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安倍首相の改憲への「思い」 

憲法については、与野党が合同して、憲法調査会で時間をかけて議論を続けてきた。憲法は、国の形を決め、さらに権力の暴走を阻止する法律であるから、国民的な議論を根気強く続ける必要がある。改憲は、国民のなかからその必要性が指摘されて初めて、日程に上るべきことだ。

それを、安倍首相は、時間を切って改憲する、という。彼自身の「思い」を実現するためだ。憲法調査会が積み上げてきた議論なぞ、ちゃぶ台返しである。国民投票という直接民主制に訴えるには、ことのほか慎重で時間をかけた議論が望まれる。だが、安倍首相はいかにも拙速である。

安倍首相が、改憲を今行うべきではない理由はいくつもある。

一つは、彼が現在の憲法を守っていないこと。安保法制を制定し、集団的自衛権行使容認したことで、憲法の平和主義を破壊した。そうした人物が、自分の「思い」を実現するために、改憲を行うべきではない。

改憲をすべき積極的な理由がないことも重要。自民党改憲草案は、時代錯誤そのものだ。安倍首相は、その草案自体も無視して改憲に突き進もうとしている。非常事態条項の導入を安倍首相が意図している。非常事態条項は、自然災害時の体制としては不要である。すでに参議院の緊急集会(憲法54条2項)法律による政令への罰則委任(憲法73条6項)等が自然災害時に備えて準備されている。後者に基づき、災害対策基本法の定める厳格な要件下で、緊急時に内閣は四つの事項について、一時的な立法権が認められることになっている。現憲法制定時にも非常事態条項に通じる国家緊急権を定めるべきではないか、という議論があったが、国家緊急権は乱用の危険があるから憲法には規定しないという結論を得ている。現在の法体系で、自然災害等の緊急事態には対応できる体制になっている。

ところが、安倍首相は、自衛隊の存在を加憲の形で9条に滑り込ませ、9条を実質反故にすることや、学費無償化という国民受けの良い改憲項目の陰で、緊急事態条項の制定を画策している。これは、戦前の体制に戻す一環であり、ナチスがワイマール憲法を骨抜きにし、権力を掌握した全権委任法の手法と同様である。自らにさらなる権力を集中させることを安倍首相は考えている。それが、彼の改憲に向けての「思い」のわけだ。その「思い」の実現に手を貸せと言われる国民は大きな迷惑だ。

以下、引用~~~

安倍首相、自民改憲案「夏に絞る」=臨時国会提出へ議論加速
7/23(日) 16:14配信 時事通信
 
安倍晋三首相(自民党総裁)は23日、横浜市で開かれた日本青年会議所の会合で青木照護会頭と対談した。

 首相は憲法改正について、「自民党は政権与党として責任感を持って憲法議論を深めていく。この夏に汗を流しながら(改憲項目を)絞っていく」と述べ、今秋の臨時国会への自民党案提出に向け、党内の意見集約を加速させる意向を示した。

 内閣支持率の急落を受け、党内外から慎重な対応を求める声も出る中、首相は自らが掲げる2020年の新憲法施行を目指す姿勢を鮮明にした形だ。また、首相は「各党はただ反対するのではなく、『自分たちはこう考えている』という案を持ち寄ってほしい」と述べ、野党側にも提案を促した。 

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