安倍政権による目くらましの連発 

高等教育無償化を「餌」に憲法改正を進めようという安倍政権、それと同じ構図が共謀罪法案だ。民主党政権時代、高校教育無償化を選挙目当てのバラマキだと激しく攻撃していたのが、他でもない安倍晋三だった。東京オリンピックにテロを起こさぬためというが、共謀罪法案ではテロの防止効果はない。そもそもテロ対策のための法案ではなく、国民の思想信条までも監視対象にしようという法案だからだ。オリンピックのため、テロ対策のためという虚偽の目的にコロッと騙されてはいけない。

安倍政権、それにしても矢継ぎ早に目くらましを出している。「アベノミクス」なる政策の結果がどうなのか、森友学園問題で顕わになった安倍首相の政治・行政の私物化はどうなのか、そちらをしっかり議論しなければいけないのだが、南スーダンからの自衛隊撤退・北朝鮮危機・憲法改正と次々に目くらましを打ち出している。余りに落ち着きがない。さて、次は何なのか。

これで目くらませられているようでは、残念ながら、安倍政権による国民主権・基本的人権という価値の国民からの剥奪は容易に進むことだろう。

以下、朝日デジタルから引用~~~

野党3党、テロ対策で「別案」提出 「共謀罪」を批判
中崎太郎2017年5月11日21時02分

 民進、自由、社民の野党3党は11日、テロと組織犯罪対策を目的とした法案を衆院に共同提出した。国会で審議中の「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案では対策にならないとし、テロ対策の「別案」と位置づけている。

特集:「共謀罪」
 航空保安法案(民進、自由、社民提出)と組織的犯罪処罰法改正案(民進、自由提出)の2法案。航空保安法案は、民間会社に依存しているとされる空港での水際対策について、国による関与を強めることを柱にした内容。組織的犯罪処罰法改正案は、現行の予備罪に組織的な人身売買と詐欺を加える。

 法案提出後、民進の枝野幸男・「共謀罪」対策本部長は記者会見で「一番重大で緊急性の高いテロ対策を放りだして、『共謀罪』法案をごり押しするというのは、明らかに順序が逆だ」と述べた。(中崎太郎)

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オウムのテロ、「共謀罪」では防げなかった 江川紹子氏
朝日新聞デジタル 5/12(金) 21:00配信

オウムのテロ、「共謀罪」では防げなかった 江川紹子氏
共謀罪の問題点について語る江川紹子さん=山本亮介撮影
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。

【写真】共謀罪の問題点について語る江川紹子さん=山本亮介撮影

 猛毒のサリンを使った凶悪事件などを次々に起こし、社会に混乱を招いたオウム真理教を長く取材してきたジャーナリストの江川紹子さん(58)は、この法律についてどう考えているのか。


 《オウム真理教の暴走は共謀罪では防げなかった。》

 共謀罪の適用対象とされる「組織的犯罪集団」について、安倍首相は地下鉄サリン事件(1995年)を起こしたオウム真理教を例に、「当初は宗教法人として認められた団体だったが、犯罪集団に一変した」と説明した。

 最近、「共謀罪があれば、地下鉄サリン事件は防げた」という声を耳にするが、それは間違いだ。教団の関与が疑われる事件は数年前から各地で起きていた。既遂事件がいくつもあったのに、それらを真摯(しんし)に捜査しなかった警察の姿勢こそが問題だった。

 89年の坂本堤弁護士一家殺害事件も、当時の警察幹部は「失踪」との見立てにこだわった。家族が警察に届けた時点では実行犯は車で移動中だった。ここで着手できていたらと思うと、今も無念でならない。

 94年の松本サリン事件の後、教団幹部らに私の自宅室内に毒ガスを噴出され、命を狙われた。当時、宮崎県の旅館経営者の拉致事件に教団が関与したとの記事を週刊誌に書いていた。直後にガスが吹き込まれた現場を保存したのに、警察は鑑識活動をしてくれなかった。今も一連の捜査の失敗が教訓として生かされているのかも疑問だ。

 たしかにテロ対策は必要だ。ただ、共謀罪がなぜテロを未然に封じるのに有効か、政府の説明が不十分だ。政府が確信しているなら、こんな場合に、こう役立つと説明すべきなのに、聞こえてくるのは、「一般人に影響はない」という話ばかり。

 法務委員会で民進党議員が「オウム真理教の信者の多くは、教団がサリンで人を殺傷しようとしていたことは知らなかった」と質問すると、法務省は「目的を共有していなければ、組織的犯罪集団の構成員ではない」と説明していた。

 となると、信者の多くは対象から外れてしまう。「オウム真理教=組織的犯罪集団」ではない、という説明には驚いた。信者が組織的犯罪集団の目的を共有しているかどうか、どうやって見分けるのか。

 問題点は他にもある。目的を共有していたかどうかは内心の問題。どう見極めるのか。身柄を拘束し、無理な取り調べで自白を強いるしかないのではないか。現時点で取り調べの可視化が義務づけられていないのもおかしい。

 テロ対策というなら、司法取引の方がまだ効果的ではないか。坂本弁護士事件では、実行犯の1人が組織を離脱し、警察に遺体の場所を記した地図を送り付けてきた。刑罰が確実に減免されれば、彼は自供し、その後の事件は防げたように思う。

 ただ、司法取引には、実際には犯罪に関係のない第三者の関与を容疑者が供述し、無実の人が起訴されるという「引き込み型」の冤罪を生む危険性がある。導入するなら事件を組織的なテロに限定し、慎重な運用が必要なのは言うまでもない。

 街のあちこちに監視カメラが取り付けられ、メールやSNSで個人情報を頻繁にやりとりする時代。監視そのものに抵抗がない人が増えたのかもしれない。政府や、グーグルなどの情報のプラットフォームからの情報収集には慣れてしまっている。

 「テロ対策」や「安全安心」は一種の「思考停止ワード」。それに「五輪」が加わって、「ちょっとくらい問題があっても、仕方ないんじゃない」と、みんながあきらめてしまっている雰囲気を感じる。政府はそんなワードをてんこ盛りにして、国民に考えることをやめさせようとしている。本当にそれでいいのだろうか。(聞き手・山本亮介)


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 えがわ・しょうこ 神奈川新聞記者を経てフリー。坂本堤弁護士一家事件を機にオウム真理教問題に取り組む。「検察の在り方検討会議」委員も務めた。

朝日新聞社

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