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長く続く咳 

ここで医者らしい発言といえば、医療崩壊がらみの発言ばかりなので、時には、診療上気のついたことを少しばかり・・・。

長く続く咳で小児科を受診するお子さんは、結構多い。咳の原因と対策を挙げだしたら、一冊の本になるほどだろう。

しかし、大学にいた頃に見落としていたであろう、慢性の咳の原因に、副鼻腔炎がある。(私が見落としていただろうという意味。)

痰のからむ咳が、主に朝方出る。時々、鼻が詰まる。中耳炎を繰り返す。時に、熱が出ないのに、喉を痛がる。こうした症状を、繰り返している場合は、鼻炎・副鼻腔炎を考慮する必要がある。

小児科のトレーニングを私が受けた頃は、一般外来での診察といえば、聴診器で胸部を聴診し、舌圧子を用いて、咽頭・口腔を観察することが主体だった。開業をしてから、それだけでは、極めて不十分であると思うようになった。小児科医といえども、鼻腔と外耳道・鼓膜を覗くことは必須だと思うようになった。現在の小児科トレーニングでは、日常の手技になっているのかもしれない。

鼻腔・副鼻腔に問題のあるお子さんが、とても多いのだ。大きな施設であれば、耳鼻科の医師がいて、耳鼻科関係の問題が疑われれば、すぐに診察をお願いすることもあるのだろう。開業をすると、そうもいかない。やはり喉を診るのと同様に、鼻腔と外耳道・鼓膜を診ないと、十分な対応ができない。

上記のような症状があれば、鼻の中を良く診て下さる医師を見つけて、診察をして頂くことが一番だ。

診断は、鼻腔を診れば、すぐにつくことが多い。X線写真やCTを撮れれば、確定することが出来るが、被爆を考えると、小児では勧められない。大きなお子さんで、鼻水が喉に回る後鼻漏という現象があれば、ほぼ確定できる。

治療としては、吸入・ベースにある鼻炎の治療・抗生物質内服等々がある。吸入は、とても有効だ。鼻をかむことがとても大切。片側ずつ、そっとかむことを教えたい。

長く続く咳を、風邪といわれて、咳を抑える薬や、喘息の治療薬を長く飲まされているケースがある。当然、効かない。小児科医も、耳鼻科的な診察手技を心得て、このような症例に対応する必要があると、開業してから痛感したところだ。

コメント

なるほど...

長く続く咳、というとやはり喘息を一番に考えてしまいます。wheezeがなくとも喘息はありうると思っています。
慢性副鼻腔炎でも咳が出るんですね。

ところで管理人さま、一つ教えていただきたいのですが、喘息の治療というとやはり吸入ステロイドが小児科領域でも今は第一選択になるのでしょうか。

うちの娘が喘息もちなので、なかなか大変です。
失礼しました。

慢性咳

こんばんは。初めて投稿します。耳鼻科の勤務医です。医療崩壊関係の記事は大変参考になることばかりで、よく読ませて頂いてます。

耳鼻科医の立場から言うと慢性副鼻腔炎の後鼻漏が慢性咳や咽頭不快感の原因になるというのは「イロハのイ」です。主に診るのは小児よりは成人ですが、この手の患者さんは毎日いらっしゃるのと、ファイバースコープで鼻腔から喉頭までの患部を直接観察できるのが小児科の先生に比べてのアドバンテージになるかも知れません。

ところで私にとって成人の慢性咳で最近はっとさせられたのが「百日咳」です。香川大で集団発生したとの報道がありましたが、呼吸器科の先生からもちらほら話を聞くようになりました。小児にせよ成人にせよまともに患者を診たことがないこともあり、すっかり鑑別診断から抜け落ちておりました。咽喉頭にも胸部レ線にもあまり所見が無く、漫然と色々な薬を投与していた慢性咳の患者さんの内の一部が実は百日咳だったのかも知れないと思っています。ただ、こういう患者さんにはマイコプラズマやクラミジアの方を念頭に置いてマクロライド(CAMなど)を長めに投与することが多く、それは百日咳であっても効いていたことにはなるんですが。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_36.html

