銃剣道と教育勅語 

文科省は、新学習指導要領で、中学校の武道の選択に、「銃剣道」を加えた。銃剣というと、銃の先に短剣を装着して、白兵戦の戦闘行為で殺し合う武器を思い描く。が、確かに、スポーツとしての銃剣道なるものがあるらしい。日本銃剣道連盟という団体もある。だが、その会長は、元自衛隊北部方面隊総監の酒井健氏である。銃剣の訓練は、自衛隊のなかで必須項目として行われているらしい(米軍では、海兵隊以外銃剣の訓練をすでに中止している)。東京都銃剣道連盟会長は、かの小池都知事だ。小池女史は、いまでこそ都民ファーストとして、やわらかな印象を与えているが、以前からかなり極右的な言動の多い政治家だ。銃剣道を、柔道や剣道と並列することは、違和感がある。銃剣は、基本的に殺傷することを直接の目的とする武器であり、剣道のような長い歴史があり現在殺傷とは無縁のスポーツとは、異なる。だからこそ、自衛隊の必須の訓練項目になっているのだ。直接的な殺傷を目的とする訓練である。

教育の場で、教育勅語を用いることは否定されぬ、と政府は見解を述べた。「教育勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切である」としたうえで、「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との答弁書を閣議決定した。民進党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた、ということらしい。

教育勅語が、天皇を国民に崇めさせ、天皇制を維持するために命を投げ出して戦えという、国民を教化するための文章であることはすでに述べた。教育勅語によって、わが国は第二次世界大戦の破局へと突き進んだわけだ。戦後、国会で教育勅語の廃止が決議されたのは、そうした歴史的経過への反省からだった。だが、教育勅語を、教育現場に導入することに異を唱えぬばかりか、森友学園のように、教育勅語を単刀直入に教育現場に導入しようとする教育を、安倍首相は誉めそやしていた。政府・行政は、教育勅語を教育に導入することには抵抗はなく、むしろ積極的のように見える。

銃剣道の武道としての選択、教育勅語の教育現場への導入、これらから、現政権がわが国をどのような方向に導こうとしているのか、明白な形で見えてくるのではないだろうか。これからお子さんを育てる世代の方々は、この現実を十二分に考えた方が良い。

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