首相に近い集団・組織に便宜と利権を与える手段になっている。建前上、経済活動における平等を重んじる共産主義国で、私的利益の追求が盛んにおこなわれている隣国を笑えぬではないか。

森友学園疑惑だけでなく、加計学園の疑惑も徹底して明らかにすべきである。森友学園理事長の尻尾切りだけで収束させるのは絶対認められない。

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