軍産複合体は、倫理的に不可なだけではなくビジネスとしてもリスクが大きい 

雑誌「世界」6月号に、本田浩邦氏が「武器輸出の経済リスク」と題する論考を載せている。安倍政権になって、遮二無二推し進められている武器輸出、産軍複合体化、軍学共同研究への警鐘である。わが国の武器輸出は、人道上、安全保障上、憲法上の問題があるが、ビジネスの点からも問題がある、という。

国際的に、現在の武器市場では、「オフセット取引」が主流になっている。オフセット取引といは、武器の取引に際して、武器を輸入する開発途上国から、輸出国に対して、武器生産への参加、技術移転、その他の開発援助を求める取引である。武器輸出は、元来政治的汚職の温床にもなっている。「オフセット取引」では、輸出企業が見返り契約を履行するために、実質的にかなりの債務を負うことになる。それをオフセット債務という。オフセット債務が、武器輸出額に占める割合は、スエーデンのサーブ社129%を筆頭に、ロッキードマーチン社の74.3%と続き、欧米の軍事企業では大体10から50%前後である。

武器取引は、軍事・外交の複雑な力学が支配する。米国は官民挙げて、日本の軍事企業との提携を模索している。そこでは、日本企業は米国企業の従属的なパートナーとなる。安倍政権が、それまでの「武器輸出三原則」を撤廃し、実質的に武器輸出を解禁した背景には、米国の意向がある。米国軍事企業は、日本企業と共同することで、リスク分散を図る。だが、その関係は上に述べた通り、非対称な関係であり、米国軍事企業に従属する形での日本企業による武器輸出が行われる。我が国から技術が流出し、利益の背後に隠された莫大な「オフセット債務」に長期間苦しめられることになる。

米国軍事企業は、武器輸出自体では大きな利益を得ることができなくなっており、武器に関する特許を多く得て、その使用料で利益を確保しようとしている。オバマ時代のTPP、様々なFTAが知的財産権を重視しているのはそのためだ。特許権の保護を米国の司法制度の枠組みで行うことを米国政府は画策している。我が国が軍事技術の面で米国に追随せざるを得ない状況を固定化するのである。

米国政府は、武器輸出を行う際に、それによって国際秩序の軍的なバランスを保ち、戦争への「抑止力」を確保する、と説明する。わが国政府も、武器輸出を行う際に、同様の説明をすることだろう。だが、英国の歴史家、マイケルハワードは、二つの大戦はヨーロッパの文化に深刻な変化をもたらし、ヨーロッパ諸国はもはや戦争を「政治の道具」とさえ見なさなくなった、と述べた。悲惨な惨禍をもたらした戦争の経験がヨーロッパに再び戦争の惨劇を繰り返さぬための抑止力として作用している、というのだ。東アジアにおいても、程度は弱いかもしれないが、同じ力学が各国民の意識の深層で働いている可能性がある。わが国政府が、武器輸出を本格化させ、改憲への動きを強め、その条件整備のために秘密保護法を制定したことは、そうした抑止力に反することであり、近隣諸国の警戒感を煽り、緊張を高める。日本は、今、産軍複合体が米国軍事企業に追随する道を歩むのか、平和経済を目指す道を歩み続けるのかの分岐点にある。

以上のような内容だ。

軍事企業は、軍事紛争・戦争を欲する。軍事企業が栄えることは、世界の各地で彼らが作る武器により、より多くの人々が苦しむことになることを意味する。上記の論考に記されたように、ビジネスとしてもリスクは高い。米国の企業に振り回され、東芝は実質破たんした。同じことが武器輸出企業に再び起きる危険性がある。倫理的にも、実務上からも、武器輸出を行う軍事産業は不可なのだ。

こともあろうに、わが国で「武器見本市」が開催されている。今のところ、企業イメージの低下を恐れて、表立ってこうした催しに参加する企業が格段に増えているということはないらしい。だが、政府の意向と、目の前の利益に目がくらんで、「死の商人」の仲間に入る企業が今後増えてゆく可能性がある。それは、結局、経済的にも、安全保障の面でも我々に多大な負担を課すことになる。

我々は、問われている、次の世代のために、このままで良いのか、と。

以下、引用~~~

★死の商人おことわり! 6.12 武器見本市 "MAST Asia" 抗議アピール

日時:6月12日(月)
  午前11時30分に集合、12時~13時30分まで 抗議アピール
集合場所:JR京葉線「海浜幕張駅」南口の改札外 
     
※横断幕やプラカードを掲げて、マイクアピールも行いながら、参加者にチラシを配ります。プラカード持参歓迎。非暴力のアクションです。

<呼びかけ> 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)
問合せ・連絡先 090-6185-4407(杉原)

