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お寒い新聞記事 

もうありふれたニュースになってしまった、産科医不足の問題。それなりに、まともな内容なのだが・・・

この記事を読んだ、埼玉県知事が、単位面積当たりの医師数を比較すると埼玉は決して医師が少ないことは無い、などと噛み付いたらしいと報道されていた。やはり地方自治体の長であっても、医師不足と指摘されるのは困るのか。それにしても、現実を少し見れば、明らかなことなのに、何で口だけでそれを否定しようとするのか・・・単位面積当たりとか、人口の年齢構成とか言っているらしいが、ピントが外れている。

「24時間態勢の過重労働や医療訴訟のリスクを嫌って」若い研修医が、産科を選ばなくなっていると、この記者は記している。24時間では収まらないということが分かっていない。28時間、32時間労働等という労働を恒常的に強いられている。それに、医療訴訟を受けるということは、医師としてのキャリアーが途絶するほど大きな問題なのだ。それを、「嫌う」という感情的な一言で片付けて欲しくはないものだ。福島県立大野病院、奈良大淀病院での事故以来、これではやっていけないと医師は気付いたのだ。このパンドラの箱を開けるのに、毎日新聞も大きな役割を果たした。

一番最後の文節で紹介される千葉大の教授、本当に医療制度を知っているのだろうか。産科は、基本的に当然自費診療である。このようなことを平然とコメントする識者、さらにそれをチェックすることなく載せる新聞記者、医療の危機は、まだ彼等にとって、対岸の火事らしい。

それに、政治家達・・・選挙直前になって、医療が崩壊しつつあることに気付いたのだろうか。選挙対策としてもお寒い内容の政策だが、最も足りないのは、選挙のためだけにしか動かない政治家達自身の能力なのかもしれない。

以下、かの毎日新聞より引用~~~

参院選:せいさく探検隊/4 産科医が足りない /埼玉

 「実は、ここではお産ができなくなります」

 川越市に住む女性(29)は妊娠6カ月の今年3月、徒歩で行ける近所の診療所で、医師の高齢を理由にお産の受け付けを断られた。義妹も別の診療所で断られたが「まさか自分も」と驚きを隠せなかった。紹介された別の病院は車で15分。「少子化と騒がれているのに産めないなんて」と釈然としない思いが残った。

 一方、川口市立医療センターの栃木武一・産婦人科部長(60)は、午前中だけで70人を診察し、午後は手術や回診、週1回の当直という激務に追われている。当直明けはそのまま日勤に入り、お産が危険な状態になればいつでも呼び出される。「寝られる時に寝て、食べられる時に食べておく生活。そのうちみんな嫌になって辞めてしまう。そうなれば、妊婦にしわ寄せがいくのは間違いない」と懸念する。

 ここ数年、全国で高齢化や精神的な疲弊、体力の限界を理由に、産科医がお産の現場を去る事態が相次いでいる。産婦人科医の過半数は50歳以上(厚生労働省、04年)と高齢化が進んでいる上、24時間態勢の過重労働や医療訴訟のリスクを嫌って若い研修医が産科を選ばなくなり、担い手不足は深刻になった。

 従来、医師不足は過疎地の問題だったが、都市部でも患者数に見合った医師数が確保できなくなっている。県南部の草加市立病院では05年、産婦人科の常勤医3人が医師不足の大学に引き揚げるなどして次々と退職。分娩(ぶんべん)の取り扱いをやめざるを得なくなった。隣接する八潮市の八潮中央総合病院、川口市内の診療所なども分娩をやめ、残った病院に何百というお産予定の妊婦が集中した。一つの施設で分娩を扱わなくなると別の病院に過重な負担がかかり、疲れ果てた医師が分娩をやめる。するとまた別の病院にお産が集中する--。

 「ドミノ倒し」のように産科施設が崩壊していくなか、各病院は、大学の医局に医師派遣を求めたり、常勤医師よりも高額のアルバイト代を出して当直医を雇うなどしてしのいでいるのが現状だ。

 全国的な医師不足の解決策として自民党は6月上旬、医師がいなくなった地方に、国から医師を緊急派遣する仕組みづくりなどを政府の「骨太の方針」の素案に盛り込んだ。だが、栃木医師は「場当たり的」と指摘する。そもそも日本は経済協力開発機構(OECD)の加盟先進30カ国中、人口当たりの医師数が最も少なく、とりわけ埼玉県は人口10万人当たりの医師数が全国一少ない(同省、04年)。

 一方、民主党は、医療事故が起きた際に、医師の過失の有無を問わず金銭補償する「無過失補償制度」の設置などを打ち出したが、政府全体が医療費の抑制を進める中、予算をどう担保するかは不透明だ。公明、共産、社民も重点施策の一つに医師不足への対策を挙げている。

 千葉大の広井良典教授(社会保障論)は「医師不足の背景には、診療報酬の設定が産科や小児科で低く、開業医に比べて病院勤務医の報酬が薄いなど医療費の構造的問題がある。そもそも国としてどれだけの予算を医療に投じるべきなのか、基本的な議論をこの機会にすべきだ」と話している。【稲田佳代】

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