政権のマスメディア戦略に乗せられる、または乗る国民 

秋篠宮長女の婚約(実際には婚約まで至っていない)報道を、前川前文科省事務次官の証言報道と同時にぶつける。さらには、その直前に、前川氏の風俗がらみの記事を読売新聞に載せさせる。両方ともに、内閣官房の企図したことであることは、直接、間接の証拠で明らかになっている。こうした陰謀が果たして許されるのだろうか。

国民に正常な判断力があれば、これほどあからさまなマスメディアを用いた陰謀がなされたら、政権支持率は急落するはずだ。だが、そうはおそらくならない。国民の民度の問題というべきか、それとも政権のマスメディア戦略が効を奏したというべきか、私には分からない。こうした政権の裏側のやり方は、そう遠くない将来、国民に向けて容赦なく実行されることだろう。国民は痛みを被らなければ、それに気づかないのかもしれない。

内田樹氏の言う、国民に痛みを強要する政権、それを国民が理解するにはまだ時間がかかるのだろう。

池上彰氏の読みはさすがである。

以下、引用~~~

 5月26日付朝日新聞デジタル (池上彰の新聞ななめ読み)加計学園「総理の意向」文書 それでも認めないトップ

 5月16日の夜7時、NHKニュースが「秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまが、大学時代の同級生の男性と婚約される見通し」という特ダネを報じました。これを受けて新聞各紙は翌17日の朝刊で追いかけます。各紙1面トップで報じる中、異彩を放ったのが朝日です。「眞子さま婚約へ」という記事は2番手で、1面トップに加計(かけ)学園の新学部は「総理の意向」という別の特ダネをもってきたからです。
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 この紙面構成にするに当たっては、社内で議論があったのではないかと勝手に推測しています。加計学園をめぐる特ダネ記事を1面トップにするか、眞子さまの婚約見通しをトップにするか。

 朝日は独自路線を選択しました。いい判断でした。

 加計学園の新学部に関し、安倍晋三首相の意向が働いたかどうか。これが最大の焦点でした。それを示す内部文書が文部科学省の中にあったというのですから、スクープです。

 〈安倍晋三首相の知人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、文科省が、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった〉

 そうか、ついに決定的な証拠が出たか。一読して、そう感じたのです。

 朝日の特ダネに敏感に反応したのが毎日です。17日夕刊で、すぐに追いかけました。次のように。

 〈毎日新聞が文科省関係者から入手したA4判の文書によると、「獣医学部新設に係る内閣府の伝達事項」と題された文書には「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」「これは官邸の最高レベルが言っていること」と早期の開学を促す記述があった〉
    *
 この記事を読むと、毎日が入手した文書は、朝日が得ていた文書と同一のようです。朝日の記事が重要な特ダネだと毎日も理解したのです。

朝日が報じた文書について、同日午前、菅義偉官房長官は「どういう文書か。作成日時だとか、作成部局だとか明確になってないんじゃないか。通常、役所の文書はそういう文書じゃないと思う」と語ったそうです(18日付朝日朝刊)。官房長官は怪文書扱いしたのですね。不思議な対応です。

 本来、このような重大な事実を推測させる文書の存在が報道されたら、「重大な問題を提起している。早速事実関係を調べてみたい」と答えるべきなのではないでしょうか。それが、怪文書扱いして調べようとしないのは、何か不都合なことがあるからではないかと思ってしまいます。

 この官房長官の記者会見でのコメントに、朝日は事実をもって反論します。18日付朝刊で、作成日時と「対応者」の4人の実名が書かれていると報じたのです。

 さあ、こうなったら、実名が記された人たちは、なんと答えるのか。朝日は19日付朝刊で伝えています。18日の国会答弁で、「わからない」「記憶はない」と繰り返したというのです。

 さらに20日付朝刊で、文科省が文書の存在を調べたが「存在は確認できなかった」と松野博一文科相が発表したと報じています。「個人が省内で使っているパソコンは調べなかった」というのです。
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 これを調査というのか。都合の悪い文書の存在が明らかにされたため、関係者たちが右往左往している様子がわかります。

 この対応に朝日は追い打ちをかけました。25日付朝刊で文科省の前川喜平前事務次官のインタビュー記事を掲載。事務次官在職中、問題の文書を見たと証言したのです。

 怪文書ではなくなりますが、松野文科相は25日の参議院文教科学委員会で、「すでに辞職された方の発言であり、文科省としてコメントする立場にない」と述べています。何としても認めたくない。教育行政のトップは、こういう人なのです。

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