 6月12日から14日まで、千葉県の幕張メッセで海軍関係の武器見本市「MAST Asia 2017」(海上防衛技術国際会議/展示会)が開催されます。戦後初の大型武器見本市となった2015年5月のパシフィコ横浜での開催以来、2年ぶりとなります。森本敏元防衛大臣が実行委員長を務めています。

MAST Asia 2017 ホームページ
https://mastconfex.com/asia2017/

MAST Asia 2015 の報告ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=yTAlRYUcFYo

 今回も前回同様に、防衛省、経産省、外務省が後援しており、日本からは防衛省・海上自衛隊をはじめ、三菱重工などの軍需企業が出展します。また、米ロッキード・マーチンをはじめとする世界33ヶ国の軍需企業や軍関係者が参加し、最新の武器が展示されます。関係者による様々な会議も行われ(一般参加者は展示のみ参加可能)、森本敏元防衛相が実行委員長を務めます。

 約3年前の2014年4月、安倍政権は一片の閣議決定によって、「国是」とされていた「武器輸出三原則」を撤廃しました。安倍首相は「成長戦略」の一環に武器輸出を位置づけ、トップセールスを展開しています。現在までに、武器本体の輸出こそ難航しているものの、日英ミサイル共同研究などの武器の共同研究、共同開発は着実に進展しています。

 そして、民間企業や大学を武器開発に巻き込もうとする動きも強まっています。防衛省の軍事研究推進制度の予算が昨年度6億円から、今年度は一気に110億円に激増するなど、日本版の「軍産学複合体」づくりが本格化しています。その先にあるのは、人工知能すら組み込んだ最先端の無人兵器などの開発に、日本の技術者や研究者が加担させられる構図です。

 トランプ米大統領は、隣国イエメンを無差別に空爆して多数の民間人を殺傷しているサウジアラビアと、12兆円もの武器輸出契約を結びました。世界で悲惨な紛争が続いている背景には、戦争を利用する国家に加えて、戦争で儲ける軍需企業=「死の商人」の存在があります。

 こうした世界の中で、日本政府と市民がなすべきことは「死の商人国家」の仲間入りをすることではなく、武器輸出三原則を復活させて、世界の武器貿易をやめさせることではないでしょうか。

 軍隊の保有や交戦権を否定した憲法9条のある国で、武器見本市を開くことは本来、許されません。かけがえのない人の命を奪うための武器や技術の展示が大手を振ってまかり通ることを見過ごすわけにはいきません。私たちは「MAST Asia 2017」の中止を求めます。そして、日本政府や軍需企業に対して、武器輸出をやめるよう強く要求します。

 「MAST Asia 2017」の参加者に私たちの思いを訴えます。ぜひご参加ください。また、このアクションについて、お知り合いにもお伝えください。

<MAST Asia 2017 参加予定国>
英国、オランダ、スウェーデン、スペイン、ドイツ、ノルウェー、フランス、ポーランド、ポルトガル、インド、インドネシア、シンガポール、タイ、大韓民国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、チリ、ブラジル、アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、トルコ、バーレーン、南アフリカ、イスラエル、イタリア、日本(以上33カ国)

【武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)】
メール anti.arms.export@gmail.com
FAX 03-5225-7214
TEL 090-6185-4407(杉原)
ブログ https://najat2016.wordpress.com/
ツイッター https://twitter.com/AntiArmsNAJAT
フェイスブック https://www.facebook.com/AntiArmsNAJAT/

---------------- 以下、転送 -----------------

〈拡散希望です〉

★「武器見本市」抗議連日スタンディング@JR海浜幕張駅南口

【せんそうの どうぐ つくるのやめよう!】

6月12日~14日までの3日間、千葉市幕張メッセにて武器見本市 MAST Asia 2017 が開催されます。
https://mastconfex.com/asia2017/

私たち《安保関連法に反対するママの会@ちば》は、「だれの子どももころさせない」を合言葉に活動を続け、ゆえに人の命を奪う武器をつくることにも反対しています。

戦争・武器によって傷つき、命を落とす子どもを地球上から無くすために活動している私たちは、この見本市が私たちの地元 千葉で開催されることに強い怒りを覚えています。

また、このMAST Asia 2017 のホームページには「Supported by~」として、防衛省、経産省、外務省が名を連ねていることも看過できません。

日本が「国」として「せんそうのどうぐ」を作り、積極的に「売り出す」国になってしまっていることに、情けなさも覚えています。

6月12日(月)~14日(水)の3日間、私たちは連日、抗議のスタンディングを行います。

◇非暴力で平和的な抗議行動です。
私たちと思いを共有してくださる方であれば、どなたでもご参加いただけます。

ご参加、そしてこの情報の拡散にご協力いただければ嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

《日時》
6月12日(月) 午前11時~
6月13日(火) 午前10時半~
6月14日(水) 午前10時半~
〈いずれも終了時間は未定です〉
《場所》
JR海浜幕張駅(南口)

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