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「政治生命をかけた冒険」 

田原総一郎が、安倍首相に会って、『「政治生命をかけた冒険」をしてみないか』と提案したと報じられている。リテラ、それに他のソースによれば、その冒険とは、北朝鮮を訪問し、北朝鮮の核・ミサイル開発を停めさせ、拉致問題を解決へ進展させることだと言う。それが、安倍首相が現在の窮状から抜け出す助けになるのではないか、ということだ。

本当にそれが実現するのであれば、リテラにも記された通り、東アジアの緊張緩和にとって良いことだろう。だが、北朝鮮の軍拡の目的は、米国からの存在承認である。米国と、北朝鮮は実質的に戦争状態にあり、米国は韓国と40年間以上北朝鮮をターゲットとする、軍事演習を重ねてきた。それを止めさせることが北朝鮮の軍拡の目的だ。

北朝鮮・米国両方を休戦から和平へ進ませることが可能かどうか、我が国は(直接的な)当事者ではないし、米国と軍事同盟を結んでいるわが国が行えることは限られているように思える。北朝鮮は、これまで核開発を止めることを六か国協議の場等で約束してきたが、それを守っていない。自らの独裁体制を維持するためにはいかなる手法も利用することだろう。その困難を乗り越えられる可能性は極めて小さい。でも、北朝鮮も、この軍拡のチキンレースには出口がないことを知っているだろうし、国内事情も厳しいはずだ。トライしてみる価値はある。

・・・のだが、安倍首相は、これまで北朝鮮の脅威を実際以上に煽り続け、それによってわが国の軍拡・国家主義化を進めてきた。他でもない彼が、その任に当たるのには大きな抵抗を感じる。特に、国内での支持率低下を回復するためという目的で、この外交の冒険を行うのは、倫理的に許されない。支持率低下を来した理由を本当に反省し、それを改めるということにはならない。また、民族分断の苦しみを味わう朝鮮民族の方々を利用することになってしまう。民族分断の遠因をもたらしたのは、戦前のわが国であることを忘れるべきではない。もし朝鮮半島の緊張緩和に安倍首相が寄与できたとしても、それと国内問題とは別な次元の問題だ。

田原総一郎は、安倍首相に何を進言したのか。単なる人気回復のための冒険を進めたのだとしたら、田原もそろそろ引き際だ。

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