木で鼻をくくった答弁 

プライバシー権や表現の自由の不当に制約する恣意的運用がなされる可能性を、国連報告者はわが国政府に具体的に尋ねている。こちら。国連報告者は、国連人権理事会から指名された人物である。プライバシー権について国連人権理事会の代理としてわが国政府に質問している。

菅官房長官のその質問状に対する答えはこうだ。「プライバシーの権利や表現の自由などを不当に制約する恣意的運用がなされるということはまったく当たらない」。これは、返答になっていない。その上、政府・外務省に直接説明する機会がない、と主張するなら、国連報告者の質問にまともに答えるべきではないか。国連報告者は具体的に問題点を指摘している。


これまで、さんざん専門家から指摘されている通り、TOC条約はマフィアのような組織犯罪を取り締まるためのもので、テロ対策ではない。また、現在の国内法でも十分TOC条約に加盟できる。テロ対策、そしてTOC条約加盟のための共謀罪法案という論理はすでに崩れている。その破たんした論理で国民を愚弄し、さらには、国連の人権理事会が選出した専門家をも煙にまけると思っているのだろうか。思い上がりも甚だしい。

「まったく当たらない」という木で鼻をくくったような答弁は、国連報告者の質問への返答としてはあまりにお粗末。まったく当たらない、という主張の具体的な根拠を菅官房長官は尋ねられているのだ。これだけでは、官房長官自身の知性の乏しさと居丈高な姿勢しか読み取れない。意味がない上に、いわゆる「上から目線」だ。菅官房長官は、国内の記者会見でいつもやっているお粗末な答弁姿勢が、国際的に通用すると思っているのだろうか。国辱ものだ。

以下、引用~~~

Business | 2017年 05月 22日 12:48 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

「共謀罪」法案への国連報告者書簡は不適切、強く抗議=菅官房長官

 5月22日、菅義偉官房長官は午前の会見で、人権状況などを調査・監視する国連特別報告者が「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案はプライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの書簡を安倍晋三首相に送ったことについて、「不適切なものであり、強く抗議を行っている」と述べた。

[東京 22日 ロイター] - 菅義偉官房長官は22日午前の会見で、人権状況などを調査・監視する国連特別報告者が「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案はプライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの書簡を安倍晋三首相に送ったことについて、「不適切なものであり、強く抗議を行っている」と述べた。

菅官房長官は「特別報告者という立場は独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない」と強調。「プライバシーの権利や表現の自由などを不当に制約する恣意的運用がなされるということはまったく当たらない」との見方を示した。

報道によると、国連特別報告者で「プライバシー権」を担当するジョセフ・カナタチ氏は18日付の書簡で同法案について「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と指摘。「法案の成立を急いでいるため、十分に公の議論がされておらず、人権に有害な影響を及ぼす危険性がある」としている。

菅官房長官はこの書簡に対し「政府や外務省が直接説明する機会はない。公開書簡で一方的に発出した。法案は187の国と地域が締結する条約の締結に必要な国内法整備だ」と反論した。

(石田仁志)

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