実質的負担率の低さは、北欧諸国並み 

bloomberg.comの記事、米国の租税負担が低いことを示しており、さらに低い租税負担を求めるならば、チリや、ニュージーランドに移住すべきだ、と皮肉っている。こちら。

この記事に出てくる租税負担率の国際比較は、子供のいない独身者についての比較だ。わが国は、24位と先進国中ではかなり低いほうだ。

実質的な負担率の国際比較はどうだろうか。以前、当ブログでも紹介した、井出英策氏の「日本財政 転換の指針」に、実質的な負担率の国際比較が出てくる。実質的負担率とは、負担率(租税・社会保険料・フローの財政赤字の対GDP比)から、受益率(教育費・医療費・社会的保護の対GDP比率)を相殺したものだ。これの方が、より総括的な国民の負担率を表現している。それによると、日本の実質的負担率は、北欧諸国のそれと同程度なのだ。わが国は、少ない負担率から少ない受益率が相殺し合い、一方、北欧諸国は、負担率・受益率がともに大きく、実質的負担率という結果だけは同程度になっている、ということだ。

わが国は、1981年の行われた法人税増税以降、2012年の消費税増税まで、基幹税の純増税は行われてこなかった。それが、低負担、低受益をもたらした。それによって、租税負担感が強まり、政治行政への不信が渦巻く社会になった。政治行政への不信・不満は、増税を行い難くさせてきた。その結果が、現状の財政と、社会福祉予算の削減になっている、という論旨を、井出教授は展開している。

現在の財政状況、それに社会福祉の貧しさから脱却し、互いが支え合う社会を実現するためには、増税は避けては通れない道なのだろう。

井出教授は、民進党の理論的リーダーの一人になった様子。彼の今後の活躍に期待するところ大である。

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