『岩盤規制撤廃』は誰のためか? 

獣医医療も含めて医療制度は、国家のインフラであり、需給の推移予測などを踏まえて、慎重に制度設計すべきである。

獣医師は、社会的コンセンサスとして、充足しており、獣医学部新設のためには、他の獣医学部では実現できない研究を担う等四つの条件が閣議決定されていた。

同条件を決めた石破氏から安倍首相の側近の山本氏に地方創生相が変わった途端に、その条件を満たさぬ加計学園の獣医学部新設が、内閣府の強烈な働きかけで推進されることになる。文科省は、前川元事務次官を始めとして、この動きに抵抗をしていた。だが、安倍首相の意向を掲げる内閣府の働きかけに、文科省はなすすべがなかった。加計学園獣医学部は、定員160名で、それまでの毎年の全獣医師養成数の2割近い多数である。獣医師養成の需給を崩す。また、もう一校獣医学部新設を望んでいた京都産業大とは違って、鳥インフルエンザ等の人動物間感染症を研究した実績は全くない。

新しい獣医学部の新設を、安倍首相は岩盤規制の打破であると言っているが、それは問題を抽象化し、加計学園による獣医学部新設の問題から世間の目を逸らさせようとするものだ。大体において、岩盤規制の撤廃、打破と称して、小泉政権下で労働者派遣業の規制緩和等が行われ、竹中平蔵氏を始めとする一部の政治家・民間人、民間企業にのみ利益をもたらし、多くの労働者にはこれまでにない劣悪な労働条件が強いられることになった。誰のための岩盤規制撤廃なのか、ということが問題だ。岩盤規制撤廃と称して、特定の人間への利益誘導が、これまで数多く行われてきた。加計学園の獣医学部新設は、獣医学に従事する人々のため、獣医医療の助けを受ける人々のためではない。加計学園と、それを政治的に支持する安倍首相のためなのではないか。

この記事にある前川氏の証言を、政府は信ぴょう性がないと一蹴する。だが、文科省前事務次官の証言は重い。また、前川氏のこの証言に出てくる木曽氏は、加計学園の人間として前川氏に進言したと言う。が、彼は同時に内閣府参与であり、国家特区諮問会議の決定に従えというのは、いずれにせよ木曽氏の置かれた立場を超えた発言だ。内閣府の関係官僚とともに、前川氏を国会へ招聘し、証言させるべきだ。それをしようとしない政権には、彼らの証言を何としても避けたい理由があるに違いない。

以下、引用~~~

加計問題 内閣参与も特区推進を前川氏に要請

2017年05月31日 16時00分 文春オンライン

加計問題 内閣参与も特区推進を前川氏に要請
©共同通信社

 加計学園の獣医学部新設問題で、内閣官房参与(当時)の木曽功氏が、前川喜平文部科学省事務次官(当時)に対し、国家戦略特区制度で、獣医学部新設を進めるよう働きかけていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

 前川氏によれば、昨年8月下旬、木曽氏は次官室を訪ね、次のように要請したという。

「国家戦略特区制度で、今治に獣医学部を新設する話、早く進めてほしい。文科省は(国家戦略特区)諮問会議が決定したことに従えばいいから

 当時は、内閣改造で特区を担当する地方創生相が石破茂氏から山本幸三氏に代わった直後で、止まっていた獣医学部新設が大きく動き始めていた時期だった。

 木曽氏は、元文科省の官僚で、前川氏の3期先輩にあたり、14年4月から内閣官房参与に任命されていた。一方、16年4月からは加計学園理事兼千葉科学大学学長にも就任しており、加計学園の利害関係者でもあった。

 木曽氏は「前川さんと会い、様々な話をしたのは事実です。獣医学部の件も話したと思いますが、加計学園理事としてで、内閣官房参与として会ったわけではありません」と回答した。

 この問題では、前川氏は木曽氏の要請の翌月上旬に、和泉洋人首相補佐官から「総理が自分の口から言えないから、私が言うんだ」と特区推進を要求されたと証言している。

 官邸関係者による文科省への新たな要請が明らかになったことで、首相官邸からの圧力の有無が、さらに論議を呼びそうだ。

「週刊文春」6月1日発売号では、首相官邸からの圧力や“出会い系バー”に関する重要証言を掲載している。

(「週刊文春」編集部)

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