国家主義者の安倍首相が、新自由主義的政策で行っていること 

規制緩和を一地域にだけ行い、それで経済浮遊効果を狙う経済特区は、小泉政権時代から名前を変えて実施されてきた。

安倍政権では、国家戦略特区という呼称になっている。経済特区は、基本的に規制緩和によって経済発展を期するという点から、新自由主義的な政策である。安倍首相は、国家戦略特区を設けているが、思想的にはナショナリストではなかったのか。新自由主義とナショナリズムは、思想的には背反すると思われるのだが・・・。

だが、その背反は、安倍首相にとってはどうでも良いことだったのかもしれない。

今治市に加計学園が獣医学部を設置するという話は、こんな経過だ。

2015年6月、今治市は、安倍首相が議長を務める国家戦略特区会議に、「国際水準の獣医学教育特区」を提案した。それまで、2007から14年まで、今治市は、同じ提案を複数回経済特区会議宛に行ってきたが、ことごとくはねられていた。これまでの政権と、獣医師会の見解では、獣医師数は足りており、また課題として挙げられた新型感染症等は獣医学部以外でも研究ができるというもっともな棄却の理由であった。ところが・・・

2015年11月、国家戦略会議は、今治市の提案を受け入れる。この際、京都産業大学と京都府が合同で、同様の獣医学部設置を提案していたが、こちらは却下。国会の論戦からすると、京都側の提案書の方が充実していたらしい。国家戦略会議は、今治市の提案を受け入れる理由として、「獣医師の偏在解消」を挙げた・・・これは、某医学部の新設理由とそっくりである。医学部新設の際に強く批判されたことが、ここでも当てはまる。獣医師の少ない地域に獣医学部を作っても、同学部を卒業して、そこに卒業生が留まるという保証は何もない・・・したがって、この理由は無意味である。

2016年1月、文科省は、今治市での獣医学部新設の公募を行った。だが、期間はたった1週間だった・・・出来レースの臭いが漂う。加計学園だけが、これに応募し、それが採用された。37億円相当の今治市の土地が、加計学園側に無償譲渡され、64億円の財政支援を今治市が行うことになった。今年3月には着工している。施工業者は、逢沢一郎・元外務副大臣(衆院・岡山1区)の従兄が経営するアイサワ工業(本社・岡山市)。

しばしば報道されている通り、加計学園理事長と安倍首相は、非常に親しい間柄である。また、加計学園理事長は日本会議に入っており、歴史修正主義による教科書を出版する育鵬社をサポートしている。

加計学園は、千葉県銚子市に千葉科学大学を創設し、やはり9.8haの土地の無償供与と、92億円の財政支援を銚子市から受けている。銚子市は、そのために財政が悪化した。吉備国際大学等という加計学園系列の大学でも同様の疑惑がある。

これらすべて、安倍首相が、表面上新自由主義的な政策の経済特区を利用して、身近な知り合いに利益供与をしている、という疑惑である。公的資産を経済特区の名のもとに、特定の民間組織、民間人に譲り、利益を得させる、その特定民間組織・民間人とは、極右的な国家主義によって結ばれている、という構図だ。

安倍首相は、小選挙区制度により、歪な議席数を獲得し、政治のなかでは表面上一強の状態にある。絶対得票率は2割前後しかないのだ。だが、獲得議席数により、安倍首相に異を唱える与党議員は皆無だ。また、新設した内閣人事局を通して、安倍首相は行政にも絶大な権力を行使している。そうした権力基盤に立ち、上記の疑惑の構図が成立する。これをそのままにしておいて良いのだろうか。

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