米国と北朝鮮の間の危機 

米国政権は、クリントン、ブッシュ政権下で三度北朝鮮への武力行使を考えたことがあった。1994年のクリントン政権下でのシミュレーションは、辺真一氏のブログから引用すると・・・

全面戦争という最悪のシナリオに備えクリントン大統領は1994年5月19日、シュリガシュビリ統合参謀本部議長らから戦争シミュレーションのブリーフィングを受けた。シミュレーションの結果は「戦争が勃発すれば、開戦90日間で▲5万2千人の米軍が被害を受ける▲韓国軍は49万人の死者を出す▲戦争費用は610億ドルを超える。最終的に戦費は1千億ドルを越す」という衝撃的なものだった。

いずれも、あまりに大きな代償となるために見送られた。現在は、この被害予測はさらに拡大することだろう。

現在、北朝鮮は核弾頭とICBMの開発を終えつつあり、米国にとって北朝鮮の脅威はさらに大きくなった。そして、支持率の伸び悩むトランプは、一か八かの賭けに出る可能性がある。

上記の損害予測に加えて、わが国の米軍基地と原発が攻撃対象になる。韓国の経済・国家体制はほぼ崩壊することだろう。わが国も、大都市・原発地域に壊滅的な損害の出る恐れがある。北朝鮮のミサイル施設を一瞬にしてすべて破壊することはできない。また、ミサイル防衛網も日本全土をカバーしていないし、一斉に攻撃を受ける飽和攻撃への迎撃に対しては機能しない。

日本政府が、米国政府に対して、北朝鮮攻撃の際には事前協議をするように申し入れたらしいが、直前の事前通告しかないのではないだろうか。これほど深刻な全面戦争に至るはずの攻撃に際して、米国は、同盟国の日本だろうが、手の内を明かすことはしないだろう。トランプ大統領という、予測不可能な政治家が相手であることも、この危機がいつ現実のものとなるかを予測するのを難しくしている。この軍事的な危機に際して、わが国にできることは今のところ何もない。近い将来、核武装したところで、それがこうした戦争を抑止することにはならない。

安倍首相は、国民の安全を保障すると言っているが、それには何の根拠もない。日米安保条約は、結局、米国の安全保障にとって必要とあれば、同盟国日本をも切り捨てる軍事条約であったことが明らかになった。米国の軍事基地をこれほどわが国に抱えることが、むしろリスクファクターである、ということだ。自衛隊の規模はすでに世界有数だ。専守防衛であれば、機能する規模だ。米国の核・軍事力の傘がむしろリスクをもたらすことをこれを機会に学ぶ必要があるのではないだろうか。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/4680-737352b1