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The West Eastern Divan Workshop 

ピアニストであり、指揮者でもあるダニエル バレンボイムが、上記のワークショップと、そのオーケストラを組織して、活動を世界各地で続けているようだ。

彼のサイトの紹介文によれば、1990年代初めに、ユダヤ系ブラジル人である彼が、パレスチナ系アメリカ人の文学者エドワード ザイード氏に出会う。彼等は、イスラエル・パレスチナ関係の協力関係を構築する可能性という点で同じ考えを持っていた。それを実現するために、アラブとイスラエルの音楽家を目指す若者を集めて、音楽の教育をし、議論しさらに演奏するためのワークショップとオーケストラを組織した。

バレンボイムとザイード、それにオーケストラを、2002年から追ったドキュメンタリー番組が、NHKBSで放映された。現在も烈しく敵対するイスラエルとアラブの若者が、同じ場所で生活し、音楽をすることは、我々の想像を超えた出来事であるらしい。アラブの若者にしたら、イスラエルからやってくるものとは「兵士それに戦車」だけだった。イスラエルの若者にしても、同様の思いをパレスチナに対して抱いているようだ。

しかし、共に音楽活動をする中で、お互いの存在を認めるようになる。武力では何も解決しない。相手の考えを受け入れることは出来ないかもしれないが、理解しあおうとする意志を持つことが必要なのだ、とバレンボイムは語る。必要なのはdialogueをすることなのだ、と。

音楽には、国境がないとよく言われる。音楽によって、イスラエル・アラブの若者の間に理解が生まれているのを目の当たりにすることは、感動的ですらある。勿論、バレンボイムも指摘するように、音楽が現在の問題を解決する政治的な力を生むことはないが、こうした相互理解を希求する気持ちを若者達に与えたとしたら、素晴らしいことだ。

最近、パレスチナでは、穏健派と原理主義派の間で抗争が烈しくなり、イランの援助を受けている後者が覇権を握ったらしい。パレスチナの若者が、3,4年前の時点でも、酷い時代が続いていると嘆いていたが、さらに状況が悪化していることが危惧される。このオケが、2004年、その年ワークショップの最後の催しとして、パレスチナの街で初めての演奏会を開くところで番組は終わった。イスラエルからパレスチナに、イスラエルの若者が入ることは、大きな危険を伴うことのようだった。まさに歴史的な出来事であったようだ。そうした演奏会が、パレスチナで再び開かれることがあるのか、我々も関心を持ち続けていかなくてはならないと思った。

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