何たる知的誠実さの微塵も見られぬ返答 

共謀罪法案の立法事実自体を問題にされているのに、すぐに答えられぬ政権。

そもそも、国連人権理事会特別報告者に問題にされるような法案を、きちんとした国会審議もせずに強引に成立させようとすることが問題なのだ。

「プライバシー権の不当な制約という指摘は、まったく当たらない」という菅官房長官の返答は恥ずかしい。事実の提示や、論理で回答しようとする対応ではない。一種のぶち切れ状態での罵倒だ。ケナタッチ氏から「中身のない、ただの怒り」「多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と言われるのも当然だ。このような重要な内容は、事前に十分検討され、法案に事前に記載されてしかるべきことだった。立法事実自体が存在しないことを率直に認めるべきなのだ。

安倍首相が国会審議中に都合の悪い質問にはよく逆切れを起こす。首相のみならず、政権中枢全体が、知的誠実さを欠き硬直化した高圧的な対応を常習的に行っている。国連特別報告者相手に、そうした対応が通じると思い込んでいる。あきれたものだ。

この高圧的な対応を、国民にもとるようになるはずだ。

以下、引用~~~

「共謀罪」プライバシー置き去り 国連特別報告者「深刻な欠陥ある法案」

2017年5月24日 東京新聞朝刊

 プライバシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が公開書簡で、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を示したことを巡り、日本政府が火消しに懸命になっている。法案の問題点の核心を突かれ、国会審議に影響が出かねないからだ。ただ、懸念を払拭(ふっしょく)するために丁寧に説明するというよりも、「国連の立場を反映するものではない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)といった切り捨て型の反論が目立つ。 (生島章弘、宮尾幹成)

 ケナタッチ氏は二十三日、書簡に対する日本政府の抗議を受け「拙速に深刻な欠陥のある法案を押し通すことを正当化することは絶対にできない」とする反論文を公表した。二十二日には政府の抗議について「中身のない、ただの怒り」「多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と本紙の取材に回答した。

 これに対し、政府も譲る気配はない。野上浩太郎官房副長官は二十三日の記者会見で、ケナタッチ氏の反論について「速やかに説明する用意があると伝達しているにもかかわらず、一方的に報道機関を通じて『懸念に答えていない』と発表したことは極めて不適切だ」と不快感を示した。

 野上氏は、書簡に明記された法案の問題点に関しては「プライバシーの権利や表現の自由を不当に制約するなどの指摘は全く当たらない」と重ねて強調。質問には「追って正式に書簡で回答する」と語った。

 ケナタッチ氏は安倍晋三首相に宛てた十八日付の公開書簡で、法案に盛り込まれた「計画」や「準備行為」の定義が抽象的なため、恣意(しい)的に適用される恐れがあることや、テロと無関係の罪が対象に含まれていると指摘。プライバシー権侵害を防ぐための措置を回答するよう求めていた。

 日本政府はすぐさま国連人権高等弁務官事務所を通じ、ケナタッチ氏に抗議。菅氏は二十二日の記者会見で「書簡の内容は明らかに不適切」と批判していた。

 特別報告者は国連人権理事会から任命され、国別、テーマ別に人権侵害の状況を調査し、人権理事会や国連総会への報告書を作成する。報告に法的拘束力はない。国では北朝鮮やシリア、イランなど、テーマでは表現の自由や女性差別、貧困などが調査の対象だ。

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