軍拡に伴い、社会が内部崩壊する危機 

我が国の防衛費は、1960年代以降GDPの1%以下に抑えられてきた。これは、専守防衛を国是としてきたから可能だった。戦争の惨禍を繰り返すまいという意図の表現でもあった。1990年代以降、GDP1%以下は5兆円以下とほぼ同義だった。だが、第二次安倍政権となってから、防衛予算は年々増加、5兆円の壁をいとも容易に突破した。

そこにきて、自民党安保調査会が、防衛費をGDP2%まで増額することを提言する。実に、さらなる5兆円の増加である。NATOを参考にするとしているが、GDPの額に大きな差があるので、%での比較は不適当だろう。2016年の軍事費国際比較では、我が国は8位だが、GDP2%を実現すると、ロシアを抜いて世界3位になる。本当に専守防衛に徹するのを続けるのであれば、これほどの軍拡は必要ない。米国の意向を受け、自国の軍事産業の活性化、さらに米軍の世界戦略の肩代わりを目指しての軍事費増額なのではないだろうか。我が国は、米国から言い値で高額の軍備を購入し続けている。

これほど安易に軍事費の増額を提言する自民党だが、その一方で政府は社会保障費の抑制を推し進めている。政府、厚労省の医療の基本方針は、病床を減らし、高齢者の終末期医療は、在宅で行う、それも、地方自治体に丸投げする、というものだ。介護保険の自己負担もさらに上げられ、医療は実質混合診療が進み、国民は民間の医療保険に入る必要が出てくる。過去五年間で社会保障費は、実に3兆4500億円も削られた。社会保障の自然増分のうち毎年1500億円程度削減し続けられている。国民は、さらに高額になる医療介護を受けざるを得ず、さらに入院治療は困難となり、在宅療養を余儀なくされる。

年金も、徐々に減額されて行く。日銀と、年金資金が、株式を買い支えている。株式のバブルが破裂すると、金融システムに大きな障害が生じ、年金資金が毀損することは確定的な見通しだ。年金はさらに減らされることだろう。

こうした状況で、毎年5兆円の軍備増強を行うという自民党の提言だ。社会保障はさらに削られる。軍拡は出来たが、日本の社会保障が機能しなくなり、社会内部から崩壊する、ということになるのではないだろうか。

以下、NHKニュースより引用~~~

自民 安保調査会 防衛費はGDP2%程度に NATOを参考

6月17日 7時35分

自民党の安全保障調査会は日本の防衛費について、NATO=北大西洋条約機構がGDP=国内総生産の2%を目標としていることも参考に、厳しい安全保障環境を踏まえ、十分な規模を確保すべきだなどとする提言の案をまとめました。

提言の案は、次の中期防=中期防衛力整備計画の策定に向けた政府への提言の中間整理としてまとめられたもので、この中では、北朝鮮の核、ミサイル開発について、「新たな段階の脅威となっている」としたほか、中国の海洋進出への懸念なども指摘しています。

そのうえで、GDP=国内総生産の1%を超えない程度で推移している日本の防衛費について、「NATO=北大西洋条約機構がGDPの2%を目標としていることも参考にしつつも、あくまでも必要不可欠な装備の積み上げの結果に基づいて判断するものとし、厳しい安全保障環境を踏まえて十分な規模を確保する」としています。

そして、防衛力の強化に向けて、独自の早期警戒衛星の保有を検討することや、自衛隊がサイバー攻撃の能力を備えることなどが必要だとしています。

安全保障調査会は近く、この案を党の国防関係の会合で示したうえで、提言の取りまとめに向けて、さらに検討を進めることにしています。

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