積極的戦争加担 

北朝鮮が、金正恩の独裁国家であり、非人道的な為政を行っていることは間違いない。淘汰されるべき政治体制だ。

そのことは重々認めたうえで、現在進行中のロシアンルーレットのような武力衝突の危機は、どうして生じたのかをよく考える必要がある。

前のポストにも記したが、前世紀から米韓軍事演習を通して、北朝鮮の現体制の転覆を米国が企てていることにより、現体制の存続を求めて米国と直接交渉することを望み、北朝鮮は軍備拡張を続け、最終的に核軍備まで推し進めた。その上、北朝鮮でICBMの開発が進んでいることを知った米国のトランプ大統領が、核爆発実験を許さない、もし行えば北朝鮮の核施設を攻撃する、と北朝鮮に意思表明を行った。それに対して、北朝鮮は、反撃すると言っているわけだ。

要するに、自国を核攻撃されるかもしれないと言う状況を打開しようと、米国が軍事行動に出ている、ということだ。わが国には、これ以前から、北朝鮮の軍事的脅威は確かに存在した。それが、今の状況で特に悪化したということはない。同じ脅威が存在し続けているだけだ。

北朝鮮の報復攻撃は、米国本土以外に、米軍基地を主なターゲットにすることだろう。わが国の米軍基地、とくに沖縄の基地は確実に狙われる。ミサイル防衛網は、北朝鮮の数百発以上と言われる中距離弾道ミサイルが同時、または短時間のうちに発射された場合、使い物にならない。以前から述べている通り、巡航ミサイルによって日本海沿いの原発も確実に攻撃される。二、三基の原発が攻撃され破壊されたら、原爆と同等の影響を及ぼす。

端的に言って、日米安保条約による米軍基地の存在が、リスクを増している。核戦争になれば、米軍基地は核弾頭で攻撃される可能性が高い。この狭いわが国の国土が、二、三発の核爆弾を被弾したら、わが国は立ち行かなくなる。限局的な核戦争はありえない。現在可能性は極めて低いが、北朝鮮以外の仮想敵国の大国とわが国・米国が全面戦争になったら、それは米国の核の傘があろうがなかろうが、わが国は終わりだ。

現在の北朝鮮・米国間のロシアンルーレットは、恐らく両者ともにまともに賭けにでる積りはないのだろう。だが、軍事的に全面的に対峙しあう状況では、何らかの偶発的な衝突が核戦争に結びつく可能性がある。もちろん、その際は、北朝鮮は破滅だ。だが、わが国も再起不能な状況になる可能性が高い。

安倍首相は、やる気満々で、北朝鮮の近海に配置された米国の空母に、海上自衛隊の艦船を合同させる積りだ。訓練という名目だが、北朝鮮には明白な挑発と受け取られることだろう。安倍首相は、サリン攻撃を北朝鮮が行うとして、国民に注意を喚起した。その根拠は一体何なのか。安倍首相は、そんな警戒を国民に要求しつつ、昨日は多人数の芸能人たちとお花見である。なぜ軍事的緊張を高めることを行うのか、安倍首相の好戦的な性格を反映したきわめて危険な判断だ。花見をしているところからみると、安倍首相自身もタカをくくっているのかもしれない。が、偶発的な衝突のリスクは高まっている。

内閣官房は、有事の際の国民の心得をそのウェブサイトで公開した。こちら。常識的なことの羅列である。核爆発の閃光を見るなと書いてあることに苦笑した。見ようと思ってみるものではない。目に飛び込んでくるものだ。また、原発攻撃への対処が何も記されていないのも片手落ちだ。

戦後72年経って、こうした戦時体制のマニュアルを政府が公開する状況になったこと自体に不安を感じずにはおれない。安倍首相の言う積極的平和主義とは、積極的戦争主義なのではあるまいか。
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