QWさん

cough variant asthmaですね。これによる慢性の咳も多いですね。

それから、御存知かもしれませんが、小児アレルギー学会の作った、小児気管支喘息のガイドラインがあります。

http://www.iscb.net/JSPACI/i-20051129.html

確か、軽症持続型よりも重症の場合は、ステロイド剤の吸入が第一選択になっていたと思います。確か・・・なんて、小児科医として不謹慎ですが、ガイドラインは飽くまでガイドラインに過ぎないという判断が、臨床医としてはありまして、ガイドラインを金科玉条のようには扱っていません。

実際のところ、ステロイド剤の吸入を第一選択に用いることが多いです。特に、重症例では本当に福音となることが多いですね。

一方、最近、長期予後に関して、ステロイド剤の効果に疑問を投げかける論文も幾つかみられるようになっています。ガイドラインの件と合わせて、過去のエントリーに記したかもしれません。

吸入ステロイド剤の長期の副作用の問題もすべてクリアーされているわけではなく、ステロイドですべて解決とはいかないように思います。

お嬢様、快癒されることをお祈りいたします。

いかれぽんちさん

コメントをありがとうございます。

この発言をアップしましてから、不味いかなと思い、削除しようかと思ったところでした。私は、医学的な議論よりも、咳を長く続けているお子さんをお持ちのご両親に読んでいただけたら、という軽い気持ちで書いたのです。しかし、文面から、読んでいただく対象がボヤけてしまい、いろいろ突っ込みどころ満載の文章になってしまったなと思っていたところでした(他の文章もそうですが(笑))。

慢性の咳の重要な鑑別診断に、慢性副鼻腔炎が入ることは良く存じています。ただ、小児科の場合、それが外来ベースで見逃されていることが多いように感じていました。

私も、ファイバーではありませんが、硬性内視鏡をルーティンに用いており、お母さんにお子さんの鼻の中を見ていただき、治療の必要性を理解して頂くようにしています。

聞くところによりますと、小児科の研修医が、外来でエコーを聴診器のように使いこなす時代になっているとか・・・鼻・耳も詳細に所見をとることが、小児科であっても必要な時代なのではないかと思っています。耳鼻科でなければ対処できぬ問題も沢山あるのはよく分かっています。小児科医としてプライマリケアの必要条件として、上記のことを考えておりました。(既に、研修レベルで行なわれているのかもしれません。)

大人の百日咳は見たことがありませんが、百日咳で痙咳期に入りますと、抗生物質はほとんど効果が無いように思いますが、如何でしょうか。やはり、一種の気道過敏性の亢進状態が残るのだろうと思います。

今後ともよろしくお願い致します。

中総体のあと、1週間咳が続いているので、まさかと思い今日かみさんが息子を小児科へ連れて行きました。気管支喘息といわれてきました。そういえば、小さい頃ぜんそく気味でした。山の上に引っ越してきて、すっかり収まったと思っていたのですが。なにやら薬はもらってきたようです。QWさんの娘さんのようにひどくはないと思います。
喘息は卓球なんかのスポーツはしていいのでしょうか?

SUGIさん、それは御心配ですね。落ち着いていれば、運動は出来ます。ただ、運動中または終了後数時間してから、発作や咳の出ることがあります(運動誘発性喘息と言います)。それが出る場合は、準備運動を十分することが大切です。それでも収まらなければ、交感神経刺激剤の吸入薬や、インタールという吸入薬を、運動前に用いることになります。その場合は、主治医に御相談ください。

これが、Wの友人との交信ですと・・・
A BILL FOR THIS MEDICAL ADVICE WILL BE SENT TO YOU SOON.と締めくくります(笑。

Shinさん、アドバイスありがとうございます。
ちょうど期末試験に入りまして、部活も卓球教室も開店休業に入りましたので、今のうちになおしてほしいです。
十分な準備運動をするように、息子には伝えました。ちゃんとやってくれるだろうか?

おお、そうでした。対価はきちんと払わねば。
落語だとマイクの前でチャランチャランとお金でも鳴らすのでしょうが、CWではどうすればいいのでしょうか。

Sugiさん、運動しても咳がでないのであれば、普通どおりの準備運動で良いですよ。そうだな~、交信中に禁断モードに移って、歌を歌ってもらおうかしらん・・・笑。

私、一度だけ、禁断モードに移って、マイクの前でチェロを弾いたことがありました。カナダのYLさんに懇願されて・・・。

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