獣医医療に岩盤規制はあるのか? 

安倍首相の親しい友人である加計孝太郎氏の経営する加計学園に対して、獣医学部新設のために、安倍首相が便宜を取り計らったかどうかが、加計学園疑惑の最大のポイントだ。

その点に関して、安倍首相は、『国家戦略特区によって「岩盤規制にドリルで穴を開けた」のだ、個人的便宜を取り計らったことはない』という主張を繰り返している。

これは、あきらかに問題のすり替えである。

だが、本当に国民の利益に反する「岩盤規制」があったのかどうかについて検討することも意味のあることだろう。

獣医師が足りない、特に産業動物獣医師が足りない、それなのに獣医師を増やす政策に、獣医師会と農林省・文科省が反対しているというのが、安倍首相の言う「岩盤規制」なのだろう。

農林省が、10年前にまとめた獣医師の需給予測に関する報告書がある。多少古いが、獣医師数の需要は、当時から同じ水準か、または小動物の減少等により、減っている可能性が高く、需給予測として現在も意味のあるデータだろう。こちら。


これによれば、
〇獣医師数は漸増している
〇小動物を扱う獣医師数は増加しているが、産業用動物獣医師が減少している
ことが分かり、この傾向が続くことが予測される、ということだ。

産業用動物を扱う獣医師が減少しているのは、獣医師の世界での専門性の偏在の問題なのだ。これは産業用動物獣医師の待遇を改善する、現在増えているという女性獣医師が就業できるような労働条件にするということで対応すべきなのである。獣医師数を増やすことで改善できない。毎年1000名弱の新たな獣医師が生まれている獣医師の世界に、加計学園獣医学部新設により、新たに160名(他の獣医学部の定員の約3倍!!)獣医師を一挙に増やすことは、獣医師の需給関係を乱し、獣医師の労働条件、獣医医療の質の劣化を招く可能性が高い。

また、四国に獣医学部を新設すれば、そこに獣医師が定着するという保証は何もない。これも当然のことだ。

以上から、獣医師数を一定に保つことは、獣医師の労働環境を良い状態に保ち、獣医医療の質を保つために必要なことであり、岩盤規制でも何でもない、ということになる。

政治家が、岩盤規制という名詞を連呼すれば、新たな利権を得られるということはない。国家戦略特区という制度が、特定の組織・人物に利権をもたらす疑惑がある。

安倍首相は、彼が「岩盤規制」に穴を開けた先に、40年来の親しい友人がいたという理由を明らかにすべきなのだ。

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